「この世の春」 宮部みゆき 新潮社 上・下巻
宝永7年(1710年)皐月。
下野北見藩2万石を治める6代藩主・若狭守重興が「押込(おしこめ)」に合う。
重興は「病重篤」として藩主の別邸、五香苑に座敷牢を作り幽閉されるが、実際は重興の言動が不審で常軌を逸した物だったからだ。
御用人頭の伊東成孝はそれを悪霊が付いたからだと言う。
重興の中には、男の子と女と狂暴な男がいた。
その五香苑に元作事方組頭の各務数右衛門の娘、多紀が呼ばれる。
待っていたのは、元江戸家老の石野織部。
多紀は織部から、自分が霊魂と意思を通わせる事が出来る、〈御霊繰(みたまくり)〉の一族の血筋だと聞かされる。
しかし多紀にはその力はなかった。
多紀が最初に会ったのは男の子で、気持ちを通じ合わせる。
多紀は五香苑に残り、医師の白田登と共に重興の治療にあたる。
辛い事から自分を守る為に、別の人格と作り上げた重興。
伊東成孝が主張した悪霊は、御霊繰をする村が消滅させられた事に端を発していた。
その謎を探るうちに分かった、男の子が消える事件。
謎がいくつも提示され、それが少しずつ分かり、繋がっていく。
その探って行く過程はとても面白かったのだが。
結末が分かって来ると、段々尻つぼみになって行ってしまった。
確かに辛い出来事でもあるが。
復讐する為の呪いも、どこまで深いのかと思ったら。
以外と、それだけの怒りだったのかと思ってしまった。
実際には、その計画は果たせず被害はなかったのに。
2人の力の物凄さもあるが、対抗した羅刹も凄い。
余りにも秀でたものが出て来て、逆にちょっと引いてしまう。
それぞれの登場人物に持たせたキャラクターも面白いのだが、何となく平坦に感じた。
宝永7年(1710年)皐月。
下野北見藩2万石を治める6代藩主・若狭守重興が「押込(おしこめ)」に合う。
重興は「病重篤」として藩主の別邸、五香苑に座敷牢を作り幽閉されるが、実際は重興の言動が不審で常軌を逸した物だったからだ。
御用人頭の伊東成孝はそれを悪霊が付いたからだと言う。
重興の中には、男の子と女と狂暴な男がいた。
その五香苑に元作事方組頭の各務数右衛門の娘、多紀が呼ばれる。
待っていたのは、元江戸家老の石野織部。
多紀は織部から、自分が霊魂と意思を通わせる事が出来る、〈御霊繰(みたまくり)〉の一族の血筋だと聞かされる。
しかし多紀にはその力はなかった。
多紀が最初に会ったのは男の子で、気持ちを通じ合わせる。
多紀は五香苑に残り、医師の白田登と共に重興の治療にあたる。
辛い事から自分を守る為に、別の人格と作り上げた重興。
伊東成孝が主張した悪霊は、御霊繰をする村が消滅させられた事に端を発していた。
その謎を探るうちに分かった、男の子が消える事件。
謎がいくつも提示され、それが少しずつ分かり、繋がっていく。
その探って行く過程はとても面白かったのだが。
結末が分かって来ると、段々尻つぼみになって行ってしまった。
確かに辛い出来事でもあるが。
復讐する為の呪いも、どこまで深いのかと思ったら。
以外と、それだけの怒りだったのかと思ってしまった。
実際には、その計画は果たせず被害はなかったのに。
2人の力の物凄さもあるが、対抗した羅刹も凄い。
余りにも秀でたものが出て来て、逆にちょっと引いてしまう。
それぞれの登場人物に持たせたキャラクターも面白いのだが、何となく平坦に感じた。
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