しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ヘルズ・キッチン」 ジェフリー・ディーヴァー

2008年04月29日 | 読書
地下室から噴出した火は、あっという間にペラムを取り巻いた。
猛火に包まれた階上からはエッタの悲鳴が・・・・・・
マンハッタンでドキュメンタリー映画を製作中のペラムだが、主役の老婦人エッタのアパートが放火で全焼する。エッタはなんとか一命をとりとめたが、放火に容疑は彼女自身にかけられた。
無実を信じるペラムは捜査を始めるが、事件の裏には陰謀が!
映画ロケーション・スカウト、ジョン・ペラムが大都会を疾駆する。
   <文庫本裏カバー粗筋より>

ディーヴァーがウィリアム・ジェフリーズ名義で発表した作品。
元インディペンデント系映画監督にして元スタントマン、ロケーション・スカウトのジョン・ペラムのシリーズ3作目、ということだが、その前のはまだ読んでいない。


作者には馴染んだ人物なのだが、自分は始めてなのでその辺りは、ちょっと始めは付いていけていない感じがあった。
そしていきなり火事の現場から始まった物語にもついていけず、緊迫感が感じられなかった。
その後の火事は結構リアルに想像できたのだが。
そして、今もまだちょっとジョン・ペラムという人物を掴みきれていないかも知れない。
カウボーイらしいが、放火魔のサニがブーツとブルー・ジーンズと黒いシャツでカウボーイと命名してしまう。
アメリカはそうなのかな。そしてサニは『真夜中のカウボーイ』のジョー・バックを思い浮かべるが、ジョー・バックはカウボーイハットをかぶっていたし、若いから、読んでいてもペラムとは重ならなかった。
そして、この物語の主役は火。
サニの火に対する心理が結構怖い。
火は美しいと魅せられる人はサスペンスには結構多い感じがするが、自分は火は怖い。
もうひとつの主役はニューヨークのヘルズ・キッチンという場所。
ペラムが撮っていたドキュメンタリー『八番街の西―ヘルズ・キッチンの口述歴史』。
火とヘルズ・キッチンが主役で、放火魔とその黒幕探しはちょっと脇役の物語。

別名義だけあって、ライムシリーズとは雰囲気が違う。
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