しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「オーリエラントの魔道師たち」  乾石智子 

2016年07月23日 | 読書
「オーリエラントの魔道師たち」  乾石智子   東京創元社   

4編からなる短編集。
「紐結びの魔道師」
紐をさまざまに結ぶことで魔法をかけるテイクオクの魔道士師と貴石占術師の魔道比べ。

「闇を抱く」
女たちの密かな魔法組織を描く。

「黒蓮華」
死体を用いる姿なきプアダンの魔道師の復讐譚。

「魔道写本師」
魔法ならざる魔法をあやつるもの、もうひとりの〈夜の写本師〉の物語。







それぞれ違う魔法を操る魔道師の物語。
長編は歴史の中の1頁が書かれ、多くの出来事が社会や人を動かす。
短編は、日常の中で起こる事柄、個人の思いが強い。
それが復讐や恨みなので、物語としては重い。
そして、その為には闇が必要と言う事も。
魔道師と闇の結びつきが、必然なのだと思わせる。
魔法は発達するもので、試行錯誤を繰り返しているような所は面白い。
最後に〈オーリエラントの魔道師〉年表が記されている。
オーリエラントの名前の由来はまだ分からないが、今まで読んで来てかなり封建社会で殺伐とした印象。
栄えても、また滅びる。
歴史はその繰り返しかも知れないが、それにしても退化が激しい。
それは呪いや恨みが蔓延しているからか。
太古の闇の力に人間が負けるからなのか。
魔道師がいても、幸せには結び付かない。
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