常野(とこの)』シリーズの1冊目。10話からなる短編集。
「大きな引出し」
春田光紀は日本の古典や楽譜など、ひたすら“しまう”(記憶)することをしている。それは姉の記実子は両親も同じ。
父・貴世誌、母・里子は2“しまう”のが満員になると、1週間ほど“虫干し”としてひたすら眠る。
しまったものはそのうち“響く”のだが、まだ響いていない光紀は自分のしていることに、ちょっと疑問を感じていた。
「二つの . . . 本文を読む
1943年のドイツ・ミュンヘン。
ミュンヘン大学の女学生ゾフィー・ショルは、兄ハンスとともに反ナチスを掲げ、ビラを配るなどの抵抗運動を行っていた。
スターリングラードでの真の戦いの様子を知らせるビラを、郵送する封筒が不足したことにより大学構内に直接撒くと言うハンス。
仲間は危険すぎると反対するが、ハンスの意思は固く、ゾフィーも手伝うことにする。
しかし、ビラの落ちた3階から降りてきたところを目撃さ . . . 本文を読む
エッセイ集。
多分これが最後のエッセイ集ということで、このタイトル。
目次は「年譜」「自作解説」「映画化など」「思い出」「好きな物」「スポーツ」「作家の日々」
エッセイを書くの得意ではないという東野さん。
この負担を取り除き、小説の方に全力を掛けていくということだそうだ。
東野さんのエッセイは面白いと思うけれど、それは小説の裏話などが聞けるからで、やはりファンでないと読まないのかな。
というか . . . 本文を読む
福澤晴子はこの300日、インド洋にいた息子の彰之に100通もの手紙を書き送り、息子の方はそれらを何十回も読み返す。
手紙には晴子の祖父母のことから、今にいたるまでのことが書かれていた。
晴子は東京・本郷の下宿屋の娘、岡本富子と青森から下宿して来ていた野口康夫の間の長女として生まれる。
富子がまだ若くして亡くなり、康夫は晴子と3人の弟妹を連れて生家のある筒木坂に戻り、自分は漁船に乗って働くからと晴 . . . 本文を読む
PPはマッサ。前回の悔しさを晴らしたような予選だった。
決勝も期待したが、スタートでマクラ-レン2台に抜かれ、そのあとハミルトンを抜こうとしてミス。今回も悔しいGPになってしまった。
ということで、スタートでトップに出たアロンソが、マクラ-レン移籍2戦目にして早くも優勝。
2位がハミルトン。3位ライコネン。
マクラ-レンとフェラーリがやはり強いのか。
マクラ-レンは昨シーズンはトラブルが多かったが . . . 本文を読む
1660年代、王政復古のイギリス。
国王の親族が居並ぶ大事な宴の席で卑猥な詩を朗読して国王の怒りを買い幽閉されていた第二代ロチェスター伯爵こと詩人のジョン・ウィルモット(ジョニー・デップ)。
恩赦を受けて3ヵ月ぶりにロンドンへと戻ってくる。
しかし、ロンドンでは相も変わらず悪友たちと酒を酌み交わし、娼婦を抱く放蕩の日々。
そんなある日、ジョンは訪れた芝居小屋で観客のブーイングを浴びていた若い女優エ . . . 本文を読む
1870年頃、アメリカ西部のマシーンという町に、はるばる東部クリーグラントから、雇用するという手紙をもらってやって来た会計士ウィリアム・ブレイク(ジョニー・デップ)。
しかしすでに他の会計士が雇われていることを知る。
社長に直接訴えようとしたが、社長のディッキンソンに銃を向けられ退散する。
途方にくれていたウィリアムは街中で座り込んでいて、花売りの女性、セルを助ける。そして、セルの部屋へ行くことに . . . 本文を読む
小学6年の耕介は「ハンコ屋」を営む父親と2人暮らし。
夏休みに入ってすぐに2人は「本家」を訪ねることになる。
「本家」とは、死んだ母親の実家の親戚で、耕介の大伯父が会いたがっているというのだ。
その家は、四方を山に囲まれた山の麓にあり、城のような石垣の上に大きな瓦屋根がぎっしりと並んで続いていた。
古くて厳しく、時代劇に出てきそうな立派なお屋敷だった。
「本家」には耕介とは面識のない親戚が集まり、 . . . 本文を読む
朝8時から翌朝8時まで、夜中に仮眠を挟んで80キロ歩く北高鍛錬歩行祭。
前半はクラス毎の並んでの歩行で、後半は自由歩行となる。
1年から3年まで全校生徒参加の歩行祭は、3年生にとっては高校生活の最後の行事なる。
3年の西脇融(とおる)は、自由歩行をテニス部の仲間と歩くか、親友の戸田忍と走るか迷っていた。
融と同じクラスの甲田貴子は自由歩行はクラスは違うが遊佐美和子と歩くことを決めていた。
2人は . . . 本文を読む
常葉菊川(静岡)6-5 大垣日大(岐阜)どちらが勝っても初優勝の選抜の決勝。
どちらも本当にいいチームだった。
特に常葉菊川は1回戦を見て注目していた。投手は良いし積極的な打撃も良いし、とても魅力的なチーム。
強豪との対戦が続いたが(仙台育英、今治西、大阪桐蔭)物怖じしない堂々としたもので、リードされていても、いつか逆転しそうに感じていたが、まさにその通り。
決勝も逆転勝ちだった。でも、大垣も「希 . . . 本文を読む