常野(とこの)』シリーズの1冊目。10話からなる短編集。
「大きな引出し」
春田光紀は日本の古典や楽譜など、ひたすら“しまう”(記憶)することをしている。それは姉の記実子は両親も同じ。
父・貴世誌、母・里子は2“しまう”のが満員になると、1週間ほど“虫干し”としてひたすら眠る。
しまったものはそのうち“響く”のだが、まだ響いていない光紀は自分のしていることに、ちょっと疑問を感じていた。
「二つの茶碗」
三宅篤は妻、美耶子のなれそめを聞かれると、「茶碗が割れたせいです」と答える。
「達磨山への道」
常野一族の聖地と言われている達磨山は、神かくしの山とも呼ばれていた。
泰彦は前に父親と来たことがあり、父親はここで、未来を見た話をしてくれた。
泰彦は友人の鷹羽克也と一緒に達磨山を歩きながら、一人の子どもを見る。
「オセロ・ゲーム」
拝島映子はキャリアウーマンで、高校生の娘、時子と二人暮らし。
ある時会社のエレベーターで同乗した男にシダの葉が生え始めるのを見る。
「手紙」
泰彦の父、倉田篤彦が「常野」について調べる。
倉田篤彦に、寺崎恭冶郎が調べたことを伝える手紙が届く。その中に「ツル先生」と呼ばれる人物がいた。
「光の帝国」
ツル先生は常野の親たちに頼まれて、山奥に小さな学校を作った。一族の中に常野を離れたことにより、精神バランスを崩す者が出、子どもにも影響が出て来たので、
心身の療養をする場所が必要だったからだ。
「歴史の時間」
亜希子は自習になった授業で外の雨を見ながら白昼夢を見る。それは人形の戦いで、飛ぶ人形が打ち落とされていた。
その時、前の席に座っていた春田記実子が「あたしたちのことを思い出してくれた?」と聞く。
今はまだ思い出したくない思いが、亜希子を不安にさせる。
「草取り」
その男の人は「草取り」をするという。
街中のビルや人にも、シダのような草が生え、破壊してしまうという。
禍々しい草がはびこらないように、地道に草取りを続けている人達がいる。
「黒い塔」
秋田から東京に出てOLとして働く亜希子は、20歳の時、自分が両親の本当の子どもではないことを知り、わだかまりを持ってしまった。
父親が病床にある今もなかなか会いにいけない。
「国道を降りて・・・」
川添律は結婚を決めた美咲を連れて、常野の集まりにやって来た。
迎えてくれたツル先生は、美咲がフルート奏者と知り、涙を浮かべる。
あとがきに、「ゼナ・ヘンダースンの『ピープル』シリーズのような話を書こうという気持ちで」とあった。
『ピープル』シリーズ・・・・・シリーズだったのだ。昔に読んでいるが、1冊だけ。でも、とても印象に残る1冊だった。優しい気持ちになれる話だったと思う。
この『常野』も確かに優しく、爽やかな風が吹いてくる感じもするが、今は、悲しい歴史の方が強く印象に残っている。
常野一族は特殊な力を持つ人達。常に野にあれという、静かに自然に生きていこうとする人々。
一度は別れた常野の人々が、また集まりだした。現代に危機感を覚えて、何かが変わろうとしている、歴史が動こうとしている。
先の展開が気になる終わり方。
シリーズなので、続きが読みたい。
登場人物も少しずつ、リンクしているので忘れないようにしないといけない。
しかし、世の中の人はどうしてこんなにも拘るのだろう、「同じ」と「違う」という事に。
どうしてそれがそんなに重要になってしまったのだろう。
個性の時代、は今も続いているのなら、段々こんなことはなくなってくるだろうか。
「大きな引出し」
春田光紀は日本の古典や楽譜など、ひたすら“しまう”(記憶)することをしている。それは姉の記実子は両親も同じ。
父・貴世誌、母・里子は2“しまう”のが満員になると、1週間ほど“虫干し”としてひたすら眠る。
しまったものはそのうち“響く”のだが、まだ響いていない光紀は自分のしていることに、ちょっと疑問を感じていた。
「二つの茶碗」
三宅篤は妻、美耶子のなれそめを聞かれると、「茶碗が割れたせいです」と答える。
「達磨山への道」
常野一族の聖地と言われている達磨山は、神かくしの山とも呼ばれていた。
泰彦は前に父親と来たことがあり、父親はここで、未来を見た話をしてくれた。
泰彦は友人の鷹羽克也と一緒に達磨山を歩きながら、一人の子どもを見る。
「オセロ・ゲーム」
拝島映子はキャリアウーマンで、高校生の娘、時子と二人暮らし。
ある時会社のエレベーターで同乗した男にシダの葉が生え始めるのを見る。
「手紙」
泰彦の父、倉田篤彦が「常野」について調べる。
倉田篤彦に、寺崎恭冶郎が調べたことを伝える手紙が届く。その中に「ツル先生」と呼ばれる人物がいた。
「光の帝国」
ツル先生は常野の親たちに頼まれて、山奥に小さな学校を作った。一族の中に常野を離れたことにより、精神バランスを崩す者が出、子どもにも影響が出て来たので、
心身の療養をする場所が必要だったからだ。
「歴史の時間」
亜希子は自習になった授業で外の雨を見ながら白昼夢を見る。それは人形の戦いで、飛ぶ人形が打ち落とされていた。
その時、前の席に座っていた春田記実子が「あたしたちのことを思い出してくれた?」と聞く。
今はまだ思い出したくない思いが、亜希子を不安にさせる。
「草取り」
その男の人は「草取り」をするという。
街中のビルや人にも、シダのような草が生え、破壊してしまうという。
禍々しい草がはびこらないように、地道に草取りを続けている人達がいる。
「黒い塔」
秋田から東京に出てOLとして働く亜希子は、20歳の時、自分が両親の本当の子どもではないことを知り、わだかまりを持ってしまった。
父親が病床にある今もなかなか会いにいけない。
「国道を降りて・・・」
川添律は結婚を決めた美咲を連れて、常野の集まりにやって来た。
迎えてくれたツル先生は、美咲がフルート奏者と知り、涙を浮かべる。
あとがきに、「ゼナ・ヘンダースンの『ピープル』シリーズのような話を書こうという気持ちで」とあった。
『ピープル』シリーズ・・・・・シリーズだったのだ。昔に読んでいるが、1冊だけ。でも、とても印象に残る1冊だった。優しい気持ちになれる話だったと思う。
この『常野』も確かに優しく、爽やかな風が吹いてくる感じもするが、今は、悲しい歴史の方が強く印象に残っている。
常野一族は特殊な力を持つ人達。常に野にあれという、静かに自然に生きていこうとする人々。
一度は別れた常野の人々が、また集まりだした。現代に危機感を覚えて、何かが変わろうとしている、歴史が動こうとしている。
先の展開が気になる終わり方。
シリーズなので、続きが読みたい。
登場人物も少しずつ、リンクしているので忘れないようにしないといけない。
しかし、世の中の人はどうしてこんなにも拘るのだろう、「同じ」と「違う」という事に。
どうしてそれがそんなに重要になってしまったのだろう。
個性の時代、は今も続いているのなら、段々こんなことはなくなってくるだろうか。
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