上海で1920年代から30年代にかけて、外国のディベロッパーによって数多く作られた集合住宅を「里弄」という。その里弄も再開発であまり見なくなってきた。先週、久しぶりに前の事務所だったところに行き周囲を散策すると、一部取り壊しの準備が始まっていた。新天地から近いし上海の中心地なので、しかたがないのかも知れないがちょっと寂しい。まぁ、再開発のペースはかなり落ちてきているので、あと数年は大丈夫だろう。
今の上海の中心街は、すでに飽和状態。マンションを建てても空き家がかなり多いし、不動産景気もかなり悪いし株も同じ。ビルのオーナーもコロコロと変わるので、契約条項もその都度変わる。日本の場合は、長く部屋を借りていれば家賃は据え置きか下がるのが普通だが、この国はほとんどそれは無し。
店を借りても、毎年確実に10%から15%値上がる家賃や人件費でほとんど利益は出ていない。知り合いにカメラ屋を経営している人がいるが、それは趣味でやっているので利益はほとんどなし。では、何かで食っているかというと、他に会社を2つ持っていて、それで食っているのだ。
こちらでよく聞く大家の考え方は、どれだけ長く借りようが「値上げが気に入らなければ出て行け、借り手は幾らでもいる」という言い分を何度も聞いてきた。吐き気がするような内容だが、上海の大多数の大家はこんな人が多いのが今の上海だ。とても孔子の哲学が生まれた国とは思えない。
☆魯班魯x斜土路にあるカメラ城「星光撮影器材城」は、今年の夏に新品販売専用ビルと中古専門ビルとに分ける為に来月から工事が始まる。銀塩からデジタルカメラに変わった今、専業で中古カメラを販売してきた店はけっこう辛い時代に入っている。
CanonFD50mm f1.4