我、舌バカ味オンチの「自称グルメの人」にもの申す その2

2014年10月13日 | B級グルメ

 「自称グルメの人」が苦手である。

 世にはイラッとさせられる人というのがいて、知ったかぶりをする人、小銭にセコイ人、くだらないダジャレを連発する人。

 などなど数いるが、私は前回(→こちら)も言ったよう「グルメ」を自認している人がダメだ。

 こういう人は、よく「おいしい店」の情報を仕入れて連れていってくれるが、それが不味かったりすると災難である。

 おごってくれるならともかく、自腹切ってそういうものを食べさせられると、いかな平和主義者の私でも

 

 「世界のあらゆる、もめ事をおさめてきたのは戦争である」

 

 ロバート・A・ハインライン『宇宙の戦士』みたいな気分なってしまうのだ。

 友人キシ君もまた自称グルメであったが、彼の場合は連れ回す方ではなく、手料理派であった。  

 自分で作って、それをパーティーなどで、お客に振る舞うのが好きなのだ。

 が、これがまた作ってくれるものが、軒並み不味くて閉口したものだ。

 チャーハンはベチャベチャ、ハンバーグは生焼け、グラタンは焦げ臭く、味付けも、たいていは甘すぎたり辛すぎたり、明らかに加減がわかっていない。

 こういう人間にかぎって、調味料調理器具にはこだわって、いいものを使っていたりする。

 我々被害者は、猫に小判豚に真珠という言葉を飲みこむのに、多大なる努力を強いられることになるわけだ。落語の『寝床』みたい。

 いってはなんだが、キシ君はグルメを名乗る割には、たいしていいものを食っていない。

 なんたって、彼曰く

 

 吉野家の牛丼が世界一うまい」

 「2番目はラ王

 

 とのことだ。それの、どこがグルメなのか。

 いや、吉牛もラ王も、別にまずいわけではない。

 けどそれは、あくまで

 

 「あの値段なら十分満足」

 

 という意味でのおいしさであり、全食物の中で絶対的に美味い、というわけではない。

 それを「世界一」とはいかがな判断基準か。

 まあ、キシ君の場合はごちそうしてくれるわけだから、ツルミ君とちがって金銭的ダメージは少なく、その点では許せないこともないが、彼のフェイスブックに、



 「ボクは料理が大好きで、舌には自信があります」



 とあったときには、思わず「真珠湾奇襲やむなし」という気分になったものだ。

 あんなまずい飯食わせといて、よう言うたな、おまえと。

 根本的に私はあまり

 

 「舌に自信あり」

 

 と宣言する人を信じていない

 だいたい、子供のころから添加物だらけの食物で育っている我々は、もうすでに味覚に関しては、期待できないのではないか。


 だから、一流シェフ料理人は、圧倒的に田舎育ちの方が有利といわれている。

 育つ過程で、良い素材のものを食べいるから、自然にが育つのだ。

日本人のコックなんか、海外に修行に出たら、まず醤油アミノ酸を舌から抜くために、ものすごい苦労を強いられると聞いたこともある。

 そこまでやらないといけないくらい、「味覚」というのは繊細なのだ。

 それを、都会育ちでインスタント食品ファストフードもまりまり食べまくって「舌に自信」とは、たいした言い草である。

 とどめにキシ君、だいたいキミは重度のヘビースモーカーではないか。

 あんだけ煙突みたいに、パッパカパッパカ吸うといて、ようもそんな口たたけるもんや、ドあつかましいにもほどがあるで!

 と、なんかもう思い出してたら、だんだん本気で腹が立ってきた。

 私はどちらかといえば、性格的には温厚なほうだが、まこと、まずいものを食わされるというのは、これほどに人の神経を逆なでするのだ。

 年齢によっては「カロリーを返してほしい」という気にもなるしなあ。

 というわけでキシ君、次ごちそうしてくれるときは、手料理やなくて外食でお願いします。

 あ、「うまい店」やなくて、牛丼で充分ですから。


 (続く→こちら


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