「それ、おまえの世界すぎるってぇ!」
漫才中にそんなツッコミを入れたのは、お笑いコンビ、ママタルトのひわらさんであった。
ママタルトと言えば先日、悲願のM-1グランプリ決勝進出を決めたところで、2人の漫才のファンである私には大いによろこばしいところ。
そんなおふたりは、数年前にもチャンスがあったといわれており、そのときは「うどん屋」というネタが準々決勝かどこかで大ウケしていたそうな。
残念ながら、そのときは落ちてしまったのだが、その中でボケの大鶴肥満さんに発せられたのが冒頭のセリフで、なかなかな爆笑をさらっていたのだった。
ここで興味深かったのが、このツッコミが浮かんだきっかけの出来事。
ひわちゃんがポッドキャストのラジオで話したところによると、なんとそれがアダルト動画だったというのだ。
ひわらさんといえば神戸大学卒業というエリート街道を歩きながら、その後アダルトビデオの制作会社に就職を決めるも、お笑いへの夢は断ちがたくそこを蹴って芸人になったというユニークな経歴で有名。
そんな彼が、ある日紳士のたしなみであるエロDVD鑑賞のためセットし再生してみると、その内容というのが、
「はじめて彼女ができたから、それにそなえて、幼なじみの女の子にセックスの練習をお願いする」
どんな設定や。
たしかにアダルト業界の思考はぶっ飛んでいるというか、私もこれまで
「素っ裸ギャル40人で冬山登山」
「東○全面協力? 昭慶爆発で乱交パーティー」
「伝説の教育番組がSFとコラボ 【宇宙セックス】できるかな」
みたいなクリエイティブがすぎる動画を見たことはあるが、
「練習させてくれ」
というのも、またスゴイ発想である。
どういう脳みそしてるねんという話で、これにひわちゃんが思わず、
「それ、おまえの世界すぎるってぇ!」
動画に思いっきりつっこみを入れてしまい、それを、そのまま漫才に流用したのだそうな。
これには「へー、創作の陰に逸話ありやなー」などと、のんきに笑っていたのだが、ここで「あれ?」となる。
たしかに、イカれた発想ではあるけど、なーんか昔、似たような話を聞いたことがあるような、ないような……。
頭の中で、ガーっと検索エンジンを走らせてみると、ヒットしたのが、高校時代のクラスメートだったナガオ君の顔だった。
(続く)