台湾(台北)にある龍山寺は関羽と孔子もいて、とってもアバウトでステキなお寺 その2

2019年05月26日 | 海外旅行

 前回(→こちら)の続き。

 

 「台湾にある龍山寺は、とってもステキなところ」



 海外旅行のおすすめスポットをに訊かれて、まずそうぶち上げた私。

 

 

 

  信心深い台湾人でにぎわう龍山寺の境内   

 

 

 台北随一の観光名所であるこのお寺さんの、最大の魅力はといえば、



 「関羽が祀られていること」



 関羽。というと、もしかしてあの関羽? 

 そう疑問に思われる方も、おられるであろうが、そう、あの関羽


 日本人なら大好き『三国志』に出てくる、劉備玄徳の義兄弟、関聖夫子様である。

 知力83武力99

 私の世代なら、片山まさゆき先生の名作マンガ『大トロ倶楽部』の名セリフ、



 「関羽に書物をやろう」



 でおなじみの、あの関羽なのだ。オレは頭のいい武将が好きだぜ。

 なんて説明してみると、歴史ゲームにくわしい方なら、なんで関羽やねん、台湾関係ないがな。

 なんて、つっこまれるかもしれないが、それは実に正しい意見だ。

 関羽と台湾、ちっともゆかりがない。いわば、キリスト青森戸来村にあるようなもんで、なんでそんなところに、と。

 そこが気になって、宿泊していたユースホステルのオーナーさんに、



 「台湾やのに、なんで関羽なんですか?」



 そうたずねると、日本語が達者な林さんはニコニコと、



 「そうなんです。関係ないんです」



 断言されてしまった。やっぱ、ないんかい!

 続けて林女史が言うことには、



 「でもいいんです。台湾人は、めでたそうなものを、とりあえずなんでも神様にして祀るんですよ」



 とりあえず神様

 そんなんでいいのかと、さらなるつっこみが入りそうだが、林さんはさらに、



 「そのへんは、偉い人とかなら、なんでもいいんです。台湾とつながりないけど、孔子様も祀ってますよ」



 関係ないけど孔子。すばらしい発想だ。

 こちらでいうなら、法隆寺とか清水寺に「ナポレオン」とか「アレキサンダー大王」の像が飾ってあるようなものか。なんていいかげんな。

 もう一度発音してみよう。関係ないけど孔子

 何度聞いても、テキトーでステキなフレーズである。「声に出して読みたい日本語」というやつではないか。

 これには私も楽しくなって、



 「じゃあ、ドラえもんとかアンパンマンって海外でも人気だから、祀ってもいいんですか?」



 そう茶々を入れると、林さんはアッハッハと声をあげて笑い、



 「そうです、そのノリです。ドラえもん、いいですね」



 ええんかい! 嗚呼、なんて私好みなアバウトさ。

 めでたいから関羽も孔子も祀るけど、別にドラえもんでもいい。

 この脱力的発想が、外国旅行の醍醐味といえる。まさに究極の多神教で、究極の偶像崇拝

 マジメな一神教信者の中には激おこする人もいるだろうけど、私は大好きだ。

 これに感動した私は、すぐさま龍山寺へと走り、



 「関羽様、孔子様、健康と金運お願いします。台湾関係ないけど。あと、ウチからはウルトラマンがアルカイックスマイルで、仏様っぽくておススメですよ」



 そう祈るとともに、日本のキャラを売りこんでおいた。そのうち、M78星雲から台湾の寺デビューを果たすことだろう。

 かの名将、関羽雲長を参ることができるとは、光栄の『三国志』とナムコの『三国志 中原の覇者』を鼻血が出るくらい遊びまくった身としては感無量であり、しかもそれが、



 「特に寺とゆかりがあるわけではない」



 というズッコケな内容であることが、さらに私の胸を熱くさせるのであった。

 そんな、ゆるゆるな龍山寺、マジで超オススメです!

 

 (故宮博物院については→こちら

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