戒厳令下 京都潜入記3 大阪も碁盤の目状にしてくれ編

2021年03月28日 | 海外旅行

 前回(→こちら)に引き続き、掟破りの京都観光戦記。

 なんの因果か、仕事ついでに京都を観光することになった、バンゲリング帝国よりの使者、エーリヒハインツマリーアフォンリリエンシュターン武装親衛隊少尉(そういう設定なのです)。

 このご時世、観光都市である京都を歩くというのは気がさすが、友人のアドバイス通り、どこもガラガラであった。

 これなら、に悩まされることはなさそうということで、そこは安心したが、油断したわけでもないのに、思いっきり道に迷ってしまった。

 ここに発動された、オペレーション「雪の嵐」では、まず二条城に行くはずが、地下鉄烏丸線をはさんで、東西反対の京都御所に到着してしまったのだ。

 ガックリきたのと、寒さもあって、腰が抜けそうになった。

 おまけに、御所は特になにもない公園で、ちょっと散策すると、もうすることがない。

 

 

京都のラッキースポットと言われるバス停。

ここからバスに乗ると、2分の1の確率でステキな恋人ができるが、ハズレた場合は「そこまで仲いいわけじゃないけどなー」くらいの知人が死ぬ。

 

 雪こそ降らなかったものの、その日も京都は寒く、厚着の嫌いな私はガクガク震えまくり。

 なにやら、スターリングラードの悪夢がここによみがえり、なるほど、白い地獄の中で立ち尽くした、ドイツ第6軍フリードリヒパウルス上級大将の気持ちはかくばかりだったか。

 このままでは凍死必至と、ともかくも引き返すことにする。

 京都という街のすばらしいところは、その歴史の深さでも、観光資源の豊富さでもない。

 それはズバリ、「碁盤の目」状に作ってあることだ。

 私のような、ドのつく方向音痴には、すこぶる優しいデザインである。

 道に迷っても、ともかくも方角さえつかめれば、なんとかなる。

 これは大阪という、ゴチャゴチャしたカオスの街並みになじんでいると、本当にありがたい。

 梅田あたりの、あのわかりにくさも辟易するもので、少尉も遊びで、バイトで、仕事で、山ほどあの街に出かけているが、いまだ彼の地の正確地図が書けない

 なので、いつも梅田に行くときは地元というよりも、バンコクサイゴンのような


 「アジアの大都市」


 を歩く気分で、疑似海外感を味わうことにしている。

 

 

 

 二条城にある美しい庭園と池。

 水面に映る自分の姿にウットリしていたナルキッソスが、突然あらわれた河童と相撲を取らされたというエピソードが残っている。 

 

 そんな私なので、特に用事があるときに道に迷ったときは、もう断然、京都のスクエアなマップがうれしい。

 もっとも、大阪のゴチャゴチャ感は、よそさんから見たら、それはそれで魅力もあるよう。

 以前、これも仕事で、お金持ち高級住宅地に住んでいたというエリート青年と大阪の街を歩いていると、


 


 「大阪って、おもしろいですよねえ。僕が住んでいたところは、人も街並みもフラットで、丁寧に殺菌されたようなところだったから、すごくつまんなくて」




 なんて目を輝かせてたから、そんなもん見慣れてるネイティブとしては、


 「そんなもんかねえ」


 と言うしかなかったけど。

 きっと京都人寺社仏閣や、碁盤の目の街にたいした感動もないだろうから、人それぞれだなあ。

 なんとか進路を修正しつつ、二条城につながる堀川通に出る。

 とりあえずホッとしたので、地下鉄烏丸御池駅のパン屋で買った、チーズとハムのカスクルートをもそもそ食してランチ替わり。

 カスクルートとは、フランスパンで具をはさんだだけのシンプルなサンドイッチ

 これが本場のパリで食べたものと同じ造りで、なつかしくなって買ってしまった。

 本当なら、せっかく京都に来たのだから、地元のおいしいものでも食べるべきなのだろう。

 だが、なじみでないところにフラッと入るのが苦手なので、なんとなくタイミングを逃してしまった。

 京都の食べ物に、無知なせいもあったかもしれない。無念である。

 なら、京都出身で京都本もたくさんものしている、マンガ家のグレゴリ青山さんが言うように、「京都王将」を目指してみたが、丸太町界隈では発見できなかった。

 結局、迷い疲れて、サンドイッチを買い食いすることになったのだが、値段は400円で、味もまずます。

 私はトマトレタスがゴチャゴチャ入ったものより、こういうストレートなタイプの方が好みなので、なんだかいい気分。

 パリの雰囲気を、思わぬところで味わえてトクした気分。ちなみに、志津屋というパン屋さん。

 腹もくちくなると、外は日が照ってきたこともあって、多少は寒さもまぎれてきたところで、ようやっと二条城に到着。

 

 (続く→こちら

 

 

 

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