行方尚史ギャラクシー・デイズ その2

2013年03月08日 | 将棋・雑談

 行方尚史がA級に復帰した。

 前回(→こちらミッシェル・ガン・エレファントつながりで彼のファンである私が彼にまつわるエピソードを紹介した。

 そんなナメちゃんといえば将棋と音楽以外でも、なにげに文章に魅力がある棋士である。

 書く機会こそ少ないが、エッセイや自戦記など、決して達者というわけではないものの、その素直な心情を吐露する姿勢など、なかなかに読ませるのだ。

 中でも印象に残ったのが、ある年の「順位戦昇級の記」。

 ここで出された彼の文章というのが不思議なもの。

 句読点を使わず、改行もなしで、短いセンテンスを息継ぎなしにつないでいくというもので、具体的にいうと、


 「上尾で落雷を聞いた、夏に会う友達は陽気だった、MACが心強かった、川奈の露天風呂で虫の声を聞いた、夕方の砂浜がさみしかった、岡崎京子の漫画を全部そろえた、夏の夜のバイクは気持ちがいい、ロンドンに行った、夢をよく見るようになった、カレー感が変わった、」


 みたいなノリで、1ページがまるまる埋まっていたのだ。

 これにはファンから「な文章だな」とか

「行方は気ちがいなのか」

 などと不思議がる声が聞こえてきたが、私は思わずニヤリとしてしまった。

 実はこれ、くるりのアルバム『TEAM ROCK』の歌詞カードにあるエッセイ(?)の文体のパスティーシュなんですね。

 現に、文章の中に

 

 「くるりの『ワンダーフォーゲル』は今年のナンバーワンだ」

 

 というヒントがさりげなく入れこんであるわけだけど、知らずに読んだ人はビックリしたでしょうね。

 

 (続く【→こちら】)




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