前回に続いて『ウルトラマン』についての身内オタクトーク。
「実は自衛隊が出れば、怪獣はふつうに倒せる」
という特撮世界の《常識》から話は
「初代『ウルトラマン』の科学特捜隊は優秀で、歴代トップの怪獣撃破率を誇る」
という内容に。
そこでカウントしてみると、たしかに多いようで……。
「アントラーにマグラーに」
「スパイダーショットでミイラ人間」
「マルス133でバルタン星人(2代目)を屠ってます」
「マッドバズーカでケムラーを撃破」
「ギガスを強力乾燥ミサイルで一撃」
冷凍怪獣ギガス。この風貌だが、大して強くない。レッドキングの「かわいがり」に耐えかねて逃げ出す、かわいそうな人。かわいい。
「ゴルドンも倒してましたよね」
「地底魚雷やったっけ?」
「いや、コロナ弾ちゃいましたかねえ」
「再生ドラコと再生テレスドン」
「スパーク8をおみまいするぜ!」
ハヤタのマルス133で右肩から流血するダメージを受け、ブチ切れて岩山を破壊する再生ドラコ。かわいい。
「3人がかりとはいえ、フジ隊員に撃墜マークがついたのがええよな」
「フジ隊員は第1話でビートルを操縦してるのが、カッコエェェェって思たんよなあ」
「ただの通信係やない」
「特殊潜航艇S25号も操縦してますしね」
「ジェット戦闘機と小型潜水艦動かせて、地上戦もできる」
「陸海空オールマイティ。なにげに、めちゃくちゃスペック高い」
第一話「ウルトラ作戦第一号」でジェットビートルを操縦するフジ隊員。とても素敵。
「なんかオレ、ウルトラシリーズのヒロインといえば、アンヌ隊員が人気やけど、断然フジ隊員とか由利子ちゃんの方が魅力ある気がするなあ」
「まあ、アンヌ隊員は【恋人感】あるのがええんやろ。俺はパティ隊員派やけど」
「パリ本部のアンヌ隊員もいましたねえ。まあ、ボクはMATの丘隊員派ですけどね」
『ウルトラマン』第32話「果てしなき逆襲」に登場したパティ隊員。
科特隊インド支部で働いている設定だが、演じている真理アンヌさんは実際インドとのハーフ。
日本の名物は「地震・怪獣・ウルトラマン」との名言を残した。
「話を戻して、ザラガスは入れてもええか」
「じゃあ、ジェロニモンもそうッスね」
「あとはサイゴとか」
砂地獄怪獣サイゴ。おそらく『ウルトラマン』全39話中で、もっともマニアックな怪獣。次点はザンボラー。どっちもかわいい。
「最後の怪獣やからサイゴという、センス抜群のネーミング」
「ニードルS80で撃破」
「いや、あれはSNKミサイル」
「あれ、そうでしたっけ?」
「これは【あるある】やな。たしかなんかの本に、間違ってニードルS80って書いてるはず」
「大伴昌司やろ、たぶん。知らんけど」
「あとはゼットンは有名ですよね。ペンシル爆弾。今は無重力弾がメジャー?」
「おいおい、ベムラーもあったやろ」
「え? ベムラーは第1話で、スペシウム光線を喰らってましたやん」
「ちゃうちゃう、オレの言うてるのは『長編怪獣映画ウルトラマン』の話」
「あー、再編集の映画版ですか。そんなん、だれが知ってますのん」
「思い出した。あそこは特殊潜航艇S16号の魚雷で大破」
「そう、それそれ。たぶん劇場版ウルトラマンで、一番マイナーな作品。オレでなきゃ見逃しちゃうね」
「もう見逃して、真人間になりましょうよ」
「劇場版と言えば、シャロン君の好きな『ジャイアント作戦』も入れとくか」
「超強力乾燥光線でモルゴ撃破」
「マルサイトセブンで、ナポレオンを破壊」
「あとはゴルドキングにビルガメラーと……」
「そんなん、おったっけ?」
「パソコンゲームの『空想特撮シリーズ ウルトラ作戦 科特隊出撃せよ!』ですね。ようおぼえてるなあ」
「テレビシリーズで13、4匹くらい? 全39話でそれだけやっつけてたら、なかなかのもんやな」
「番外編入れたら20匹くらいか。特に、スペシウム光線が効かんアントラーとか、ケムラーを倒してるのは大金星」
「へー、ちょっとイメージ変わるなあ。じゃあ、地球防衛組織って、ボクが思ってたみたいな弱いもんでもないんだ」
「いや、これは科特隊ががんばってるだけで、弱いところは弱い」
「あらま」
「そんなワカバヤシさんには、いい言葉があるんですよ」
「あー、あれな。なんやったっけ? 解散からやったな」
「解散MAT 脱出TAC お遊びZAT 全滅MAC」
「あ、そっちっスか。僕は解散MAT 謹慎TAC 脱出ZAT 全滅MACのイメージですわ」
「よくはわかんないんだけど、悪口を言ってることだけは伝わってくるよ」
「正義の組織やのに、どっちも【脱出】ってワードが入ってるところがミソやな」
「ここ掘ると笑えるけど、同時に哀しい気分にもなるんスよね」
「完全にやられキャラあつかいですもんねえ」
「ホントは勝てるのにね」
(続く)