Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

§27「偶然性と運命」 木田元, 2001.

2014-09-10 | Book Reviews
 結果には必ず原因が存在するというのが因果性。眼の前で発生する物理的な現象はすべて数学的に記述された運動方程式によって、無限遠の過去から無限遠の未来まで流れる均一な時間軸にそってあるがままになすがままに未来が到来する。

 とはいえ、ひょっとしたら、「時間は過去から未来まで均一に流れるもの」であると思い込んでいるのかもしれません。

 「~である」と語るとき、本質を示唆しているつもりのはずが、既に固定概念や先入観が入り込んでいる場合があります。

 自らが生まれてはじめて、まわりの環境やひとに関心を持ち、働きかけた瞬間から時は動きだし、時として思いもよらぬ結果をもたらすことがありますが、絶えず遭遇する事実を積み重ね、関係性や意味を持たせることがひょっとしたら大切なことのような気がします。

初稿 2014/09/10
校正 2020/08/28
写真 表慶館
撮影 2013/06/08(東京・国立博物館)