暖かい陽の光を浴びた彼女が、両脚を地につけながら、ゆっくりとじっくりと、そしてしなやかに両腕を上げようとしています。
覗き込もうとしても、塞ぎ込んだ顔を窺い知ることすらできなかった彼女※1が、暖かい光に誘われて空を仰いで※2、鼻筋が通ってきた顔のなかに※3、現れた唇から何かを物語ろうとするかのような兆しにも思えます。
ところで、"なぜ、〈わたし〉がそう思うのか?"
阪神・淡路大震災によって大きな被害を受けた神戸にて、その激震に耐えた高層ビルの市庁舎の前に佇むその姿からは、憤りや悲しみを受け入れようとする〈わたし〉が〈わたし〉という存在を再構築しているような気がします。
朝倉響子が創る作品たちは置かれた場所や時間、そしてその姿かたちが違えども、思いもよらぬ巡り逢わせから、その意味を考えると、ひょっとしたら、〈わたし〉だけの〈世界〉が存在するのかもしれません。
初稿 2023/06/24
写真「WOMAN」朝倉響子, 1978.
撮影 2023/03/16(神戸・花と彫刻の道)
注釈
※1)α31D「女」朝倉響子, --?.
※2)α32D「女 Woman」朝倉響子, 1970.
※3)α33D 「Woman」朝倉響子, 1973..
覗き込もうとしても、塞ぎ込んだ顔を窺い知ることすらできなかった彼女※1が、暖かい光に誘われて空を仰いで※2、鼻筋が通ってきた顔のなかに※3、現れた唇から何かを物語ろうとするかのような兆しにも思えます。
ところで、"なぜ、〈わたし〉がそう思うのか?"
阪神・淡路大震災によって大きな被害を受けた神戸にて、その激震に耐えた高層ビルの市庁舎の前に佇むその姿からは、憤りや悲しみを受け入れようとする〈わたし〉が〈わたし〉という存在を再構築しているような気がします。
朝倉響子が創る作品たちは置かれた場所や時間、そしてその姿かたちが違えども、思いもよらぬ巡り逢わせから、その意味を考えると、ひょっとしたら、〈わたし〉だけの〈世界〉が存在するのかもしれません。
初稿 2023/06/24
写真「WOMAN」朝倉響子, 1978.
撮影 2023/03/16(神戸・花と彫刻の道)
注釈
※1)α31D「女」朝倉響子, --?.
※2)α32D「女 Woman」朝倉響子, 1970.
※3)α33D 「Woman」朝倉響子, 1973..