三島由紀夫の遺作「豊穣の海」第三章。第二章「奔馬」にて旧友・清顕が輪廻転生したのでは?と認識せざるを得なくなった主人公・本多が第三章「暁の寺」では、タイで出逢った少女に旧友・清顕が輪廻転生したはずと意識したときに直面する〈不条理〉。
〈不条理〉とは、自らが認識せざるを得なくなった事実を客観的に証明できない心理的状態なのかもしれません。その事実を認識せざるを得なくなった自らの意識に顕在化する憤り・不安・怖れが、もはや止めどなく押し寄せるからこそ、人は何かに救いを求めるのかもしれません。
でも、求める救いが、自らの存在を保証する為ならば、ここでもまた、「自らは誰であるか?」という根源的な問いに迫っているような気がします。
初稿 2018/08/25
校正 2020/10/16
写真 築地本願寺, 1934.
撮影 2018/08/22(東京・築地)
〈不条理〉とは、自らが認識せざるを得なくなった事実を客観的に証明できない心理的状態なのかもしれません。その事実を認識せざるを得なくなった自らの意識に顕在化する憤り・不安・怖れが、もはや止めどなく押し寄せるからこそ、人は何かに救いを求めるのかもしれません。
でも、求める救いが、自らの存在を保証する為ならば、ここでもまた、「自らは誰であるか?」という根源的な問いに迫っているような気がします。
初稿 2018/08/25
校正 2020/10/16
写真 築地本願寺, 1934.
撮影 2018/08/22(東京・築地)