朝倉響子の作品には、漢字一文字の同じ名でありながらも、違うデザインのものが幾つかあります。「晨」は少なくとも三つあり、読み方は"あした"、意味は"夜明けを告げる"ということだそうです。
"夜明け"は自然が創りだす世界ですが、"夜明けを告げる"のは、必ずしも陽の光が有ろうと無かろうとも、"あした"に向かって膨大な言葉のなかから無限の意味を選ぶ〈わたし〉が創りだす世界もあると思います。
ところで、無限の意味を持つ膨大な言葉のなかからある視点で選んで記された書物はそれを記した〈あなた〉という存在そのものに収束するのかもしれず、その書物を読むことによって、その言葉が〈わたし〉を語っているような気がします。
とある図書館の書棚の傍らで立ちあがって耳を澄ます少女の像の瞳には、ひょっとしたら、〈わたし〉という存在を照らす夜明けの光が映しだされているのかもしれません。
「人間が日頃使っている言葉が、私たちの人生をつくっているの。それをしっかりと理解することがまず大事なことなの。言葉はあらゆるものを導くわ」※
初稿 2023/09/29
写真 「晨」朝倉響子, 1966.
撮影 2023/04/23(東京・都立図書館)
出典 ※)「賢者の書」喜多川泰, 2009.(p.168)
"夜明け"は自然が創りだす世界ですが、"夜明けを告げる"のは、必ずしも陽の光が有ろうと無かろうとも、"あした"に向かって膨大な言葉のなかから無限の意味を選ぶ〈わたし〉が創りだす世界もあると思います。
ところで、無限の意味を持つ膨大な言葉のなかからある視点で選んで記された書物はそれを記した〈あなた〉という存在そのものに収束するのかもしれず、その書物を読むことによって、その言葉が〈わたし〉を語っているような気がします。
とある図書館の書棚の傍らで立ちあがって耳を澄ます少女の像の瞳には、ひょっとしたら、〈わたし〉という存在を照らす夜明けの光が映しだされているのかもしれません。
「人間が日頃使っている言葉が、私たちの人生をつくっているの。それをしっかりと理解することがまず大事なことなの。言葉はあらゆるものを導くわ」※
初稿 2023/09/29
写真 「晨」朝倉響子, 1966.
撮影 2023/04/23(東京・都立図書館)
出典 ※)「賢者の書」喜多川泰, 2009.(p.168)