Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

#37「インクライン」

2019-02-23 | Liner Notes
 滋賀・大津と京都を繋ぐ用水路のみならず、船による物流機能の役割も果たしたのが琵琶湖疎水。

 とはいえ、琵琶湖と京都盆地の高低さは船の行く手を阻み、船を載せた台車を電動機で登り降りさせたのが京都・蹴上に佇むインクライン(傾斜鉄道)であり、疎水の流れに逆らって船を載せた台車が登ることができるのは、まさに疎水の流れが生み出した水力発電があってこそ。

 遷都後の明治における京都復興と産業発展の礎が琵琶湖疎水であり、当時気鋭の土木技術者達が成し遂げた金字塔。そのような結果には必ず原因が在るはずで、志を高く抱き、努力して臨めばこそ、結果は成果に変わるような気がします。

 春から息子が入学する高校はちょうどこの辺り、この光景を見る時があれば、そう思って欲しいものです。

初稿 2019/02/23
校正 2020/09/19
写真 琵琶湖疎水とインクライン
撮影 2019/02/10(京都・蹴上)

#36「レンズの焦点距離」

2019-02-03 | Liner Notes
 自分もそうですが、子ども達の成長を見ていると、自らの役割と自らの個性との間でギャップを感じている時があるような気がします。

 そんなとき、役割は果すことではなく、演じることなんだと思うと楽になるのかもしれません。

 つまり、役割を演じるためには、優しさ・謙虚さ・ひたむきさ・誠実さ・・といった自らの個性を大切に思うことと同じくらいに、相手の個性を大切に思うことが必要なような気がします。

 「変えなくてはならないものはただひとつ。私の心というカメラに組み込まれたレンズの焦点距離」※それが、共感する力であったり、信頼の源に繋がるような気がします。

※デール・カーネギー著「道は開ける」(168頁)

初稿 2019/02/03
校正 2020/09/20
写真 国際子ども図書館
撮影 2018/11/05(東京・上野)