印象に残るシーンは、「ネット上の仮想空間」と「堤防から望む河の流れ」、そして「悲しみを分かちあって生きようとする人々の姿」です。
約10年前の作品「サマーウォーズ」の延長線上の世界観、AIがネット上に構築したメタバース「U」。その仮想現実(VR)と拡張現実(AR)によって約50億人がアバターとして集う世界は、ごく当たり前に経験している事象を現実存在であると捉えるとその現実を超えた世界、いわばメタフィジカルな世界なのかもしれません。
また、河が左から右に流れるフィジカルな光景が幾度か描かれるのは、時間は過去から未来へ一方向に流れ去る世界観を示唆している一方で、河の流れが逆になるシーンでは過去の悲しい経験を描きつつも、同様な悲しみを抱える人の力になろうとする現在を生きるためには、過去の経験を受け入れて自らがどう在るべきかを問うているような気がします。
ところで、メタバースが現実に限りなく近い世界として存在するようになったとき、もしかしたら、「存在」とは何か?「自分」とは誰か?ということを考えるきっかけになるような気もします。
ひょっとしたら、「美女と野獣」の物語も現実には在りえないとは認識していても、その物語に惹かれてしまうのは、観る者が自らそこに「美女と野獣」なるものを存在させているのかもしれません。
初稿 2022/09/24
写真「美女と野獣 "魔法のものがたり"」
撮影 2022/09/17(東京ディズニーランド)
約10年前の作品「サマーウォーズ」の延長線上の世界観、AIがネット上に構築したメタバース「U」。その仮想現実(VR)と拡張現実(AR)によって約50億人がアバターとして集う世界は、ごく当たり前に経験している事象を現実存在であると捉えるとその現実を超えた世界、いわばメタフィジカルな世界なのかもしれません。
また、河が左から右に流れるフィジカルな光景が幾度か描かれるのは、時間は過去から未来へ一方向に流れ去る世界観を示唆している一方で、河の流れが逆になるシーンでは過去の悲しい経験を描きつつも、同様な悲しみを抱える人の力になろうとする現在を生きるためには、過去の経験を受け入れて自らがどう在るべきかを問うているような気がします。
ところで、メタバースが現実に限りなく近い世界として存在するようになったとき、もしかしたら、「存在」とは何か?「自分」とは誰か?ということを考えるきっかけになるような気もします。
ひょっとしたら、「美女と野獣」の物語も現実には在りえないとは認識していても、その物語に惹かれてしまうのは、観る者が自らそこに「美女と野獣」なるものを存在させているのかもしれません。
初稿 2022/09/24
写真「美女と野獣 "魔法のものがたり"」
撮影 2022/09/17(東京ディズニーランド)