偶然、開催中のアルフォンス・ミュシャの展覧会をTVで見かけ、かつて、観たことのある展覧会の図録をめくってみました。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、西欧で花開いた芸術運動や様式を「アール・ヌーヴォー」と呼ぶそうですが、産業革命による機械化がもたらした画一的な製品群と一線を画し、植物をモチーフにした幾何学的紋様が無限に彩るなか、「こうあってほしい、そうあったらいいのに」といった無意識に秘めた憧れや羨望をイメージとして観るひとに意識させてくれるような気がします。
でも、開催中の展覧会のテーマはである「スラブ叙事詩」は、故郷チェコにおける幾多の紛争と独立の過程で同胞が遭遇した「こうあってはならない、そうあってはならない」といった眼を覆いたくなるような経験や事実をイメージとして観るひとに意識させてくれるような気がします。
光ある処、必ず影があり。影ある処、必ず光あり。アルフォンス・ミュシャは、表現技法を越えて、人間の実存に向き合い問いかけ続けたひとりなのかもしれません。
初稿 2017/03/27
校正 2020/11/28
写真「ミュシャ パリの夢 モラヴィアの祈り」図録
期間 2013/03/19~2013/05/07
(東京・森アーツセンターギャラリー)
※大阪府堺市立文化館にもミュシャ・コレクション(常設展)があります
19世紀末から20世紀初頭にかけて、西欧で花開いた芸術運動や様式を「アール・ヌーヴォー」と呼ぶそうですが、産業革命による機械化がもたらした画一的な製品群と一線を画し、植物をモチーフにした幾何学的紋様が無限に彩るなか、「こうあってほしい、そうあったらいいのに」といった無意識に秘めた憧れや羨望をイメージとして観るひとに意識させてくれるような気がします。
でも、開催中の展覧会のテーマはである「スラブ叙事詩」は、故郷チェコにおける幾多の紛争と独立の過程で同胞が遭遇した「こうあってはならない、そうあってはならない」といった眼を覆いたくなるような経験や事実をイメージとして観るひとに意識させてくれるような気がします。
光ある処、必ず影があり。影ある処、必ず光あり。アルフォンス・ミュシャは、表現技法を越えて、人間の実存に向き合い問いかけ続けたひとりなのかもしれません。
初稿 2017/03/27
校正 2020/11/28
写真「ミュシャ パリの夢 モラヴィアの祈り」図録
期間 2013/03/19~2013/05/07
(東京・森アーツセンターギャラリー)
※大阪府堺市立文化館にもミュシャ・コレクション(常設展)があります