Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

♪39「ある時代の終わり」

2019-04-30 | Season's Greeting
 「戦なき世を 歩みきて 思い出づ かの難き日を 生きく人々」(御製の碑)
 
 1989年から2019までの約30年は大きな戦禍は無かったものの、幾多の自然災害に遭った平成の御代。

 抗えない力に対峙するときに寄り添い、手をさしのべる姿は尊敬と信頼が在るからこそできることなのかもしれません。

 平成から令和へ元号が代わろうとも、変わらずに在り続けて欲しいものです。

初稿 2019/04/30(平成31年4月30日)
校正 2020/09/14
写真 千鳥ヶ淵戦没者墓苑
撮影 2019/03/31(東京・千鳥ヶ淵)

♪38「2019 花霞 Season's Greeting」

2019-04-19 | Season's Greeting
 「散ればこそ いとど桜は めでたけれ 憂き世になにか 久しかるべき」(詠人知らず、伊勢物語※)

 桜ほど咲き誇るのを待ちこがれ、散るのを惜しまれるからこそ意味があるのかもしれません。

 いわば、なにかが移りゆく兆しであり、なにごとにも終わりがあり、なにごとかが始まることを示唆しているような気がします。

 霞がかかっているように淡く白く見える満開の桜が「花霞」と呼ばれるそうです。その霞がかった淡く白い桜が散りゆくあとには、新緑の芽吹きがすぐそこに控えているような気がします。

初稿 2019/04/19
校正 2020/09/15
写真 散ればこそ いとど桜は めでたけれ
撮影 2019/04/06(東京・高田馬場)

※♪37「2019 春 Season's Greeting 」
「世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」の反歌だそうです。

♪37「2019 春 Season's Greeting」

2019-04-04 | Season's Greeting
 「世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」
(在原業平、古今和歌集 巻第一 春歌上)

 桜ほど咲き誇るのを待ちこがれ、散るのを惜しまれるのはないのかもしれません。

 いわば、なにごとかが移りゆく兆しであり、なにごともがなんらかの意味をもたらしてくれるような気がします。

 でも、桜がなかりせば、そのなんらかの意味に気づかないのかもしれません。

初稿 2019/04/04
校正 2020/09/16
写真 世の中に たえて桜の なかりせば
撮影 2018/04/05(滋賀・彦根城)