Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

#38「東京タワー」【1958】

2019-03-24 | Liner Notes
 新幹線の車窓から眺める光景のなかで、「あっ、もうすぐ着くんだな」と感じさせてくれる存在が東京タワー。正式名称は日本電波塔だそうです。

 高さ333m、その威容は変わらぬといえど、人にたとえると還暦を向かえ、剥げた塗装に少しだけ老いを感じてしまいます。

 初めて東京へ親と一緒に行った時が今から数えて約30年前、此処を訪れたことは幾度かあるにせよ、トラス構造の鉄の骨が急曲線で空に舞い上がり、電波塔の先端が雲に屹立として突き刺さる姿が印象的です。

 いつもと変わらない存在でありながらも、決して代わることができない役割だからこそ、その存在感になにかしらの憧れを懐くのかもしれません。

初稿 2019/03/24
校正 2020/09/17
写真 東京タワー
撮影 2019/03/17(東京・芝)

§93「願いがかなうふしぎな日記」本田有明, 2015.

2019-03-12 | Book Reviews
 東京での単身赴任生活も早9ヶ月。家族のもとへ帰ってみるといろんな発見があるものです。

 この春に小学3年生になる末娘が図書館から借りてきた本を一緒に読んでみました。お祖母ちゃんから貰った日記帳、書けば願いが叶うというおはなしです。

 過ぎ去りし過去を記すのが日記。未だ見ぬ未来を記すのは希望と願望が入り交じってしまいがち。でも、過去は事実に他ならず変えることができぬもの。未来だけが唯一変えることができることに他ならず。

 しかも、願いは叶うものではなく、自らが叶えるものと意識したときの覚悟と努力、そしてちょっとした勇気の大切さを感じました。

 この春に小学3年生になる末娘には、いまはまだ感じていないかも知れませんが、いつの日にかもう一度読んでほしい一冊です。

初稿 2019/03/12
校正 2020/09/18
写真 切手の博物館
撮影 2018/09/09(東京・目白)