今回ご紹介するのは「自民崩壊の300日」(著:読売新聞政治部)です。
-----内容-----
2008年9月、自民党の起死回生を託された麻生政権が誕生。
しかし、「リーマン・ショック」に端を発する世界的な景気後退の嵐の中で、麻生首相は幾たびか訪れた解散・総選挙のタイミングをことごとく逃し、野党の攻勢に追い込まれていく。
政権発足前夜から300日のドラマを追った緊迫の政治ドキュメント!
-----感想-----
この本は先日本屋で見かけ、興味深いので手にとってみました。
福田前総理が辞任して、その後麻生総理が誕生してから、自民党が迷走していく様子が描かれていました。
「私は自分自身を客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです」
その様子をテレビで観ていた自民党幹部は「あの記者会見は何だ?これから尾を引くぞ。国民を敵に回したんじゃないか。あれじゃ、逆ギレ辞職じゃないか」と深いため息をついた。
上記は麻生政権が誕生する前の、福田総理の辞任会見での一場面です。
やっぱり自民党の幹部もあの会見には困ったようですね![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase1.gif)
そしてその後、麻生政権が誕生しました。
当初は選挙の顔として期待されていた麻生総理。しかし…
「この下がり方は、坂を下るというより、がけから落ちたようなものだ」
自民党の閣僚経験者は支持率半減をこう評した。
「今、衆院解散・総選挙をやれば、自民党は大政奉還をせざるをえない。もはや解散する力は現在の麻生政権にはない」
党の有力者からこうした発言が飛び出すほど、政権は弱体化し、「選挙の顔」として麻生を担ぎ上げた自民党内では、急速に麻生離れが進んでいた。
公明党幹部は、半ば冗談、半ば本気の口調でこう語った。
「麻生さんはもはや『選挙の顔』じゃない。『選挙の邪魔』だ」
何だか散々な言われようの麻生さんが、ちょっと可哀相な気がしてきます。
支持率が下がったのは自業自得ですが、仲間内からもこんなことを言われては、ショックが大きいのではと思います。
特に『選挙の邪魔』は強烈です![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
この本によると、公明党は早期の解散を巡って何度も麻生総理に振り回されたらしく、鬱憤も溜まっていたのでしょうね。
そしていよいよ解散が近づいてきた2009年6月30日、麻生総理が党役員人事を行おうとして混乱が起きました。
解散総選挙の前に役員人事をやって支持率を上げようという目論みですが、かなりの人から反発があったようです。
そしてここで、大物議員が動きました。
とどめを刺したのは森だった。
森はその夜、東京・赤坂のホテルオークラの中華料理店で麻生と二人きりで会った。
「党役員人事を考えているのか?」
「森先生、私は一言も役員人事をやるなんて言ったことがないんですよ」
「分かった。それなら、想定問答をしよう。幹事長を変えるなら誰だ?細田君より力強くて話もできる人は、舛添か?町村君か?だけど、俺は断るよ。(以下省略)」
この場面は興味深かったです。
ニュースで森さんが動いたというようなことを見ましたが、こうして本で詳しい会話まで見ると場面が思い浮かんできます。
最終的にこの説得により、麻生さんは目論みを断念することになりました。
また麻生さんは党内の根回しをしないまま、色々なことをやろうとしたようです。
どうやら小泉純一郎さんが派閥に囚われることなく、総理主導で色々なことをやっているのを間近で見ていて、自分も総理になれば同じ事が出来ると思っていたようですが、さすがに思い上がりのような気がします。。。^^;
根回しをしていなかったため、やろうとしていることが行き詰まり、「発言のブレ」になっていったようです。
テレビを見ているとただ単に「ブレた」という印象が強いですが、本だとなぜブレたのかの説明があり興味深かったです。
麻生さんが解散に踏み切るまでの間に、どんな攻防があったのかが色々と書かれていて、とても面白い本でした。
みんな様々な思惑があり、それがぶつかり合っているのがよくわかりました。
衆議院選挙の敗北で崩壊状態になった自民党ですが、その立て直しの第一歩とも言える総裁選挙が始まりました。
今までのことを反省して、もう一度頑張っていってほしいと思います。
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-----内容-----
2008年9月、自民党の起死回生を託された麻生政権が誕生。
しかし、「リーマン・ショック」に端を発する世界的な景気後退の嵐の中で、麻生首相は幾たびか訪れた解散・総選挙のタイミングをことごとく逃し、野党の攻勢に追い込まれていく。
政権発足前夜から300日のドラマを追った緊迫の政治ドキュメント!
-----感想-----
この本は先日本屋で見かけ、興味深いので手にとってみました。
福田前総理が辞任して、その後麻生総理が誕生してから、自民党が迷走していく様子が描かれていました。
「私は自分自身を客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです」
その様子をテレビで観ていた自民党幹部は「あの記者会見は何だ?これから尾を引くぞ。国民を敵に回したんじゃないか。あれじゃ、逆ギレ辞職じゃないか」と深いため息をついた。
上記は麻生政権が誕生する前の、福田総理の辞任会見での一場面です。
やっぱり自民党の幹部もあの会見には困ったようですね
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase1.gif)
そしてその後、麻生政権が誕生しました。
当初は選挙の顔として期待されていた麻生総理。しかし…
「この下がり方は、坂を下るというより、がけから落ちたようなものだ」
自民党の閣僚経験者は支持率半減をこう評した。
「今、衆院解散・総選挙をやれば、自民党は大政奉還をせざるをえない。もはや解散する力は現在の麻生政権にはない」
党の有力者からこうした発言が飛び出すほど、政権は弱体化し、「選挙の顔」として麻生を担ぎ上げた自民党内では、急速に麻生離れが進んでいた。
公明党幹部は、半ば冗談、半ば本気の口調でこう語った。
「麻生さんはもはや『選挙の顔』じゃない。『選挙の邪魔』だ」
何だか散々な言われようの麻生さんが、ちょっと可哀相な気がしてきます。
支持率が下がったのは自業自得ですが、仲間内からもこんなことを言われては、ショックが大きいのではと思います。
特に『選挙の邪魔』は強烈です
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
この本によると、公明党は早期の解散を巡って何度も麻生総理に振り回されたらしく、鬱憤も溜まっていたのでしょうね。
そしていよいよ解散が近づいてきた2009年6月30日、麻生総理が党役員人事を行おうとして混乱が起きました。
解散総選挙の前に役員人事をやって支持率を上げようという目論みですが、かなりの人から反発があったようです。
そしてここで、大物議員が動きました。
とどめを刺したのは森だった。
森はその夜、東京・赤坂のホテルオークラの中華料理店で麻生と二人きりで会った。
「党役員人事を考えているのか?」
「森先生、私は一言も役員人事をやるなんて言ったことがないんですよ」
「分かった。それなら、想定問答をしよう。幹事長を変えるなら誰だ?細田君より力強くて話もできる人は、舛添か?町村君か?だけど、俺は断るよ。(以下省略)」
この場面は興味深かったです。
ニュースで森さんが動いたというようなことを見ましたが、こうして本で詳しい会話まで見ると場面が思い浮かんできます。
最終的にこの説得により、麻生さんは目論みを断念することになりました。
また麻生さんは党内の根回しをしないまま、色々なことをやろうとしたようです。
どうやら小泉純一郎さんが派閥に囚われることなく、総理主導で色々なことをやっているのを間近で見ていて、自分も総理になれば同じ事が出来ると思っていたようですが、さすがに思い上がりのような気がします。。。^^;
根回しをしていなかったため、やろうとしていることが行き詰まり、「発言のブレ」になっていったようです。
テレビを見ているとただ単に「ブレた」という印象が強いですが、本だとなぜブレたのかの説明があり興味深かったです。
麻生さんが解散に踏み切るまでの間に、どんな攻防があったのかが色々と書かれていて、とても面白い本でした。
みんな様々な思惑があり、それがぶつかり合っているのがよくわかりました。
衆議院選挙の敗北で崩壊状態になった自民党ですが、その立て直しの第一歩とも言える総裁選挙が始まりました。
今までのことを反省して、もう一度頑張っていってほしいと思います。
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