読書日和

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「自民崩壊の300日」

2009-09-19 15:22:33 | ノンフィクション・エッセイ
今回ご紹介するのは「自民崩壊の300日」(著:読売新聞政治部)です。

-----内容-----
2008年9月、自民党の起死回生を託された麻生政権が誕生。
しかし、「リーマン・ショック」に端を発する世界的な景気後退の嵐の中で、麻生首相は幾たびか訪れた解散・総選挙のタイミングをことごとく逃し、野党の攻勢に追い込まれていく。
政権発足前夜から300日のドラマを追った緊迫の政治ドキュメント!

-----感想-----
この本は先日本屋で見かけ、興味深いので手にとってみました。
福田前総理が辞任して、その後麻生総理が誕生してから、自民党が迷走していく様子が描かれていました。

「私は自分自身を客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです
その様子をテレビで観ていた自民党幹部は「あの記者会見は何だ?これから尾を引くぞ。国民を敵に回したんじゃないか。あれじゃ、逆ギレ辞職じゃないか」と深いため息をついた。

上記は麻生政権が誕生する前の、福田総理の辞任会見での一場面です。
やっぱり自民党の幹部もあの会見には困ったようですね
そしてその後、麻生政権が誕生しました。
当初は選挙の顔として期待されていた麻生総理。しかし…

「この下がり方は、坂を下るというより、がけから落ちたようなものだ」
自民党の閣僚経験者は支持率半減をこう評した。

「今、衆院解散・総選挙をやれば、自民党は大政奉還をせざるをえない。もはや解散する力は現在の麻生政権にはない」
党の有力者からこうした発言が飛び出すほど、政権は弱体化し、「選挙の顔」として麻生を担ぎ上げた自民党内では、急速に麻生離れが進んでいた。

公明党幹部は、半ば冗談、半ば本気の口調でこう語った。
「麻生さんはもはや『選挙の顔』じゃない。『選挙の邪魔』だ」

何だか散々な言われようの麻生さんが、ちょっと可哀相な気がしてきます。
支持率が下がったのは自業自得ですが、仲間内からもこんなことを言われては、ショックが大きいのではと思います。
特に『選挙の邪魔』は強烈です
この本によると、公明党は早期の解散を巡って何度も麻生総理に振り回されたらしく、鬱憤も溜まっていたのでしょうね。

そしていよいよ解散が近づいてきた2009年6月30日、麻生総理が党役員人事を行おうとして混乱が起きました。
解散総選挙の前に役員人事をやって支持率を上げようという目論みですが、かなりの人から反発があったようです。
そしてここで、大物議員が動きました。

とどめを刺したのはだった。
森はその夜、東京・赤坂のホテルオークラの中華料理店で麻生と二人きりで会った。
「党役員人事を考えているのか?」
「森先生、私は一言も役員人事をやるなんて言ったことがないんですよ」
「分かった。それなら、想定問答をしよう。幹事長を変えるなら誰だ?細田君より力強くて話もできる人は、舛添か?町村君か?だけど、俺は断るよ。(以下省略)」

この場面は興味深かったです。
ニュースで森さんが動いたというようなことを見ましたが、こうして本で詳しい会話まで見ると場面が思い浮かんできます。
最終的にこの説得により、麻生さんは目論みを断念することになりました。

また麻生さんは党内の根回しをしないまま、色々なことをやろうとしたようです。
どうやら小泉純一郎さんが派閥に囚われることなく、総理主導で色々なことをやっているのを間近で見ていて、自分も総理になれば同じ事が出来ると思っていたようですが、さすがに思い上がりのような気がします。。。^^;
根回しをしていなかったため、やろうとしていることが行き詰まり、「発言のブレ」になっていったようです。
テレビを見ているとただ単に「ブレた」という印象が強いですが、本だとなぜブレたのかの説明があり興味深かったです。

麻生さんが解散に踏み切るまでの間に、どんな攻防があったのかが色々と書かれていて、とても面白い本でした。
みんな様々な思惑があり、それがぶつかり合っているのがよくわかりました。
衆議院選挙の敗北で崩壊状態になった自民党ですが、その立て直しの第一歩とも言える総裁選挙が始まりました。
今までのことを反省して、もう一度頑張っていってほしいと思います。


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鳩山政権

2009-09-19 12:25:06 | ウェブ日記
選挙の小沢
政策の岡田
国会論戦の菅
党内融和の鳩山

民主党を代表する上記の四人について、私はこのようなイメージを持っています。
四人ということで人気漫画「ONE PIECE」から引用して四皇と勝手に思っています^^
やはり民主党というとこの四人のイメージが強いので。
小沢さんは2007年の参議院選挙、そして先日の衆議院選挙と、いずれも勝利に導いた立役者であり、選挙に強いイメージがあります。
岡田さんは色々な政策に通じていて、かなりの政策通というイメージがあります。
菅さんは野党時代によく国会で自民党と対決していて、論戦に強いイメージがあります。
鳩山さんはあまり強引なことはせず、物事を平和的に解決できるイメージがあります。
四人とも持ち味が違うので、みんなで強力すればかなりの力を発揮できるのではないかと思います。

そして9月16日、いよいよ鳩山内閣が発足しました。
鳩山さんが内閣総理大臣となり、小沢さんは幹事長、菅さんは国家戦略室の大臣、岡田さんは外務省の大臣となりました。
そのほかの大臣も主力級が勢揃いし、なかなか豪華なメンバーとなったようです。
最近は民主党の議員さんもテレビに出る機会が増えてきたので、段々と国民に名前を知られていくのではと思います。

そんな中、先日からやたらと指摘されているのが、権力の二重構造です。
これは幹事長である小沢さんを指してのものです。
政権を担っていく上で、リーダーシップを発揮するのは内閣総理大臣の鳩山さんなのですが、実際には裏で小沢さんが強い影響力を持つのでは。。。という意見が目立ちます。
私としては、ちょっと騒ぎすぎなのでは…と思います。
むしろ自民党が政権を持っていた頃、その時々の内閣総理大臣に対して強い影響力を持っていた政治家(森さんなど)がいて、それも立派な二重権力構造だと思うのですが、なぜかあまり騒がれませんでした。
今回しきりに騒がれるのは、小沢さんがいざとなれば党をぶっ壊すことも辞さないタイプの政治家だからかも知れませんね。
実際にかつて二重権力構造を作ったという前歴もあるので、騒がれるのは仕方ないのかも知れません。

そんな党内でも最強クラスの人を従える鳩山さんが、しっかりとリーダーシップを発揮できるのかも注目されています。
鳩山さんの持ち味はやはり穏やかな人柄にあると思うので、党内で意見が割れたときなどは、うまく平和的に収めてくれないものかと期待しています。
寄せ集め集団とも言われる民主党だけに、みんなをまとめられるかどうかが鍵です。
まだ発足して間もないですし、しばらくは様子見になると思います。
何とか今までの政治を変えてもっと透明性のある良い政治を作り上げていってほしいなと思います。