なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

連休直前に

2016年04月28日 | Weblog

 夕方放射線科の先生から電話が来た。内科医院からの紹介で頭部CTを行ったところ、小脳出血だったそうだ。内科医院に電話で報告したが、当院から脳外科のある病院に送って下さいと言われたという(それはそうだ)。

 患者さんをすぐに救急外来に移して下さいとお願いして、救急室にいると誰もいなかった。救急室の前にある患者さんの家族が待機するところにいたのが、その患者さんだった。立ち上がるときにふらっとするが、まあほとんど普通に歩行できる。血腫自体は1cm程度だが、周囲に浮腫があった。頭痛・嘔気はない。

 3日前に入浴して上がった時に、ふらつきを感じて、嘔吐したという。翌日の夕方にかかりつけの内科医院を受診した。症状が続くので、今日当院の放射線科に頭部CTの依頼があった。内科や神経内科に直接紹介ではないので、念のためというつもりだろう。すぐに当地域の基幹病院の脳外科医に電話したところ、快く引き受けてくれた。高血圧症で通院していて、普段も140くらいというからやや高い。今日は血圧が210/110mmHgと高かった。ストレチャーに横にして、血管確保・ペルジピン静注を行った後に、救急搬送した。

 搬送の手続きをしている時に、その前に救急搬入の連絡が入っていた70歳女性が来た。COPDがあって、体動時の息切れを訴えるが、いっこうに喫煙をやめない方だった。肥満による肺胞低換気でもある。死んでもタバコはやめないと言う。穏やかな感じでやめないという患者さんは、まずやめない(たぶん)。37℃台の発熱と炎症反応上昇があった。胸部X線を半座位で撮影したが、明らかな肺炎像はなかった。横臥するとよけいに呼吸困難になり、呼吸が止まりそうになるため、横臥しての胸部CTは撮影しなかった。

 救急隊到着時に酸素飽和度が60%台で、酸素8L/分で搬入してきた。連絡がきた時には酸素3L/分で90%というので、そのまま来てもららったが、途中で随分と上げていた。PaO2が138、PaCO2が78、pH7.2で呼吸性アシドーシスだった。酸素飽和度が90%前後になるように、94%以上にならないように酸素量を調整した。東京に姉がいるそうだが、昨年同様の病状で入院した時も病院には来なかった。独身で当地に身寄りはいない。今日は近所の方が、姿を見かけないと自宅に行って発見したそうだ。東京だったら、そのままいわゆる孤独死になるのかもしれない。田舎は近所の付き合いがあっていい。躁うつ病で精神科医院にも通院していた。明日診て内服できそうなら、当院で処方できる同効薬を処方することにした。

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