整形外科の若い先生から、両側の肩から上腕にかけて疼痛のある70歳男性のことで相談を受けた。昨年の12月から上肢のしびれがあったというが、それは関連するかどうかわからない。1か月くらい前から両側の肩から上肢近位の疼痛があり、近くの病院から当院整形外科へ紹介された。この方は当院皮膚科に尋常性乾癬で通院治療している。
朝のこわばりは、訊かれればあるようなということで、はっきりしない。両側手指の症状はなかった。下肢の症状はなく、すたすたと歩いているそうだ。発熱もなかった。両側上肢の拳上が痛くて十分できない。リウマチ性多発筋痛症を疑ったということだったが、上肢だけというのはあるのだろうか。血液検査は、白血球数7600、CRP4.2で軽度に上昇していた。血沈はとっていなかった。リウマトイド因子は陰性で、抗CCP抗体が陽性だった。頸椎症疑いとして、頚椎MRIを検査して頚椎脊柱管狭窄(軽度らしい)という読影レポートだった。
これは何でしょうかと訊かれたが、わからない。直接診察してもわかる気がしなかった。他院のリウマチ膠原病科外来に紹介してもらうことにした。
2週間前に施設嘱託医の紹介で受診した88歳女性は、認知症で訴えが把握し難かったが、どうも後頸部が痛いらしいと判断された。発熱はなかったが、首を動かすと痛がった(もともと固いのでたぶん)。白血球数12000、CRP20とけっこうな炎症反応上昇だった。手関節や膝関節の(新たな)症状はない。意識は清明(たぶん)。頸椎偽痛風を疑って頸椎CTで歯突起周囲の石灰化をみようと思ったが、なんだかあるようなないようなで、はっきりしない。NSAID(セレコックス)で経過をみたが、今日は症状も消失して、採血で炎症反応陰性となっていた。まあ治ればいいか。
日曜日に入院したインフルエンザ+肺炎球菌肺炎の患者さんは解熱してきて、炎症反応も少し低下はしてきた。ただし入院時から上昇していたCKが、入院さらに上昇した。筋肉痛の訴えはないが、屋外で倒れているところを発見されたという経緯なので、横紋筋融解なのか。骨格筋由来の酵素以外に肝機能障害としても目立つので、多臓器の障害を伴う肺炎なのか、抗菌薬の肝障害なのか判断が難しい。腎機能も補液(腎前性腎不全として)の割に入院翌日に悪化したが、今日は少し改善してきた。胸部X線・CTも撮り直したが、悪化はなかった。もう数日悩みながらハラハラして経過をみるしかない。
今日臨時の会議があって(地域包括ケア病棟編成で)、その中で在宅扱いになる施設の一覧票が出された。実はまったく知らなかった。回復期リハビリ病棟と地域包括ケア病棟は、原則自宅退院なので、施設に戻る患者さんは入れないと思っていた。事務やソーシャルワーカーは知っているそうだが、病棟の看護師さんは知らないのではないか(ひとくくりに施設の人と言っているので知らないのだろう)。これは病棟編成の根幹にかかわると思うが・・・。長期に入院する回復期病棟では退所扱いになってしまうが、地域包括ケア病棟は短い入院でも使うので、在宅扱いになるかどうかは大きな問題だ。
本当にいろいろなことが、よくわからない。