なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

とりとめのない診療

2016年04月12日 | Weblog

 今日は管理会議でひとつの病棟を地域包括ケア病床にすることが決まった。当院は300床6病棟で、そのうちひとつの病棟が回復期リハビリ病棟にしている。10月から地域包括ケア病床(病棟)ができると、急性期病床が200床になる。

 今日は施設から10日前からの後頸部痛で80歳代後半の女性が、嘱託医の紹介で受診した。疼痛部位が後頸部なのか耳後部なのか左肩なのか、訊くたびに変わってよくわからない。首を回しにくいのは間違いないようだ。意識清明(たぶん)で明らかな発熱はない。膝痛や手関節痛はない。頸椎偽痛風を疑って、頸椎CTで歯突起周囲の石灰化をみたが、ありそうだなというくらい。炎症反応は上昇していた。頸椎偽痛風疑いとしてNSAID(セレコックス)で経過をみることにした。

 80歳半ばの女性が糖尿病の教育入院になって1週間経過した。今時珍しい昔からのノボリンN朝1回打ちで治療されていた。HbA1c9%くらいでもう少し下げたい。一人暮らしで難聴がひどい。外来でインスリンの種類を変更するのが不安だったので、入院とした。インスリンをトレシーバ同単位(8単位)として、DPP4阻害薬とのBOTにした。空腹時血糖は正常域で、昼夕の血糖はまだ少し高めだったが、それほど厳しく下げるつもりはない。高齢者で、そうしてもインスリンなしでは許容師がたい高血糖になる時は、このトレシーバ+DPP4阻害薬の組み合わせを愛用している。

 糖尿病・高血圧症で通院している80歳代半ばの女性は、2~3週間前に黒色便(タール便)が出て、その後は普通便になったという(直腸指診で普通便確認)。定期の血液検査で貧血を認めた(Hb11から9)。今日内視鏡検査を行ったが、胃粘膜萎縮(ピロリ菌陽性)とコアグラの付いたびらん散在を認めた。潰瘍や癌はなかった。症状がある時はもっと多発性にびらんがあったのかもしれない。もともとPPIは内服しているので、粘膜保護剤を追加して、貧血の程度を再検することにした。改善しなければ大腸検査を考慮する。

 入院は80歳台前半の男性(中等度の認知症)で誤嚥性肺炎。何度か入院しているが、抗菌薬投与で元気になると不穏が目立つということを繰り返している。奥さんも慣れていて、抑制同意書にあっさりサインしてくれる。

 本当に、毎日とりとめのない診療だ。

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