1か月前に脳梗塞の93歳女性が地域の基幹病院脳神経内科から転院してきた。昼のみ嚥下調整食2(けっこうなトロトロ)で嚥下訓練をして、経鼻胃管からの経管栄養をしていた。
転院した来てすぐに、経鼻胃管を自分で抜いてしまった。先方の病院でも抜いたそうだ。家族と相談して、そのまま管は抜いたままにして、点滴をしながら嚥下訓練をすることにした。
当院の嚥下訓練を担当する聴覚言語療法士(ST)も、経鼻胃管を入れたままでの嚥下訓練は難しいですね、と言っていた。嚥下訓練を継続して、何とか嚥下調整食2が昼のみから1日3食まで摂取できるようになった。
1本だけ残していた点滴も中止した。在宅介護は困難で施設入所の方針になっていた。以前から申し込んでいたのか、希望の施設で入所前の患者調査があり、入所予定になっていた。
ところが、今週始めから食事がとれなくなり、意識レベルも低下した。頭部CTを行うと(首を振るのでMRIの撮影は難しい)、左中大脳動脈領域の低濃度域が広がっていた。脳梗塞の進行だった。
家族に、残念でしたという話をした。まず1週間の急性期は経過をみるが、食事摂取は難しいだろう。それでも翌日は意識レベルが若干改善していた。診察した時間の問題かもしれないが。