こちらもな火曜日の内科新患担当だった内科の若い先生(女性の地域医療研修の内科専攻医)から診た症例。
患者さんは81歳男性で、脳出血後遺症・脳梗塞後遺症・症候性てんかんで神経内科に、便秘症とCOPDで消化器科の外来に通院していた。
その日は、1週間前から飲み込もうとすると詰まってしまうという訴えで受診していた。嚥下の初期の障害なのか、嚥下開始から数秒後に生じる障害なのか、訊くように伝えた。
単純CTで頸部食道に病変があり、食道癌が疑われた。さらに以前から胆嚢結石はあるが、胆嚢壁が不正に肥厚して、周囲の肝臓に浸潤しているように見えて、胆嚢癌疑いだった。
まずは上部消化管内視鏡検査だが、入院しての精査のなる可能性が高い。当院で内視鏡検査は行わずに、直接地域の基幹病院消化器内科の外来に紹介することにした。翌々日に予約がとれたが、水分は通過するので受診は少し待てるだろう。
こちらの患者さんも紹介するのはいいが、先方では上部消化管内視鏡検査はするとして、治療はどうするのだろうか。担当した先生には大物が続いたね、と言った。
脳血管障害はあるが嚥下障害(多少あることはあるのだろう)ではなく、嚥下後にごくわずかな間をおいて、詰まるらしい。嚥下障害と食道狭窄の区別は、頸部食道では難しいのだった。