なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

両側後頭葉の脳梗塞

2020年09月01日 | Weblog

 昨日、地域の基幹病院脳神経内科から脳梗塞の84歳男性が転院してきた。

 名目はリハビリのための転院だが、両側後頭葉の脳梗塞で視力低下があり、認知症もある。診療情報提供書には、リハビリにはのらないでしょうと記載されていた。

 4年前に右後頭葉の脳梗塞が発症して、今回は左後頭葉の脳梗塞だった。他にはないので、視力以外の障害はない。手引き歩行でのリハビリになるが、認知症で指示が入らない。

 両側後頭葉の脳梗塞は初めて診たことになる。たぶん珍しい。視力は顔は認識できず、全体に白い中に赤色などがわかるというくらい。

 

 診療情報提供書にある処方と、実際に持ってきた(残りなので2日分のみ)処方内容が違っていた。問い合わせてみると、認知症による不穏で、転院直前に精神科から処方されていた。

 入院後からそれなりに不穏があり、ロゼレム・ベルソムラ・デジレルが処方されて、さらにブロナンセリン4㎎が追加されていた(記載されていたのはその処方)。

 持ち込みの薬は、ブロナンセリンがエビリファイ24mg/日とデパケンR400㎎/日に変更されていた。精神科医からの返事がFAXで来て、不穏の悪化に対する処方だった。(デパケンは気分調整での処方)

 昨夜はいったんは寝たそうだが、その後に不穏が始まってナースステーション近くの本来は家族に病状説明する時に使用する小部屋にベットごと移動していた。

 病棟看護師さんから、精神科病院への転院が目標になりそうですね、と言われた。先方の入院1週間目に当院への転院の依頼が来たのは、不穏で困ったかららしい。

 

 

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