なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳出血だけではない

2020年09月02日 | Weblog

 8月下旬に脳出血の76歳男性が、地域の基幹病院脳神経内科から転院してきた。寝たきり状態で経鼻胃管による経管栄養が行われていた。

 まず脳出血だが、右被殻出血で脳室穿破していた。保存的治療なので、脳外科ではなくて脳神経内科で診ていたようだ。保存的だと血圧のコントロールくらいになる。

 家族の話では(独身なので姉夫婦が来ていた)、内視鏡的胃瘻造設の話もされたようだ。ただ行うと入院期間が長引いてしまうらしく、胃瘻は転院先でと言うのが多い。

 胃瘻造設を行うにあたって、胃の位置確認が必要になる。CTで、胃を膨らませるとちゃんと肋骨弓の下まで出るか、横行結腸が胃の腹側にかぶっていないかを見た。胃瘻は問題なくできそうだった。

 ただ右肺に誤嚥性肺炎を来していた。経管栄養はいったん中止して、まず誤嚥性肺炎の治療を行った。幸いに肺炎は軽快したので、昨日消化器科医といっしょに内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を行った。後は栄養剤(経管栄養食)を少しずつ入れて経過をみる。

 

 脳神経内科からの診療情報提供書に記載はなかったが、家族の話によると、この患者さんはがんセンターで6年前と今年の6月に肺の手術を受けていた。

 当院で行った胸腹部CTで、右肺尖部と肝内に腫瘤性病変が描出されていた。これは癌?・術後変化?、肝の方は同じ病変?別の病変?。

 今日家族に来てもらって、胃瘻造設を行った報告と、肺と肝の腫瘤について説明した。家族の話では、がんセンターの外来予約が再来週に入っているという。家族に、当院からの診療情報提供書とCD(CT画像)を持って受診してもらうことにした。

 現在は寝たきり状態・胃瘻造設状態で発語なし・意思疎通困難なので、精査・治療をするとは思えないが、専門医の意見を訊く方がいいだろう。

 

 

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