昨日、地域の基幹病院消化器内科から96歳男性が転院してきた。大腸憩室出血の既往があり、今回も大腸憩室出血・出血性ショックで入院していた。
前回は大腸内視鏡検査を行って止血したが、今回は内視鏡的止血はできなかった。放射線科でintervensionとして動脈塞栓術を行って止血していた。
さらに、ずっと白血球数3万台が続いていた。血小板増加があり、貧血は出血で修飾されているので、判断し難い。週に1回来ている血液内科医に相談したところ、骨髄異形成症候群(MDS)か骨髄増殖性腫瘍(MPN)だろうといわれたが、超高齢なので精査自体しないということになった。
紹介目的は(出血性ショック時などに)看取りも含めた緩和ケアをお願いします、ということだった。また大腸憩室出血・出血性ショックになった際に診るのは勘弁して下さいということだろう。
家族は難聴の妻と関東圏から来ていたひとり娘が来ていた。当院では現在緊急内視鏡はできない。輸液・輸血の治療しかできないことを伝えた。大腸内視鏡も処置内視鏡になると時間が長くつらい。そこまではいいです、ということだった。
血液疾患は確かにありそうで、それが悪化した際も対症的な治療になる。MDSよりはMPN(慢性骨髄性白血病?)ではないか。
介護タクシーで転院してきたが、車の中で嘔吐してしまった。転院時から痰がからんでいたが、その夜から高熱が出た。嘔吐のためか、あるいは先方の病院にいた時からかもしれないが、肺炎の治療から開始することになった。