1週間前に軽度の肺炎で入院した91歳男性は抗菌薬投与で軽快していた。夜間にトイレに行こうとして転倒して頭部に切創をつくり、当直医に2針縫合してもらった。
抜糸したら退院のつもりでいたが、水曜日の朝から胆汁性嘔吐が断続的にあった。腹部CTで確認すると、胃から十二指腸水平脚まで著明に拡張していた。あれか、と思った。
外科医に相談すると、上腸間膜動脈症候群だろうと言われた。34㎏のやせた老人で、入院後も食事は摂取していたので、さらに痩せたわけではない。
NGチューブを挿入して、胆汁混じりの消化液を600ml吸引した。同量の空気も引けた。引けなくなったところで、そのまま留置した。
横臥すると余計に十二指腸が圧排されるので、前屈みにしたい。背中が曲がっているので、半座位にするとちょうど前屈みのようになった。
とりあえず、翌日まで入れて、翌日の状態でNGチューブを抜くか、そのまま挿入を継続するか決めることにした。家族には保存的に治療して、難しい時はバイパス術もあると説明した。
2日間800~900ml/日消化液が吸引されて、通過する見込がなく、地域の基幹病院外科に搬送となった。