なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肝膿瘍・褥瘡感染

2021年10月22日 | Weblog

 火曜日は別の内科医が当直だったが、その日の午後から救急外来担当だった。午後4時過ぎに救急搬入された92歳女性を診て、そのまま当直の時間まで検査を続けて、入院としていた。

 長女と二人暮らしをしているが、その長女はどうも理解力があまりないらしい。3~4日前から開眼しなくなっていたという。当然食事もとっていない。別居の二女が、そういう状態にいることに気づいて救急要請となった。

 1年前から寝たきり状態にはなっていた。意識は痛み刺激で多少手足が動いたりするくらいだった(JCS200)。腸骨部に褥瘡があり、感染を併発していた。

 頭部CTでは脳委縮と多発性ラクナ梗塞を認めるが、新規の病変はないようだ。胸腹部CTで肺炎像はなかったが、肝臓内に空気を含む低濃度の腫瘤があり、肝膿瘍と判断された。

 点滴、低血圧に対する昇圧薬(ノルアドレナリン)、抗菌薬が開始された。治療に反応せず、心肺停止に陥った時にはDNARとなった。

 

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