なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

長引いたCOVID-19

2024年11月05日 | COVID-19

 発熱外来で診断されたCOVID-19の患者さんは、先々週は4名、先週は1名だった。新型コロナは夏と冬の6か月おきのピークを繰り返しているので、今は最も少ない「」に当たる時期だった。

 

 10月24日にCOVID-19罹患後に発熱と咳が続く患者さん(70歳代半ばの女性)が発熱外来に来ていた。すでに感染性はなくなっている時期で内科外来で診察を受けていた。

 10月5日から咳・発熱があり、10月6日に通院している医院でCOVID-19 と診断された。その後も症状(微熱・咳)が続いて、10月21日までその医院に通院した。

 症状が続く、時に夜間の咳で眠れないということで、10月24日に別の医院を受診した。コロナの迅速検査は陰性になっていた(発症20日目になる)。体温37.5℃で酸素飽和度は97%(室内気)だった。血液検査で白血球7700・CRP7.6と炎症反応が上昇していた。胸部X線では明らかな肺炎像は認めない(あやしいと思う部位はあうが確定できない)。

 肺炎疑いとして、当院に紹介となった。聴診では異常所見はなく、喘息のような喘鳴もない。ただし日中の所見で夜間は不明だが、喘鳴は自覚していないようだ。

 胸部CTでみると、両側肺野に軽度の陰影が散在している。診察された先生は抗菌薬(クラリスロマイシン7日分)と吸入ステロイド(ICS/LABA)の吸入薬を処方していた。

 症状が続くとして、10月27日(日)にも救急外来を受診している。担当医が(24日と別の内科医)血液検査をすると、白血球5700・CRP2.8と前回より炎症反応は改善していた。

 鎮咳剤などで経過をみることにしていて、その後は受診していない。日数の問題で症状が軽快したと思われるが、他院受診もないとはいえないか。

 

 最初COVID-19に罹患したのは間違いない。その後の症状遷延は、ウイルス性肺炎の問題(1週間後からは炎症反応)なのか、細菌性肺炎の併発なのか確定し難い。

 たぶん後者ではないかと思われるが、そうなると抗菌薬は肺炎球菌カバーが必要になる。前者だとすると、ステロイド全身投与するほどでなければ、吸入ステロイドは案外悪くないか。

 

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