7月から受診を中断していたCOPDの70歳代半ばの男性は、11月2日(土)に救急搬入されていた。日当直で来てもらっている外科医(大学病院からのバイト)が受けて、その日内科当番だった別の先生の担当になっていた。
昨年9月にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の増悪で入院した。それも妻の説得によってしぶしぶの入院だった。入院した日から退院したいと主張して、結局1週間もしないうちに退院してしまった。入院すると喫煙できないのも我慢できなかったらしい。
その後は外来通院していたが、妻も同じに外来に来るので、仕方なく来るという形だった。診察室に入って来てもすぐに出て行こうとする。
妻も気管支喘息(ACO)・心房細動・心不全で通院いている。心房細動・心不全となった時に入院を勧めたが拒否して、やむなく数日連続の外来治療となった方だった。
今年の1月に突然の呼吸困難があったが、それでも翌日になってから(症状が続くのでやむなく)受診した。COPDの増悪にしては変だと思ったら、右気胸だった。胸腔ドレーンで吸引しただけでは難しく、胸膜癒着術を要すると見込まれたので、地域の基幹病院呼吸器内科に搬送した。
無事軽快退院してきて、また診察室に1分もいないという受診が続いていた。その後、7月からは妻にいわれても受診しなくなった。それでも妻が処方薬だけ(内服と吸入薬)もらっていくと、継続はしていたようだ。
動けなくなってきている、食事摂取が少ないが飲酒だけは続けている、と妻から報告があった。病院を受診すること、また以前から勧めていたの在宅酸素の導入が好ましいこと、などを伝えてもらったがまったく応じなかった。
今回はまったく動けなくなって、妻が救急要請して搬入となった。拒否する力もなかったのだろう。検査で脱水症と低カリウム血症を認めた。明らかな肺炎像はないが炎症反応上昇があり、気道感染によるCOPDの増悪もある。
入院後に治療で回復はしているが、廃用が進んでいる。