95歳女性が喘鳴と食欲不振で入院した。内科の若い先生が担当になった。喘鳴は肺野ではなくて、頸部にあったので、耳鼻咽喉科外来(大学病院から応援)に紹介した。喉頭鏡を使った診察では異常がなかったので、頸部から胸部までにCTを撮影する様にと指示があった。CTで見ると、気管の分岐部直上の右側に腫瘤を認め、その口側に連続した小腫瘍も2個認めた。まず悪性だろう。
入院後は食欲が回復した。発熱はなく、血液検査でも特に異常を認めなかった。診断するには気管支鏡検査を要する。当院は退院として、当地域の基幹病院の呼吸器科に紹介することになった。腫瘍自体で完全閉塞には至っていないが、そこに喀痰が詰まれば窒息する可能性がある。95歳という年齢を考慮すると、気管支鏡検査自体が適応なしと判断されるかもしれない。腫瘍(癌)で間違いなければ、治療はないのだろう。気管結核だと治療はあるが、画像上は腫瘍にしか見えない。(心臓ペースメーカー植え込み術後)
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