なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺結核の注射薬治療

2021年03月22日 | Weblog

 肺結核の92歳女性がずっと入院している。そもそもは昨年6月に右肺炎で入院したが、通常の抗菌薬治療で軽快しなかった。呼吸器科外来に来てもらっている大学病院感染症科の先生の指示で抗酸菌塗抹検査を行った。

 塗抹で抗酸菌陽性、PCRで結核菌陽性と判明した(培養も出た)。肺結核(結核性肺炎)として、県内の結核病棟のある病院に転院となった。

 経口摂取できず、抗結核薬3剤の注射薬で治療が開始されていた(INH点滴静注・SM筋注・LVFX点滴静注)。喀痰塗抹が3回陰性となって、当院に戻ってきた。塗抹陰性でいいのか培養陰性で隔離解除なのか、大学病院から来ている先生に相談した。

 病院によって違うが、大学病院では結核菌培養陰性で隔離解除にしていると言われた。個室隔離で経過をみて、培養陰性3回を確認して隔離解除とした。

 その後、カテーテル関連血流感染や尿路感染症を併発していたが、それぞれ治療して軽快治癒した。注射薬3種の治療は1年半の予定なので、治療期間はまだまだある。

 隔離解除の後に、治療を依頼できる療養型病床のある病院はないかと当たってみたが、どこもダメだった。まあそうだろう。このまま順調にいけば今年の秋に治療期間が終了するが、高カロリー輸液だけになったとしても引き受ける病院はなさそうだ。

 経管栄養に切り替えても、やはり引き受けてくれる施設もなさそうだ。当院でずっと診ていくしかないのかもしれない。

 当初の肺炎としての入院から、3年目の内科の若い先生の診てもらっていて、戻って来てからも継続していた。4月からは別の病院に移動になるので(自治医科大学の義務年限)、当方が引き継ぐことにした。

 それにしても、こういう場合には経鼻胃管からの抗結核薬内服にはしないものなのだろうか。

 

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