なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

新型コロナの入院~他院から転院

2022年02月01日 | Weblog

 昨日の午後に保健所から、隣りの市内にある病院から新型コロナの患者さんを転院させたいという連絡が入った。100床くらいの民間病院で、時々療養型病床への転院でお世話になっていた。

 昨年は付属の施設で入所者(+職員)に新型コロナのクラスターが発生して、当院の感染病棟に入院した。ちょうど感染病棟にいる時に連絡が入り、病棟の看護師さんたちは「またあの施設?」と言っていた。

 今回は病棟スタッフが新型コロナに罹患して、濃厚接触者となった入院患者さんたちのPCR検査で、2名の陽性者が出たそうだ。1名は地域の基幹病院に入院になり、当院にも1名入院させてほしいという依頼だった。異存はないので、引き受けた。

 

 患者さんは81歳女性で、脳梗塞で左半身麻痺の既往がある。昨年の11月に踵の褥瘡で入院したが、なかなか完治しなかったようだ。褥瘡に付ける軟膏も送られてきた。

 職員の罹患が先週の金曜日に判明して、おそらく土日は病院で対応に追われたのだろう。日曜日にPCR検査を行って、月曜日の昼過ぎに陽性が判明したという経緯だった。

 忙しくて診療情報提供書を記載する暇がなかったらしく、看護情報だけが来ていた。。CTで肺炎はなかったという話があったが、画像添付もなかった。

 感染病棟に入院してしまうとCTが撮りにくいので、救急車が到着後すぐにCT撮影に回した。軽度の胸水があり、コロナらしい初期の陰影があるようなないようなという結果だった。心不全の陰影なのかもしれない。

 血液検査は、白血球減少(2500)・血小板減少(10.8万)があった。リンパ球減少はない。Dダイマー1.1・LDH192だが、血清フェリチンが913と上昇していた。CRPは0.7。新型コロナらしい結果だった。

 体温は38℃で、前日から微熱はあったようだ。その日を発症日とした。酸素飽和度は95%(室内気)で、酸素吸入はとりあえず不要だった。

 患者さんは話は構語障害もなくできる(ように聞こえる)。食事は全粥刻み食を食べられるようだ。点滴できそうな末梢の静脈があまりなく、先方の病院で麻痺側の足背に点滴を入れていた。採血は右手背の静脈からなんとか行った。

 モルヌラビル(ラゲブリオカプセル)が処方されていて、昼過ぎに1回分を内服したと記載されていた。ラゲブリオの40カプセル入りのボトルが来ていた。カプセルは思ったよりは小さい感じがする。内服継続とした。

 まだ発熱が38℃あり、数日経過をみないとわからない、と思う。寝た切り状態で食事も全介助なので(体位交換も)、看護師さんは2名が入って対応することになる。(午前中に他病棟に手伝いに行っていた看護師さんが、感染病棟に戻された)

 

 当院の発熱外来では毎日小学生の陽性者が出ている。小学生は自宅療養になるので、親は大変だが重症化の心配はない。高齢者に広がると重症化を危惧しながら診ることになる。

 

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