12月11日に記載した、大学病院に救急搬送した肺血栓塞栓症の70歳代後半の女性のその後。
12月末に腎臓内科の若い先生から、12月9日に大学病循環器内科に救急搬送した患者さんが、年明けに戻ってくると話してくれた。実際に年明けに当院に転院となった。
多発性嚢胞腎で慢性腎不全があり、大学病院で血液透析を行ったことから、腎臓内科に転院依頼が来ていたのだった。
当院から大学病院に搬送後、大学病院ではヘパリンによる抗凝固療法を開始した。その日の夜間に心室頻拍(VT)が発症して、cardioversionを行っていた。
翌日に胸部造影CTを行うと、両側肺動脈に血栓塞栓像があり、特に右肺動脈は近位でほぼ完全に詰まっていた。左下肢の静脈に深部静脈血栓症を認める。
肺血栓塞栓症が再発して、抗凝固薬による保存的治療継続の猶予がないと判断されて、心臓血管外科で右肺動脈血栓摘除術(開胸)が行われた。
胸水増加・無気肺、NPPVの施行など術後も大変だった。CHDF(continuous hemodialysis and filtration:持続血液濾過透析)が行われたが、その後2週間くらいで離脱した。
ただ血清クレアチニン以前の3mg/dL台から5mg/dLに上昇していた。通常の慢性透析導入は、廃用症候群の寝たきり状態では適応にならない、という問題がある。
摂食もできず、経管栄養が行われている。どこまで治療するか、家族と相談になるようだ。
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