2月13日(木)内科の若い先生が、その日呼吸器外来に来ていた先生(大学病院から)に肺炎の患者さんの相談をしていた。
ふだんは高血圧症・気管支喘息で当院の内科外来(別の先生担当)に通院している。年齢はそれほどではないが、知的障害でグループホームに入所している。
1月30日に発熱と上気道症状が出現した。翌31日に当院の発熱外来を受診して、インフルエンザ・新型コロナの迅速検査は陰性だった。アセトアミノフェンが処方された。
発熱が続いて、2月4日に内科外来を受診した。5日以上続いているので、胸部X線を撮影していた。両側下肺野に浸潤影を認めて、肺炎と診断された。血液検査はしていなかった。抗菌薬はセフェム系第3世代(CFPN-PI)が処方された。
解熱して咳も軽快したが、食欲不振・手足のむくみ・腰痛が1週間続くとして、2月12日に内科外来を受診した。胸部X線で前回より陰影の軽減を認めた。両側肺野に陰影が散布しているので、胸部CTでも確認していた。
血液検査では白血球10100・CRP11.7と炎症反応が中等度に症状していた。その日は抗菌薬投与は控えて、翌13日に相談することにしたようだ。
相談すると、「セフェム系第3世代内服薬が効くとも思えない、器質化肺炎の自然経過の可能性がある」ということだった。「経過をみて軽快しない時はステロイド投与はどうか」ともいわれた。
ただ経過は上気道炎症状で発症してその後に肺炎になったとすると、通常の二次性細菌性肺炎というのが典型的だ。セフェム系第3世代は細菌性肺炎の治療として適切ではないが(推奨はAMPCまたはAMPC+AMPC/CVA)、効かないこともないか。
(外来で診た2名の医師と入院で診ている医師は全部別の先生方)