なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

いつもの誤嚥性肺炎、皮膚科からの電話

2013年08月09日 | Weblog

 内科クリニックから91歳女性が紹介されて救急搬入された。なんとか経口摂取していたが、昨日から発熱があり食べられなくなっていた。往診して点滴をしたそうだが、その時の血液検査でCRPが20あり、肺炎疑いで紹介となった。胸部X線・CTで右肺に浸潤影が広がり、胸水もあった。左肺にも軽度に浸潤影がある。誤嚥性肺炎の診断で入院した。

 珍しく基幹病院の皮膚科医から電話が来た。薬疹で入院治療している90歳女性の転院を依頼したいという。症状は軽快して、プレドニンを漸減して現在25mg/日内服している。もともと施設に入所していたが、その施設の嘱託医はプレドニン2.5mg/日以下にならないと引き受けないと言っているという。よくは知らないがあまり臨床経験のない医師らしい。5mg/週で漸減するとして、まだまだかかる。基幹病院はベット事情が厳しいので、一刻も早く退院させたい。経口摂取はできているというが、胆嚢癌も見つかっていて、肺炎をきたすとプレドニンの量からみて相当難治になりそうだ。何事もなく、プレドニンを漸減して退院できればよいが、順調に経過するかどうか何とも言えない。入院中に起こりうることについて家族に説明していただいて、了解してもらって当院で引き受けることにした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

27歳女性の高熱

2013年08月08日 | Weblog

 27歳の女性が高熱と倦怠感で受診した。3日前に微熱があり、内科クリニックを受診して感冒薬のような処方を受けたという。次の日には40℃の高熱で夜間診療所を受診したが、前日の処方があるので、そのまあ経過をみるようにいわれた。高熱が続いて身の置き所がないと今日当院を受診した。

 白血球数は正常域で貧血・血小板減少はない。異型リンパ球9%だった、CRPは1.9で細菌感染症らしくない。AST・ALTが100ちょっとに上昇していた。最初咽喉の違和感があったというが、今はない。咽頭の発赤はあまりない。後頸部リンパ節が小指頭大から示指頭大に複数触知できた。胸部X線で肺炎はない。胸腹部CTまでとったが、肺炎はなかった。肝脾腫があった。咽頭所見に乏しいが伝染性単球症のようではある。年齢的にはEBウイルスだろうか。心電図は正常で、CTで診ても心拡大・心嚢液貯留はなく、ウイルス性心筋炎ではなさそうだ。髄膜炎の所見はなかった。末梢血所見からは脱水症になっている。入院して点滴を何本かするだけでも楽になると思われた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お盆前に帰るか、お盆の後に帰るか

2013年08月07日 | Weblog

 この時期の入院患者さんでは、お盆前に退院できるかどうかが問題となる。認知症の患者さんの場合などは、家族からお盆の間は入院させておいてほしいと希望されることもある。

 癌の緩和ケア中の高齢者が6人入院している。いずれも高齢者だ。肺癌の男性は食事ととれるようになって、いったん入所していた施設にもどることになった。また日中息子夫婦がいない膵癌の男性は、ステロイドで食事摂取良好となったが、いったん帰れるかどうかは家族の意向しだいだ。一人暮らしの肺癌の女性は帰りようがないのでそのまま入院継続になる。肺癌の男性も身寄りが甥しかなく、状態が良くても入院継続になる。肺癌の女性は認知症があって、食欲があっても華族が受け入れたがらない。肝細胞癌の男性はやはり最期までお願いしますということで、退院はない。

 肺炎で入院している高齢者は、認知症のない患者さんはできればお盆前に帰りたいと希望することが多い。認知症があると、家族がお盆の間は病院に置いてほしいと言われる。

 公立病院なので、病院自体のお盆休みはないが、医師・看護師が交代で休みをとるため、体制は手薄になる。内科系医師8名のうち、3名しかいない日も出てきてしまう。自分はなるべくこの時期には休まないようにしているが、母親の新盆でお寺の住職が実家に来る日は休ませてもらうしかない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

90歳の貧血

2013年08月06日 | Weblog

 内科医院から貧血で90歳女性が紹介されてきた。ご本人は認知症もなく、身の回りのことはちゃんとできて、デイサービスに週1回行くのを楽しみにしている。貧血は正球性で鉄材に反応しないという。白血球数・分画と血小板数は正常だった。骨髄異形成症候群なのかもしれないが、骨髄検査もためらわれた。Hbは8.2g/dlだった。貧血のためもあるのか、心拡大・胸水が軽度にあり、両側下腿に浮腫がある。BNPも500だった。ただし、労作時の息切は自覚していない。貧血は経過をみることにして、心エコー検査の予約と利尿剤少量(ダイアート30mg)の処方をした。心雑音はなく、不整脈もなかった。貧血の影響もあるのだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

汚い喀痰ー肺炎で入院

2013年08月05日 | Weblog

 一昨日の当直の時に救急搬入された79歳女性は右肺に浸潤影を認め、肺炎の診断で入院した。肥満があって、全体にでっぷりとしたおばあさんだ。両膝が悪く(変形性膝関節症)、室内をかっと歩く程度だった。高熱で動けなくなったと家族が救急要請した。なにしろ体が重く、動かそうとすると3人がかりになる。発熱でぼんやりしていたので認知症があるのかと思ったが、熱が下がってくるとふつうに会話ができて、入院後の不穏もなかった。外来で喀痰培養を提出したが、黄土色というのか褐色というのか、どろどろした痰が出た。誤嚥性の可能性もあり、嫌気性菌の関与していそうな気がして、ユナシンで治療を開始した。喀痰培養から黄色ブドウ球菌とインフルエンザ菌が検出された。ブドウ球菌(MSSA)は起炎菌として疑問だ。肺炎球菌ワクチンを受けていて、インフルエンザ菌が起炎菌というのは合う。ペニシリンに感受性があった。臨床的にも解熱傾向で反応も良くなってきたので、ユナシンで継続とした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

慢性閉塞性肺疾患の急性増悪

2013年08月04日 | Weblog

 昨夜は当直だった。慢性閉塞性肺疾患で地元の病院に通院している69歳男性が呼吸困難が続いて、救急要請した。呼吸器科のある基幹病院は脳梗塞の救急が入って受け入れできないということで、当院に搬入依頼がきた。高炭酸ガス血症があると呼吸管理が大変だなあと思いながら、診て手におえなければ搬送する方針で引き受けることにした。幸い高炭酸ガス血症はなく、酸素吸入3L.分で酸素飽和度は91~92%になった。5日前に2日間微熱があったという話で、感染症による増悪と思われた。胸部X線・CTでは久しぶりに見る著名な気腫性変化があり、かろうじて正常肺が残っていた。よくこれで酸素吸入なしで過ごしていたものだと思った。明らかな肺炎の浸潤影はしてきできないが、白血球増加があり、抗菌薬を投与して経過をみることにした。在宅酸素に導入することになりそうだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脳塞栓

2013年08月02日 | Weblog

 80歳男性が右上肢の脱力(主に右手第4・5指の脱力)で昨日救急外来を受診した。頭部MRIで左中大脳動脈領域に複数の梗塞巣を認めた。心電図では正常洞調律で心房細動ではなかった。発作性心房細動だったのだろうか。一昨年腹部大動脈瘤でY字グラフト手術を受けている。その時に術前検査として循環器科で心臓カテーテル検査まで行われたが、特に問題はなかった。神経内科医と相談したが、脳塞栓で腎機能障害があると、カタクロットやラジカットが使用できない。治療薬として何を使うか難しい。まず頭部MRI再検で出血性梗塞がおきていないかどうか見ることになった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

胃瘻はけっこうです

2013年08月01日 | Weblog

 一昨日施設に入所していた87歳男性が両側肺炎で入院した。呑み込みが悪くなっていて、胃瘻の話も出ていたそうだ。入院時に旅行に行っていた娘が今日病院に来た。解熱しているので、肺炎は治ってきていると判断されること(胸部X線再検は明日)をお話しした。経口摂取できるかどうか、嚥下食で確認してみるが、嚥下障害で経口摂取できない時の希望を聞いた。子供たちで話し合った結果、胃瘻造設は希望しないことになったと言われた。明日の検査結果をみて、ぜりー食で県下を確認する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする