なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

週末入院患者さんの経過

2013年08月19日 | Weblog

 肺炎・喘息の88歳女性は喘鳴が治まらず、デカドロンを追加投与した。ステロイドが入ると解熱してしまうので、肺炎自体がどうなのか判断できない。明日胸部X線と血液検査を予定した。喘鳴が治まるまで長くかかりそうだ。以前から喘息の症状があって、風邪の時はゼーゼーしていたという。それにしてもこれまで喘息の治療を定期的に受けずに88歳まできたというのも逆にすごいのかもしれないが。

  顔面丹毒の88歳男性は入院後に解熱して元気になって食欲も良好だった。入院時には食べれれないと言っていたので、500mlの点滴を2本入れていたが、明日からは抗菌薬(セファメジン)のみとした。顔面の発赤も軽減してきた。

 虫垂炎疑いで外科のお願いした18歳女性は、便培養でカンピロバクターが検出された。入院後は解熱して症状も軽快していた。もともと下痢気味で、入院前も排便回数は増加していたが、1回1回の排便量が少ないので、下痢としていいかどうかと思った。右下腹部に限局した圧痛・叩打痛があったので、虫垂炎を疑った(2年前にやはり虫垂炎疑いで入院)。、結果的には腸炎で、まったく外科ではなかった。大変失礼しました。

 緩和ケア中の膵癌の男性が発熱した。午前中は平熱だったが、倦怠感を訴えてはいた。胆道感染を起こしたと思われ、抗菌薬投与を開始した。

 低ナトリウム血症110mEq/Lの78歳女性は血清ナトリウム122まで改善していた。嘔気が治まり、食事もとれるようになった。開腹のスピードもちょうどよい。ところが、不穏が目立ち始めた。ナトリウムだけの問題ではないようだ。今日は認知症のテストは無理だが、少し落ち着いたら長谷川式を行ってみよう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

右肩痛で発症した肺炎

2013年08月18日 | Weblog

 昨日の土曜日は日直だったが、8時半に救急外来に行くと金曜日当直の先生(外部からの応援医師)が朝7時に受診した41歳の女性の検査を見ていた。患者さんは、午前0時ごろ右肩痛で目が覚めたそうだ。「なんでしょうねえ」と言っていたが、そので交代した。胸部X線で右下肺に浸潤影がある。胸部CTで確認すると、胸膜にかかっているようだ。それで右肩が痛くなったのだろうか。右肩自体は運動制限もなく、圧痛もない。不思議なのは、右肩痛が軽快していることだ。白血球増加はあるが、CRPはほとんど正常域で、炎症の初期像を呈していた。低酸素血症もなく、外来治療可能だ。患者さんも子供がいるので、入院したくないという。セフトリアキソン1gを点滴して、クラビット内服で4日後に受診とした。

 18歳女性の急性虫垂炎疑いと77歳女性の乳癌・骨転移・腰痛は外科の当番の先生にお願いした。早期胃癌のESD治療を受けて2日前に退院した79歳女性が新鮮血吐血で受診した。ESDを行った消化器科医に連絡した。緊急内視鏡でESDをした部位(粘膜下組織)から出血していた。HSEやエタノール、さらにクリップで止血処置をしていたが、じわじわした出血が続いて気持ち悪いものだった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日は日直

2013年08月17日 | Weblog

 今日は日直をしていたが、予想通り、いつもの土曜日よりも受診患者数は多かった。内科で入院したのは、88歳男性の顔面の丹毒。40℃の高熱で両耳まで発赤が広がっていた。血液培養を2セット提出して、セファメジンで治療を開始した。88歳にしてはふだんは相当元気な人らしい。

 88歳女性が内科クリニックから肺炎・喘息で紹介されてきた。電話してきたのは、そこのクリニックに週1回アルバイトで来ている先生だった。右肺に浸潤影を認めるが、範囲は広くない。ふだん喘鳴はなく(あるいは軽度なので気にしてなかったかも)、今回肺炎になってかららしい。セフトリアキソンとデカドロンで治療を開始した。認知症でアリセプトを内服しているので、夜間の不穏が心配だ。

 1か月前から認知症様の症状で精神科クリニックに通院し始めたという78歳女性が、動悸・めまい・嘔吐で救急搬入された。頭部CTは異常なしで、脳血管障害はなく、脳萎縮は年齢相当でひどくはなかった。感染症も否定的だった。ところが、血清Na110と著名な低ナトリウム血症だった。生食の点滴でゆっくりと補正を開始した。循環器科の処方にARBと利尿剤の合剤があるので、利尿剤は中止した。Naが補正されれば、認知症と思われた症状が軽減するかもしれない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

緩和ケア中の不穏

2013年08月16日 | Weblog

 肺癌・癌性胸膜炎・多発性肝転移の95歳男性が入院して緩和ケアを受けている。オキシコンチン10mg/日で開始したが、レスキューのオキノーム2.5mgを頻回に使うため、20mg/日にした。疼痛は治まったが、不穏が目立つようになった。オキシコンチンを15mg/日に減量するのも考慮したが、夜間にセロクエルを使って経過をみることにした。

 昨日受診した20歳の急性化膿性扁桃炎の女性は、解熱していた。食欲がまだ出ないという。今日も外来で点滴をして、セフトリアキソン1gも使うことにした。あとは来週月曜日にみて抗菌薬を追加すれば軽快治癒するだろう。

 EBウイルス感染が疑われる27歳女性は、一昨日からプレドニン20mg/日を使って、今日は肝機能が改善してきた。食欲も出てきたので、この治療で継続することにした。保険で切られてしまうが、EBVのマーカーを再度提出した。

 先々週当直した時の当直明半日休みが残っているので、今日は午後休むことにした(当直明けの半日休みの期限は2週間以内)。手続きに必要な住民票を取りに区役所に行って来ることにした。明日土曜日は日直で病院に来る。そろそろ開業医の先生方もお盆休みが終わるころだが、半分くらいはまだ休んでいるので、外来受診数は多いかもしれない。

 将棋の近藤正和六段が新著「ごきげん中飛車で行こう」を出したので、アマゾンで購入した。昨日から棋譜を並べて(パソコンの画面上で)楽しんでいる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

また肺癌の緩和ケア、20歳女性の急性扁桃炎

2013年08月15日 | Weblog

 76歳男性が昨日内科外来に食欲不振・倦怠感で受診した。担当は大学の応援医師だった。高血圧症で内科クリニックに通院していて、食欲がないので外来で点滴を数日受けていたそうだ。昨日はそのクリニックがお盆休みのため、当院を受診した。今日も受診したが、がんセンター呼吸器科に紹介されて右肺癌(胸水・縦隔リンパ節転移もあった)と診断された。手術はできず、心房細動・大動脈弁閉鎖不全・心不全もあり、抗がん剤治療も勧めないと言われたそうだ。今日胸部CTをとると、5cmくらいの右肺癌がドンと描出されて、胸水貯留も右肺半分に及んでいた。きっと骨転移もあるのだろう。奥さんに検査結果を説明して、入院するかどうか聞くと、入院させてほしいという。

 この方は10年前から前立腺癌の治療もがんセンターの泌尿器科で受けていた。これも最近進行していると言われていたそうだ。驚いたのは13年前に食道癌の手術を受けていて、年数からいえば治癒していることだ。子供たちは「何回も死ぬような病気をもっている」と言っているいるそうだ。患者さんも通って点滴するのもつらいので、入院に同意した。糖尿病もあって、血糖コントロールが悪いので、ステドイドを使いうのはむずかしい。

 20歳女性が咽頭痛と発熱で受診した。左扁桃の発赤・腫脹と白苔付着と認めた。前頸部リンパ節も腫脹していた。溶連菌とアデノウイルスの迅速検査はいずれも陰性だったが、化膿性扁桃炎でいいようだ。今日の午後は耳鼻科外来(大学病院から応援)があったので、診察を依頼した。扁桃周囲膿瘍はなく、セフトリアキソンの点滴とサワシリンの内服が処方された。明日は耳鼻科がないので、症状が続くときはまた外来で点滴するか。短期入院にすることにした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

肺癌の緩和ケア

2013年08月14日 | Weblog

 肺癌・癌性胸膜炎・肝転移の95歳男性が入院している。オキシコンチンの内服を開始して入院時に訴えていた左胸痛は軽快した。その後下腹部痛を訴えている。便秘のためとも思ったが、排便が良くなっても訴えている。オキノームのレスキューで良くならない。年齢の割に認知症もなく、しっかりしている方だった。心因性も考えられるが、よくわからない。皮疹はないが体のかゆみもあり、不眠(熟睡感がない)もあるようだ。病棟の看護師さんによると、死んだ方がましということもあるそうだ。アタラックスPとサインバルタを追加してみることにした。

 70歳台後半の女性も肺癌による癌性胸膜炎・癌性心膜炎で入院している。内服薬の追加を嫌がり、鎮痛剤としてはNSAID(ロキソニン)のみの処方(タケプロン併用)になっていた。オキシコンチン7を開始すると痛みがとれて喜んでいた。胸水・心嚢液貯留が増加しないように、デカドロンの処方も開始した。大量の胸水・心嚢液貯留で緊急入院した専門病院で胸膜癒着術と心嚢穿刺の処置を受けて、肺癌ステージⅣと説明されていたが、自分ではすっかり治ったと思い混んでいるらしい。家族、といっても夫は死亡していて子供がいないので姉妹二人だが、病名は告知されているが、予後に関してははっきり言わないでという希望だった。胸水・心嚢液貯留があり、治療していることを何度か話したが、自分なりの解釈をしてしまう。この方にもサインバルタを追加してみた。

 急性肝炎様の経過になった27歳女性の肝機能は、一昨日と変わらなかった。凝固検査は正常域にある。基幹病院消化器科の肝臓専門医に電話で相談した。今のところ、凝固検査は正常域であり、劇症肝炎ではないので、プレドニン中等量を1週間使用して経過をみることになった。EBウイルス感染を考えているが、EBVのIgM・IgG・EBNAが全部プラスマイナスという結果だった。もう1回IgM提出すれば、はっきりと上昇しているのだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岩田先生のDVD

2013年08月13日 | Weblog

 今日は夏休みをとった。母親の新盆になり、住職が実家に来てお経を上げていった。次々に檀家を回るので所要時間は7分くらい。両親が亡くなって実家は無人となって、ふだんは妹が管理してる。

 岩田健太郎先生の新しいケアネットのDVDが出たので、アマゾンで購入。生岩田を見たのは、化学療法学会の講演と内科学会のセミナーで2回ある。直接講義を受けることはまずないので、DVDを繰り返して見るしかない。新書も出たのでさっそく購入。岩田先生に2~3周遅れでついていこう。    

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

急性肝炎の経過となった

2013年08月12日 | Weblog

 発熱で入院した27歳女性はAST100ちょっとの肝機能障害があった。異型リンパ球が22%あって伝染性単核球症と思われた。入院後はしだいに解熱してきたが、今朝から倦怠感・食欲不振がひどくなり、検査値ではAST・ALTが500・700と上昇していた。黄疸はない。他の疾患が合併したとは考えにくく、こういう経過なのだろう。感冒様症状が先行して、急性肝炎として発症したところをみているようだ。点滴を継続してSNMC静注とウルソ内服を使用して軽快をみることにした。PTを含めて肝機能を頻回にチェックしていく。トランスアミナーゼが改善しない時は基幹病院の肝臓専門医に相談することにして、両親にも方針を説明した。順調に経過してくれればいいが、下がらないことには何とも言えない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プライマリケアの精神医学

2013年08月11日 | Weblog

 「プライマリケアの精神医学」を購入した。著者は井原裕先生。最初の不眠の症例から興味深いというか、すぐに診療に役立つ。内科医としては、精神科の先生を知っている方だと思うが、井原先生のことは知らなかった。もっとも一般向けの本を出していないと、気づきようもないが。

 この本のなかに、お勧めの精神医学書が何冊か書いてあった。西丸四方先生、野村総一郎先生の本は持っている。中井久夫先生の本は知らなかったので、さっそく購入した。医師会の講演会で井原先生を読んでもらえるかどうか、医師会長に会ったら聞いてみよう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夜から発熱・低酸素ー高齢者の誤嚥性肺炎

2013年08月10日 | Weblog

 腹部症状で入院していた92歳男性は、食事がとれるようになったが、認知症の周辺症状としても暴言・不穏がひどく、家族が入院継を希望した。できれば病院から施設入所にもっていきたいという。患者さんはやせて骨と皮のようになっていて、嚥下障害で常に痰を出している。もう少し元気な時は、何か言われると「老人虐待だ」と何度も交番に行っていたという。物忘れ外来がある脳神経の専門病院を受診して、抑肝散を処方されていたが、どちらかというと精神科を受診すべきだったのだろう。

 時々聞き取りにくい声で叫んだりしていたが、全身状態はかなり弱ってきていた。介護保険の申請もしていなかったので、さっそく申請してもらって、施設入所申し込みの予定とした。ただし、入院している間に病状が悪化して、そのまま亡くなってしまうこともあると家族に伝えていた。昨日夜間から発熱がありl酸素飽和度が低下した。誤嚥性肺炎を起こしたようだ。酸素吸入と抗菌薬点滴静脈注を開始した。今日は解熱していたが、呼びかけても反応が悪い。肺炎が進行して、ここで終わってしまう可能性が大きい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする