なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

CO2ナルコーシス

2021年10月11日 | Weblog

 日曜日は日直だった。午後5時前後に90歳代の女性が発熱で受診して、それぞれ肺炎・心不全で入院になったので、午後7時過ぎまでかかった。

 金曜日に入院した患者さんを診に、昼前に病棟に行った。別の内科医が担当している85歳男性のことで看護師さんから相談された。

 

 10月2日に救急搬入されて入院していた。慢性閉塞性肺疾患(COPD)があり、現在も喫煙していた。左肺炎で入院となったが、入院後から意識が低下してきた。頭部MRIで新規のラクナ梗塞が検出されたが、それでは説明できないとされていた。

 モニターを見ると、酸素投与3L/分で酸素飽和度100%となっていた。飽和度が良すぎるので、血液ガスを検査することにした。ナースプラクティショナーがいるので、採血してもらった。

 PO2 215.0・PCO2 59.1・pH7.440・HCO3 39.4と呼吸性アシドーシスを代謝性に代償していた。胸部X線を確認すると肺陰影が改善していた。

 入院時は、PO2 127.0・PCO2 41.9・pH7.426・HCO3 27.1とCO2は正常域だった。すでに酸素吸入は開始されていたが、その後肺炎の改善とともに酸素量が多すぎる結果となり、CO2ナルコーシスに向かったようだ。

 酸素量を2L/分、1L/分と下げて、中止しても酸素飽和度が94~95%と保っていたので、そのまま中止とした。1時間半くらい後に、血液ガスを再検した。PO2 63.0・PCO2 58.0・pH7.440・HCO3 39.0、とまだCO2はさほどの変化はなかった。

 それでも呼びかけると開眼している。口を動かそうとするが、発語はなかった。酸素中止として、飽和度が低下する時は酸素を0.25L単位で使用して、飽和度が94%と越えないこととした。

 今日は呼びかけなくても開眼していた。入院時にPCO2 が上昇していなくても、酸素投与で上昇するCOPDの患者さんがいて、再検しないとわからないことがある。

 

 先週看護部長から、当院にはナースプラクティショナーが2名いるといわれた。指導した先生たち(外科医と皮膚科医)は知っているが、他の医師は知らなかった。そういえば、数年前にその研修に出すという話があったのを思い出した。

 

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血液培養がほしい

2021年10月10日 | Weblog

 水曜日の朝に病院に来ると、入院患者さんがCT検査を終えて、病棟に戻るところだった。脳梗塞後遺症でリハビリ病棟に入院(神経内科)している84歳男性で、前日から高熱が出ていた。

 後でどうしたのかと画面で確認してみた。火曜日に急に高熱が出ていた。血圧・酸素飽和度などバイタルには問題がない(頻脈傾向はある)。血液検査では、白血球6600・CRP4.7とさほどではない(発熱当日のせいだろう)。

 何故かセファゾリンで開始していたが、翌日も高熱でメロペネムに変更していた。尿所見は異常がなく、胸腹部CTでは肺炎などの異常を認めなかった。

 そして木曜日からはめでたく解熱していた。金曜日の血液検査では、白血球6300・CRP11.7と炎症反応が上昇しているが、これは発症からの日数の問題だろう(CRPは3日後に上がる)。

 明らかに抗菌薬に反応しているので、細菌感染症なのだろうと思うが、炎症巣は不明だった。中心静脈カテーテルや尿カテーテルは入っていない。このまま抗菌薬を週明けまで継続して中止になるのだろう。

 

 院内発症の高熱なので、本来は血液培養2セットを提出してもらうといい。(尿検査も尿培養込みで提出してほしい)

 AST(抗菌薬適正使用チーム)をやっているが、最近院内の血液培養検査が減少している。救急搬入も入院も(スタッフも)減っているので、仕方がない事情はある。

 それでも血液培養の件数が病院にレベルに一致するといわれているので、それなりの数は確保しておきたい。昨年度は内科に若い先生方が2名いたので、血液培養をかなり提出していた。

 

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頸部・顎下リンパ節腫脹

2021年10月09日 | Weblog

 9月30日に内科医院から高熱・頸部リンパ節腫脹の35歳女性が紹介されてきた。その日の昼食時に、別の内科医からこれから紹介されてくる、という話を聞いた。

 当方は当直明けで午後から帰ることになっていた。咽頭痛もあるというので、急性扁桃炎かと思った。今週になって、その後どうなったかと画面で確認すると、発熱が続いていた。

 9月25日から39℃の高熱と頸部リンパ節腫脹があった。内科医院では新型コロナの検査を提出して、「扁桃に炎症がある」ということで経口抗菌薬(シタフロキサシン)が処方された。

 9月29日に再受診している。コロナの検査(PCR)は陰性だった。血液検査で白血球10600・CRP5.61と炎症の上昇を認めた。

 9月30日に当院入院となった。咽頭には化膿性扁桃炎とするほどの所見はなかった。呼吸器症状・腹部症状はなく、胸腹部CTは異常を認めなかった。白血球15000・CRP12.2とさらに上昇していた。

 抗菌薬の点滴静注(ピペラシリン/タゾバクタム)が開始された。(培養は提出していない)発熱はアセトアミノフェンが投与されるので、上がったり下がったりだが続いていた。

 ただ炎症反応は、10月4日白血球9000・CRP6.3、10月7日白血球8200・CRP4.4と抗菌薬が効いたような経過に示していた。入院後は食事摂取も良好になっていた。

 伝染性単核球症も疑ってウイルスマーカーを提出していたが、EBウイルス・サイトメガロウイルスとも既感染だった。異形リンパ球は認めず、肝機能障害もなかった。

 頸部エコー検査で、両側のリンパ節が腫脹していたが、耳下腺や甲状腺の腫脹はなかった。頸部・顎下リンパ節は最大30mm×15mmで5~6個認める。

 耳鼻咽喉科医に紹介して、壊死性リンパ節炎疑いとされて、週明けに頸部造影CTが予定された。結核性など鑑別を上げていた。しかし幸いにというか、耳鼻鼻咽喉科へ紹介した日から、明らかに解熱していた。

 約2週間高熱・頸部リンパ節腫脹が続いて、解熱して炎症反応軽快が軽快したという経過になる。抗菌薬投与に一致しているというよりは自然経過のようにみえる。壊死性リンパ節炎は確定診断に生検を要するが、この経過だと不要のようだ。

 

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慢性閉塞性肺疾患

2021年10月08日 | Weblog

 水曜日に呼吸器外来を診ていた先生(大学病院からバイト)から、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の82歳男性の入院を依頼された。

 もともと別の先生の呼吸器外来に長年通院していた(3月で終了)。数年前から在宅酸素療法(HOT)が導入されている。

 昨年には病状悪化時はDNARの方針としていて、書類も作成されていた。COPDだとDNARの線引きが難しい。NPPVまでは行うが、気管挿管まではしないという方針になることもある。この患者さんは、NPPV自体もしないのかはわからない(多分そこまで考えていなかったと思う)。

 

 数か月前から寝たきり状態になっていた。奥さんと二人暮らしで、お子さんは2人いるが他県在住だった。奥さんの介護が難しくなったのもあるが、食事摂取が低下して入院を希望していた。

 今年になってあまり画像検査をしていなかったので、胸部CTで撮影した。気腫性変化が進行して、すかすかも肺組織が描出された。肺炎を示唆する浸潤影はなかった。血液検査で炎症反応も陰性だった。

 

 外来でも出されていた栄養剤(エンシュアリキッド)を継続して、まずは末梢の点滴で経過をみることにした。

 在宅酸素療法は酸素3L/分になっていた。血液ガスは一昨年の11月が最終検査で、PO2 48.0・PCO2 36.4・pH7.500は室内気のデータだろう。

 その日は、酸素3L/分でPO2 280・PCO2 63.7・pH7.385だった。酸素量を2L/分から1L/分に漸減しても、酸素飽和度が90%前半は保つ。酸素量上昇で高二酸化炭素血症になるので、若干低めの方がいいようだ。

 筋力低下していて、座位保持も難しい。衰弱していて、入院しても食事摂取が進むかどうかはわからない。

 

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慢性アルコール性膵炎

2021年10月07日 | Weblog

 火曜日に骨髄穿刺をした83歳男性は今日退院になった。検体を採取して外注検査(SRL)に提出するので、結果が出るまで2週間くらいかかるはずだ。

 これまでの診療を振り返ると、糖尿病で2006年から当院に通院していた。当時の内科副院長が1年くらい診て、外来数が多いので当方の外来に回してきていた。初診時から混合型インスリンの朝夕打ちになっていたので、他院からの紹介だったようだ。

 途中から認知症の症状が出始めて、血糖コントロールは悪化した。一人暮らしで頼める人はいない。インスリン注射の打ち方が正確に行われていないようだった。

 教育入院にすると血糖コントロールが良くなったが、退院するとまた悪化するのを繰り返していた。その後施設に入所すると、自己血糖測定(SMBG)もインスリン注射も施設職員が行うので、良好なコントロールとなった。

 

 若いことから大量飲酒があり、自称の飲酒量は焼酎5合/日だった。日本酒は飲まず、ビールやウイスキーは飲むこともあるというので、正確な量なのかもしれない。

 腹部CTで膵全体、特に膵頭部と尾部に石灰化がある。膵臓自体は萎縮していた。つまり、慢性アルコール性石灰化膵炎で、膵性糖尿病ということになる。

 

 インスリン強化療法にしていたこともあるが、空腹時血糖が高くないので、超速効型インスリン毎食時になっている。2914年の血中Cペプチドは0.35ng/mlと枯渇していた。

 慢性膵炎があると、インスリンも低下しているが、グルカゴンも低下しているので低血糖に弱い。夜間低血糖が危惧されるので、可能ならば夜間にインスリンが入らない方がいい。

 

 慢性アルコール性膵炎・膵性糖尿病の患者さんは数は少ないはずだが、若い時からかかわってきた。特に飲酒をやめていない患者さん、膵炎発作を繰り返して断続的な腹痛を来す患者さんは、他院で出入り禁止扱いになっていたりする。

 最近は新規の患者さんは診なくなった。昔のようなアルコール多飲は減少しているのだろう。

 

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COVID-19の後遺症

2021年10月06日 | Weblog

 9月半ばまでCOVID-19で入院していた43歳男性が、倦怠感・呼吸困難感で受診した。

 受診時に37.3℃の微熱があり、発熱外来扱いになった。発熱外来は新型コロナの抗原定性検査(またはPCR検査)をすることろかた始まる。この場合どうかとは思ったが、型通りに行ったが、陰性だった。

 退院後は、隔離された病室から解放されたこともあり、調子がよかったそうだ。その後、倦怠感と呼吸困難感が気になるようになった。

 もともと気管支喘息がある。吸入ステロイド(ICS/LABA)を使用しているか訊くと、ちゃんと使っているという。呼吸困難は特に夜間~朝方に出現するというわけではなく、喘鳴もない。酸素飽和度は98%(室内気)だった。

 ずっと一日中呼吸困難を感じているわけではなく、感じる時と感じないときがある。呼吸困難感、なのだった。画像検査と血液検査を行った。

 

 白血球7500・CRP0.9とわずかだが上がっていた。入院時は白血球7300・CRP0.8で、3日後の再検で白血球6500・CRP0.4と推移していた。

 入院時はDダイマー0.8・血清フェリチン1502・LDH262だった。上昇していた血清フェリチンは3日後に1264と低下して始めていた。解熱していたので、その後は検査を入れていなかった。

 今日は、Dダイマー0.9・血清フェリチン731・LDH201だった。重症化指標として明らかに上昇しているとはいえない。むしろ低下しているが、まだフェチチンが高いのが、意外だった。

 入院時の胸部CTでわずかにすりガラス陰影があったが、入院中は再検していない。今日は右中葉にすりガラス陰影が少しあって、ちょっと驚いた。

 入院後に陰影が増加していて、それが軽快してきた可能性も考えたが、通常は線状の硬い陰影になるはずなので、新規に出現した陰影なのだろうか。

 肺炎の外来治療に準じて抗菌薬内服で1週間経過をみることにした。

 

 新型コロナで注目される単球だが、入院時は15.0%と上昇していて、3日後は11.5%に低下していた。今日は8.7%でまだ若干高い。

 発症は9月5日だったので、1か月経過している。県内の病院で新型コロナの後遺症を診る病院があるか、先週保健所に訊いてみたが、それはないそうだ。

 

 

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骨髄穿刺~多発性骨髄腫

2021年10月05日 | Weblog

 肺炎・心不全で入院した83歳男性(9月24日記載)のその後。

 高γグロブリン血症で提出していた血清免疫電気泳動は、IgMλ型M蛋白陽性という結果だった。多発性骨髄腫(疑い)として血液内科紹介となるが、当院から一番近いのはがんセンターだった。

 血液内科に紹介して、精査治療するかどうか決めてもらうことになる。しかしこの患者さんは、認知症で移動は車いすというADLだった。尿閉で尿カテーテルが留置されていて、糖尿病のインスリン注射は施設でしてもらっている。

 精査治療は難しいのではないか。特に症状があって、困っているわけではない。紹介してもそのまま経過をみてください、といわれそうだ。骨髄腫の治療は進歩しているが、再診の治療は高額で、外来通院でしかできないようだ。

 この患者さん(独身)のキーパーソンである妹さんに結果を伝えた。紹介は希望しなかった。病院の治療費や施設の費用は全部私が支払っています、という。これ以上費用(と手間)がかかることはしてほしくないのだった。

 今回の肺炎・心不全は治っているので、明後日退院(施設に戻る)が決まっている。診断確定のため、当院で骨髄穿刺を行うことにした。骨髄像は診られないので外注になる。

 昨年は内科専攻医の若い先生に2回やってもらったが、当方はしばらくしていない。多分数年ぶりの骨髄穿刺だった。

 貧血は輸血をするほどではない。免疫不全なので、誤嚥も加わって肺炎になりやすい・治りにくいことにはなるか。外来で結果を見るが、経過観察するしかないようだ。古典的な治療なら安価な治療もあるにはあるが。

 

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さまざまの低下症~レックリングハウゼン病

2021年10月04日 | Weblog

 レックリングハウゼン病(神経線維腫症)の74歳は、食欲不振・全身倦怠感で9月10日に救急搬入された。

 血糖24mg/dlと低血糖を呈していたが、普通に会話はできた。グルコース入りの点滴に切り替えて(救急外来ではグルコースなしの乳酸リンゲル、当院はソルラクト500ml、で開始している)、50%グルコースを静注した。

 炎症反応が上昇していて、発熱もあった。肺炎・尿路感染症は否定的で、神経線維腫が密集してる背部の皮膚軟部組織感染症と判断された。以前から皮膚科で関わっていたが、今回は内科入院として、皮膚科は往診で診察・処置に当たってもらった。

 昨年に介護保険を受けるために、頭部CTを行うと脳委縮はあったが、長谷川式は失礼ながら意外にも20点を越えていた。

 

 入院後もグルコース入りの点滴(5%)を継続していたが、血糖は60~70mg/dl台と低い。食事摂取はまったく進まなかった。

 嘔気も腹痛もないが、だるいという。ただこの患者さんは10年以上前から、奥さんの話ではまったくやる気がない人で、雰囲気は病気というよりは性格の問題と判断したくなるものだった。

 血中Cペプチドは低値で、HbA1cも正常域を少し下回っている。もうずっと以前から低血糖傾向で経過していたのだった。

 

 しだいに低蛋白血症が進行して、貧血も進行した。消化管出血はなく、MCVは100以上だった。血清鉄低値・血清フェリチン高値で慢性炎症パターンだった。

 ビタミンB12 は正常域で、血清葉酸が低下していた。前立腺癌の治療を泌尿器科で受けていて、関係があるのかもしれない。血清からみて前立腺癌はコントロールされている。

 2日間輸血をして、葉酸の補充で経過をみることにした。骨髄検査も必要な時はすることにした。高カロリー輸液も開始した。

 

 内分泌の問題を疑って、甲状腺ホルモンと副腎ホルモンを検査した。甲状腺ホルモンは、FT3・FT4が低下して、TSHは正常域だった。血清コルチゾールは正常下限値で、ACTHは正常域だった。

 甲状腺ホルモンの補充を副腎皮質ホルモンの補充の前に行うのはまずいが、間違いなく少ない甲状腺ホルモンを少量(25μg/日)で開始した。

 副腎皮質ホルモンを再検すると、正常域を下回った。これでは甲状腺ホルモンを増量できないので、副腎皮質ホルモンの補充も少量から開始した。

 すると、食事摂取が進んで、寝っぱなしだったのが、ベット上で少し起き上がるようになっていた。すると、やる気のない人ではなく、モルモン低下症だったのか。

 ここからは慎重に補充量の調整をして経過をみていく。

 

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MRI・FLAIRで高信号

2021年10月03日 | Weblog

 小児科医が診た14歳女子中学生。8月末に膝の蜂窩織炎で他院で治療(経口抗菌薬)を受けいていた。9月中旬から倦怠感と頭痛を訴えている。

 活発な子が極度の倦怠感を呈していて、寝てばかりいるそうだ。頭痛もひどいという。近医から当院小児科に紹介されてきた。

 母親の話では、兄には脳脊髄液減少症と診断された既往があり、その時の症状と似ているということだった。兄はその後、脳脊髄液の漏出は治まったと判断されて、症状は軽快している。

 頭部MRIが行われた(単純なので脳脊髄液減少症の診断はできないが)。FLAIRで(T2調教画像でも)両側前頭葉の皮質下白質に高信号が散在していた。

 放射線科の読影レポートでは、「所見の記載と、異常所見はあるが原因は不明」とある。小児科医は13年前に診た9歳女児の急性散在性脳脊髄炎(acute desseminated emcephalomyetitis:ADEM)を想起したそうだ。

 発熱や意識障害はないのでADEMらしくはないが、ADEMまたは多発性硬化症(MS)疑いとして、大学病院の神経内科に紹介していた。

 

 県内では、全国と同じく新型コロナの発生が減少している。それに伴って濃厚接触者のPCR検査数も減少している。地域の基幹病院と交互に(1日おきに)保健所のPCR検査をするようになったが(発生数が多い時は毎日両院でしていた)、検査数が少なくて助かっている。

 

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空腸腫瘍

2021年10月02日 | Weblog

 8月初めに内科クリニックから、前月からの食欲不振が続く79歳女性が消化器科に紹介されてきた。

 クリニックで腹部エコーを行った時に、上腹部に圧痛があると記載されていた。腫瘍マーカー(CEA・CA19-9)は正常域だった。

 当院で行った腹部エコーで膵尾部に腫瘍が疑われた。腹部造影CTで確認すると、膵臓には腫瘍はなく、空腸に腫瘍を認めた。嘔気・嘔吐も あったが、内腔閉塞は正確にわからない。

 画像検査はそこまでとして、地域の基幹病院紹介内科に紹介していた。

 

 入院して外科手術を受けたが、腫瘍が上腸間膜動脈に浸潤していたため、バイパス手術のみになった。術後に肺炎を併発したり、消化管の通過障害で、予想より長い入院になった。

 高カロリー輸液(今どきのPICC)を行っていて、すぐには自宅退院できないため、当院消化器科に転院して経過をみることになった。経口摂取ができて通院できる時は、またご紹介下さいとあった。

 癌化学療法は高額医療なので、外来通院できないと実施は困難だ。組織型の記載はなかったが、動脈に浸潤していたということは、GISTではなく腺癌なのだろうか。

 これまで空腸腫瘍は見たことがなかった気がする。

 

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