日曜日は日直だった。午後5時前後に90歳代の女性が発熱で受診して、それぞれ肺炎・心不全で入院になったので、午後7時過ぎまでかかった。
金曜日に入院した患者さんを診に、昼前に病棟に行った。別の内科医が担当している85歳男性のことで看護師さんから相談された。
10月2日に救急搬入されて入院していた。慢性閉塞性肺疾患(COPD)があり、現在も喫煙していた。左肺炎で入院となったが、入院後から意識が低下してきた。頭部MRIで新規のラクナ梗塞が検出されたが、それでは説明できないとされていた。
モニターを見ると、酸素投与3L/分で酸素飽和度100%となっていた。飽和度が良すぎるので、血液ガスを検査することにした。ナースプラクティショナーがいるので、採血してもらった。
PO2 215.0・PCO2 59.1・pH7.440・HCO3 39.4と呼吸性アシドーシスを代謝性に代償していた。胸部X線を確認すると肺陰影が改善していた。
入院時は、PO2 127.0・PCO2 41.9・pH7.426・HCO3 27.1とCO2は正常域だった。すでに酸素吸入は開始されていたが、その後肺炎の改善とともに酸素量が多すぎる結果となり、CO2ナルコーシスに向かったようだ。
酸素量を2L/分、1L/分と下げて、中止しても酸素飽和度が94~95%と保っていたので、そのまま中止とした。1時間半くらい後に、血液ガスを再検した。PO2 63.0・PCO2 58.0・pH7.440・HCO3 39.0、とまだCO2はさほどの変化はなかった。
それでも呼びかけると開眼している。口を動かそうとするが、発語はなかった。酸素中止として、飽和度が低下する時は酸素を0.25L単位で使用して、飽和度が94%と越えないこととした。
今日は呼びかけなくても開眼していた。入院時にPCO2 が上昇していなくても、酸素投与で上昇するCOPDの患者さんがいて、再検しないとわからないことがある。
先週看護部長から、当院にはナースプラクティショナーが2名いるといわれた。指導した先生たち(外科医と皮膚科医)は知っているが、他の医師は知らなかった。そういえば、数年前にその研修に出すという話があったのを思い出した。