Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

London Spy3 和訳(ロンドン大)

2015-11-27 23:00:00 | London Spy
エピ3からもScottie絡みの会話の和訳いきます。今回はロンドン大学。



(サウナ~更衣室)
S:We need an ally. A great mind.
同盟国が必要だ。大物の。
Some of the people we need to speak to care very much about appearances.
話をしたい連中の中には見た目に細心の注意を払う者もいる。
They look at the cut of your suit before they listen to what you say.
人の話を聞く前にまずそのスーツのカットを見る。
It's not about wealth. It's about a set of signals.
金の問題ではない。総合的なサインだ。
They require a lifetime of study, which is precisely the point.
彼らは生涯にわたり役作りを必要とするが、そここそがポイントで、
Wealth can be acquired in an instant.
富は一瞬のうちに手に入る。
Tonight we must play by their rules.
今夜はあちらの流儀で演じなくては。

D:Fits.
ぴったり。

SCOTTIE SCOFFS (笑って)
What sort of spy would I be if I couldn't guess a man's shirt size?
シャツのサイズも見抜けないようではどんなスパイだ?


(通りを歩くDannyとScottie)
D:So who is she?
その人は誰?

S:She's the President and Provost Professor of the University of London.
ロンドン大学の学長兼教務長だ。

D:Can we trust her?
信用できるのかな?

S:There's no art in trusting nobody.
誰も信用できないと策略も練れない。
The craft of a spy has always been to choose the right people to trust.
スパイの仕事とは常に信用できる人物を正しく選ぶことだ。

D: You're friends?
友達なの?

S:Friends, yes.
友達、そうだ。
They'll be aware of my connection to her.
私と彼女の関係も奴らに知られるだろう。
They'll have anticipated this meeting.
この面会も予想されていたことになるだろう。
Her office will almost certainly be bugged.
彼女の部屋も盗聴されるのは確実だろうな。


係員:Empty your pockets, please. This way.
ポケットの中身は全部出してください。こちらへ。

学長:Thank you.
You haven't lost your taste for theatricality.
あいかわらず芝居がかってるのね。

S:For once it's justified.
たまには差し支えないだろう。

学:So what's this about? Why couldn't you tell me on the phone?
それでどうしたの?電話では話せないってどうして?

S:A former student of your university. A prodigy.
君の大学の卒業生のことで。天才だった。

D:You might know him as Alistair Turner. But he preferred the name Alex.
アリスター・ターナーと言う名で知ってるかも。アレックスと呼ばれたがってたけど。

学:Let's walk. 歩きましょう。
I didn't know Alex well personally. Mainly by reputation.
アレックスを個人的にはあまり知らなかった。評判では聞いてた。
There aren't many students - who start their degree at 15.
そんなにいないもの、学位を15歳で始める子は。

D:He was murdered.
彼は殺されたんです。

S:He WAS murdered, Claire.
殺されたんだ、クレア。

学:So I take it you want to speak to his professor?
じゃあ、彼を教えた教授に会いたいということ?

D:Marcus Shaw.
S:What do you know about him?
彼のことで知ってることは?

学:Brilliant.- Difficult.
聡明、頑固。

S:And his relationship with Alex?
それでアレックスとの関係は?

学:They were close.
親密だった。

S:Sexual?
性的に?

学:I'm confident that their intimacy was purely intellectual.
彼らの親密さは純粋に知的なものだと確信がある。

D: Will he talk to us?
僕らに話してくれるかな?

学:Marcus is precise. He won't "chat".
マーカスは気難しいわ。おしゃべりを楽しむタイプじゃない。
Unless you're talking about mathematics, the discussion will be a waste of time.
数学の話以外は、議論とは時間の無駄なの。

S:Is it possible that Alex would have confided in him?
アレックスが彼に秘密を預けるようなことはあっただろうか?

学:That's a very serious allegation.
それは随分と深刻な主張ね。

S:I'm just thinking aloud.
今のはただの独り言だ。

学:Marcus admired Alex. On some level, he might have envied him, but ..
I can't believe he'd want to harm him.
マーカスはアレックスを賞賛してた。ある程度は、妬んでいたかも知れない、でも、
危害を加える気はなかったはず。

S:Could you arrange a meeting?
会えるように話してくれる?

学:So you do have something specific you're going to speak to him about?
それじゃ何か特に話したいことがあるということね?

S:We will. - Don't send e-mails. Don't make calls.
They'll have access to your computer, your office, your phone.- Claire, I should warn you -
そうなんだ。メールはしないで。電話も。
彼らはアクセスできるから。君のパソコンにも、オフィスにも、電話にも。クレア、言っておくがー

学:He was my student, Scottie.
彼はうちの学生だったのよ、スコッティ。





元のスクリプトはこちらからです。

次回はいよいよジェントルマンズ・クラブに潜入~~

London Spy3 感想

2015-11-25 19:15:00 | London Spy
ネタバレですので、嫌な人は見てから読んでね。

11/4に書きましたが、脚本のTom Rob Smithのインタビューに

「60年代に書かれたCIAハンドブックには、ターゲットの殺し方についての記録が本当にあった。暗殺のベストな方法というのは・・・その人の日常に事故を紛れ込ませることだ。アル中にはアルコール。スピード違反常習者には、スピードの出し過ぎ。食べ過ぎの人間には喉を詰まらせる。誰もが信じるだろう。」

とありまして、私はこれを読んだ時、AlexがSM趣味だという意味なのか?と腑に落ちなかったのですが、出て来ました!エピ3の冒頭に。

真犯人の何者かは、Alexのフラットの屋根裏に仕掛けた舞台&小道具ばかりでなく、Dannyの過去の人間関係を調べ、なんとDannyの部屋でのAlexとの会話でさえ電話の記録という形にすり替え、洗濯物はすべてドライクリーニングに出しているAlexからDannyの体液のついたシーツを盗み、数ヶ月の間周到な準備をしてDannyとAlexの関係は秘密のデート相手紹介所と薬物漬けの乱交セックスの仲間、という設定で証拠物件を警察に見つかるように仕込んだのです。



物的証拠を突きつけられて、「嘘だ!」と言う以外に何もできないDanny。
このあたりは、同じベン・ウィショーが主人公を演じたCriminal Justiceにソックリでもあります。
どういうわけか、映画ドラマの製作者というのはウィショーさんを追いつめるのが好きなようです。ウィショーさんってひどい目にあう主人公役ナンバー1ですよ・・・!

あとついでに、製作者はウィショーさんを脱がせるのも好き。あんな華奢な身体は服の中でどんなことになっているのか?と興味をそそるのでしょうか。ファンにとっては嬉しい時もあるけど、今回みたいに警察に寝込みを襲われたり、あんな細い身体をひどい目にあわせるなんてひどい!と胸が痛くなります。はっ!それが狙いか?でも今回はプールとサウナ風呂のシーンまであって、そっちは痛くなかったので眼福だけですみましたけど・・・(笑)

それとDannyの痛い過去のつながりに、Rich(マーク・ゲイティス)という怪しい怪しい薬中で好色の音楽家が、Scottieの痛い過去として「青色」に癒しを求めたロンドンで初めてエイズの犠牲となった美しい恋人が出て来ました。両方ともリアルな怖さ満点でした。ゲイには才能豊かな人も多いのは周知の事実で、売れているアーティストなら華やかな作品と社交活動は一般の人の目にも届くけれど、その暗い部分は噂にはなってもこうしてお茶の間に映像としては届かなかったのではないでしょうか。

そのリアルな怖さのリアルな極みがHIVテストで、DannyがGP(国の医療施設NHSのクリニック/イギリスでは誰でも登録して受診できる)でテストを受け、陽性という結果が出るのです。まったく身に覚えのないDannyは、警察で血液検査などをした時に仕組まれて感染させられたんだと失意のどん底に突き落とされます。このあたり、私はGPの看護婦かテスト器具が仕組まれていて、実は陽性ではないんじゃないか、とも思うのですが、そのへんは謎のままドラマは進行・・・

Scottieが罠にかかったDannyと共に闘う意思を見せたので、Dannyもついに彼にAlexのPCから持ち出した秘密を打ち明けます。そしてその小さな容器を開ける暗号を解き中身を知るためには専門家が必要だと、ScottieはDannyの身なりを整えて外部の力を借りに連れ出します。この時にScottieが言った今と昔の秘密の形の違いがおもしろかったですね。昔のは完全にTTSSのファイル(笑)。よく考えたら、表に「重要機密」とかってハンコを押したら見つけてくれと言わんばかり。



↓ ウィショーくんとジムさんのサイズの差にびっくり!
ジムさんってなんとなく小柄なイメージだったんですが大きいんですよ



↓「スーツのカットによっては話も聞いてもらえない」と言ったScottieもソックスまでは用意してなかったのか・・・?!
誰だこのファンへのクリスマスプレゼント考えたのは!



スーツを着てAlexの大学長に彼が親しかった人を尋ねたり、排他的なジェントルマンズ・クラブでScottieはポッシュな旧友にこの事件への意見を尋ねますが、答えはDannyには謎のようなジョークで返って来たうえ、Scottieはクラブから除会されます。ここの会話がもうほんっとに排他的でおもしろかった。もちろん理解できないDannyにScottieが説明してくれるので私達も意味がわかるのですが。そして退会させられたScottieの言い草が最高。
「残念だ。エッグ・ベネディクトが絶品だったのに。」

AlexがDannyに残したものは、世界中の国家が開けたくないものなので、DannyとScottieは世界中の秘密組織を敵に回したことになるとScottieは解説し、

ひとりになったDannyが突然Richから受け取った包みを開けると、中から携帯が・・・・


というエピ3でした!



今回の英語はいくつかの単語が難しかったけど、また文が短くてわかりやすい方だったかな?







London Spy2和訳(Scottieの過去)

2015-11-23 23:16:00 | London Spy
前半で長かったScottieの話も気になってたので和訳しましたw
ちょっとこれからの展開に向け、今この時点でのScottieの正体ってちゃんと理解しておきたいな~と思いましたので。一応サスペンスですからね~謎解きも気になりますからね~!訳で「ココ違うよ~!」という箇所があったらご指摘くださいね!




(新聞社から肩を落として帰って来たDanny)

Scottie:Journalists make difficult bedfellows.
ジャーナリストとつき合うのはやっかいだ。
You can't just tell them what to print.
ずばりこれを書けとは言えない。
- You didn't want to discuss it with me first?
まず私に相談する気はなかったのか?

D:I knew you'd try and talk me out of it.
やめさせようとするとわかってたから。
Make me think what a dumb idea it was.
バカな考えだって諭すだろうなって。

S:What is this? Mistrust? It is.
どういうことだ?不信感?そうだ。
I see.
なるほど。
You trusted me with your life, but not now, not with this!
私に命まで預けたのに、今では、この件はなしか!

D:My life is small, this is organisations, institutions.
僕の命は小さいけど、相手は組織だよ、機関だ。

S:You see me as one of them, don't you? The suit, the education, the job - I'm part of the Establishment.
私のこともその一部だと思っているんだな?スーツ、学歴、仕事 ー私もその権力側だと。

D:Well, aren't you?
だって、そうじゃないの?

S:How dare you, young man! How dare you presume to know me.
よくもヒヨッ子のくせして!よくも私のことがわかるなどと。
I know you because I've heard every secret you have to tell.
私は君のことを知っているぞ。隠し事も私に話さねばならんかったからな。
What do you know about me? Answer me.
私の何を知っている?言ってみろ。

D: I know -
僕はー

S:You know where I live.
何処に住んでいるか。
You know what films I like, you know what music I listen to.
好きな映画に、好きな音楽を知ってる。
Did you know that I suffer from depression? Did you know that in the past I drank every night, every day, every morning, I drank until a stranger could smell it on me! Do you know just how fucking far I am from being part of the Establishment? How dare you mistrust me when you don't know! You want to know who I am, who I really am I'll show you.
鬱に悩んでいることは?私がかつて毎晩飲んだくれたことを知ってるか?毎日、毎朝、酒臭くなるまで飲んだ!私が権力側からどれだけほど遠いか知っているか?知らんくせによくも疑ってくれたもんだ!私が何者か知りたければ、本当の姿を教えよう。

D:Where we going?
どこ行くの?

S:Come on. Then you can decide whether you trust me or not.
来るんだ。そして私が信用できるかどうか判断すればいい。
This is the spot where my career as a spy came to an end.
ここは私のスパイとしてのキャリアが終わった所だ。
I was a spy a long time ago.
私がスパイだったのはずっと昔だ。
In a world very different to this one.
今とは全然違う世界だった。
I was recruited at Cambridge.
私はケンブリッジでスカウトされたんだ。
I said yes partly because it wouldn't be a normal life, with regular hours.
私がイエスと言ったのは、規則正しい平凡な人生にならないと思ったからでもある。
I was desperate to avoid the five o'clock home time whilst not being bohemian enough to imagine life without a proper profession.
毎日5時に家に帰る生活はなんとしても避けたかったが定職なしで生きるほど自由人にもなれなかった。
Not very patriotic motives, I suppose.
あまり愛国的な動機とは言えんだろうな。
But they rather liked that about me, an utter lack of idealism.
だが、そういう私はむしろ気に入られた。まったくの理想のなさが。
Romantics make unreliable spies.
ロマンチストではスパイとして信頼がないのだ。
It was my third year with MI6.
あれはMI6に入って3年目だ。
I was travelling back to London on the night train.
夜行列車でロンドンに戻るところだった。
A handsome man entered my carriage sat opposite me.
美しい青年が車両に入って来て私の前に座った。
The tips of our shoes touched.
靴のつま先が触れあった。
Our eyes chanced.
ふたりの目があった。
He asked the most mundane questions in the most exciting way.
彼はそれはありふれた質問をそれはおもしろそうにきいてきた。
When we arrived at Paddington, I went to the gentlemen's and waited in a cubicle, door ajar, hoping.
パディントンに着いた時、私はトイレに行って個室の中で待った。ドアを少し開けたまま、期待してた。
I can't tell you how happy I was to see him.
彼が現れて私がどんなに嬉しかったか言葉にできない。
It meant that I hadn't been wrong.
私は間違ってなかったんだよ。
And that for the next 15 minutes or so, I wouldn't be alone.
それから15分くらいの間は、一緒にいられると。
After all these years, prudishness runs deep.
このごろではまた、みな身が堅くなったが。
The next day, I was approached by a Soviet operative who described how the Soviet Union welcomed "Men like me".
次の日、ソヴィエト活動員にアプローチされソ連がいかに「私のような男」を歓迎するか説かれた。
"Under Communism we're all equals.
「共産主義下ではみな平等」だと。
" And once I'd completed my mission here, in a country that would always hate my kind, I could set up home in Moscow and be free.
「そしてここで任務を完了したら、私のような男は常に嫌われる国を出、モスクワに家庭を持ち自由になれる」のだと。
Some "men like me" actually believed that lie, but I was not one of them.
「私のような男」の中にはその嘘を信じた者もいたが、私は信じなかった。
So all that remained was a blackmail.
後に残ったのは脅迫状。
I'd be exposed.
暴露されると。
Arrested.
逮捕されて
Disgraced.
罷免されると。
So that night I bought a rope and came here.
その夜私はロープを買ってここに来た。
But sitting on that branch, noose ready, I thought to myself, "There is another way.
しかし、あの枝に座って、輪っかもできていた時、考え直した。「ほかにも選択がある」

D:" You told your bosses you were gay.
上司に君がゲイだって言った。

S:That's a wonderful wrong answer.
みごとな不正解だね。
However, the option did not yet exist.
だが、その選択肢はまだ存在もしてなかった。
No, I explained to my section head that I'd been approached by a Soviet operative and I detailed the nature of the blackmail.
いや、部署長にソヴィエト活動員からアプローチされていると説明した。その脅迫状の本質を詳述した。
He asked if the allegations were true.
彼はその申し立てが真実かと尋ねた。
I admitted that I'd made a mistake with a man and that the operative probably had evidence of that mistake.
私はある男とある間違いを犯しその活動員は間違いの証拠をつかんでいるだろうと認めた。
But it was only once.
たった1度だけだった。
An act of disgusting madness.
吐き気のする狂気の行為だ。
"I'm not a homosexual.
「私は同性愛者ではない。
And I'm not a treater.(traitorだと思うんですよねbyしましま)
そして裏切り者ではない。」
" Hard for them to believe the second statement when they knew that the first was a lie.
最初のが嘘だとわかっていたら2番目の発言を信じることは難しい。
So I proposed, preposterously, they employ someone to follow me for the rest of my life, photograph my every move, I would never touch another man.
そこで私は提案した、笑いをさそうように、私を一生涯尾行する人間を雇って、私は二度と男とは関係を持たないからと私の一挙手一投足を撮影したらと。
I didn't discover until later that there haven't been a Soviet operative.
ソヴィエト活動員などはいなかったと知ったのは後になってからだった。
There'd been an internal investigation.
内部捜査だったのだ。
You've heard of a mole hunt? Well, this was a fag hunt, which they saw as more or less the same thing.
もぐら狩りを聞いたことは?まあ、あれはカマ狩り、どっちにしても大差ないと思われていた。
Her Majesty's Secret Service had had its fingers burnt by one too many queer spies.
女王陛下の秘密組織は大勢のホモのスパイに手を焼いていたのだ。
But my prompt confession saved my life.
しかし私の迅速な告白で命拾いはした。
I was moved from MI6 into what was then named Ministry for Transport where I was little more than a penpusher, whispered about by those in the know.
私はMI6から交通省と呼ばれるところへ異動されそこで書記に毛が生えたようなことをした。知るところからは噂されながら。
Out of gratitude and fear, I kept my end of the bargain.
感謝と恐れから、当事者としての責任は果たした。
And for 11 years, I did not touch another man.
そして11年の間、男と関係を持つことはなかった。




スクリプトはコチラを参照しました。


London Spy2和訳(Alexの実家)

2015-11-20 22:43:00 | London Spy
ロンドンスパイは会話が少なく短く、英語がわかりやすいと思って力を抜いて見てましたが、エピ2の後半に入り、アレックスの母フランシスが難しいことを言い出したのでちょっと和訳などしてみました。

場面は、アレックスの両親の家でターナー夫妻とDannyのディナーシーンから



F:Did you realise your provocation was infantile before or after you came through that door? Before, I see.
そんな挑発が子供じみているって部屋に入る前に気づいてた?それとも入ってから?前よね。
But you didn't decide to change?
でも着替えようとは思わなかった?

D:Would you like me to?
着替えた方がいいですか?

F:No. I think I prefer you like that.
いいえ。あなたはそれでいいと思う。

D:(メイドに)Thank you.

F:Alistair completed that maze unassisted, three months before his fifth birthday.
アリスターはあの迷路をひとりで抜けられたわ、5歳の誕生日の3ヶ月前に。
Others considered him to be disturbed, but what they saw as a disturbance of the mind was, in fact, an exceptional gift.
あの子は障害があると思われてたのだけど、精神障害と思われてたのは、実は、並外れた才能だった。
However, it's not enough in this world to be born brilliant you need direction and discipline.
とは言え、この世界では秀でて生まれるだけでは不充分、指導と訓練が必要よ。
You need someone who reminds you, day after day, never to waste your talent on triviality.
誰かが、毎日毎日言ってあげないと。つまらないものに才能を無駄遣いしないように。
How many brilliant minds are out there right now rotting in squalor and neglect?
優秀な才能がどれだけあちこちで今この時にも駄目になり放置されているのか?
It took every ounce of my strength to make Alistair realise his potential.
私はアリスターが自分の可能性に気づくよう全力をつくした。
He ended up hating me for it.
それで私を憎むこととなった。
But you guessed that already.
あなたにはもう想像できたでしょうけど。

D:Your son was murdered.
あなたの息子は殺されたんです。
The attic was staged.
あの屋根裏部屋は仕掛けられたんだ。
And everything you've read about his death is a lie.
彼の死についての記事は全部嘘です。

F:After dinner, perhaps you will join me for a drink.
ディナーが終わったら、1杯いかがかしら。

(フランシスの部屋)
My son wasn't gay.
あの子はゲイではなかった。
Before you hold some sort of parade through the house, hear me out.
この家中で言いふらしたりする前に、よくお聞きなさい。
Alistair didn't think like ordinary people.
アリスターは普通の人のような考え方はしなかった。
He didn't feel what ordinary people feel.
普通の人が感じるようには感じなかった。
In his eyes, everyone was a puzzle.
彼の目には、人はパズルだったの。
He took immense satisfaction figuring out what a person wanted and then giving it to them.
彼には、人が何を望むか突き止めそれをその人に与えることが何よりの喜びだった。
As if we were all computers Waiting for the correct code.
まるで私達が皆コンピューターで、正しいプログラムを待っているかのように。
Alistair could be anything a person wanted him to be.
アリスターは人が求める何にでもなれた。
In your case, it appears you craved romance, a good old-fashioned love story.
あなたの場合は、ロマンスに飢えていたようね。古風な美しいラブストーリーに。
He gave it to you.
彼はあなたにそれを与えた。
Meanwhile, he continued giving other kinds of stimulation to other kinds of people, men and women.
同時に、他の人には別の刺激を与え続けた。男にも女にも。
If he was involved with someone who hankered after risk, he would have provided it.
もしもリスクに憧れるような人に関われば、それも差し出したでしょうよ。
Danger, pain, submission, domination.
危険、苦痛、服従、支配。
Alistair was as precocious sexually as he was intellectually.
アリスターは知性と同様、性的にも早熟だった。
To him, they were one and the same.
彼にとってはどちらも同じことだった。
Sex was just another form of decryption.
セックスは形を変えた暗号でしかない。
You think I'm cruel? Perhaps I am.
私を冷酷だと思う?きっとそうなんだわ。
But not in this instance.
でも今回はそういうつもりではないのよ。
I wanted to preserve your illusions.
あなたの妄想をこわしたくなかったの。
We had hoped that you would go home and mourn in the belief that your relationship was perfect.
あなたが家に帰ってこの恋が完璧だったと信じたまま悲しむことを望んでいたのよ。
You loved him, I see that.
彼を愛していたわね、私にはわかる。
However, I cannot allow you to be unaware of the facts, in case you blunder further into a situation you simply do not understand.
とは言っても、事実を知らずにはいさせられなくて、ますます理解できない状況にはまり込んでいかないように。
I'm not surprised he used a different name.
彼が偽名を使ったのにも驚かない。
He was playing a part.
役を演じていたのですもの。
The part of a conventional lover.
平凡な恋人という役を。

D:I haven't read many books.
僕はあまり本を読んでない。
I haven't been to many places.
そんなにいろいろな所にも行ったことがない。
But I have fucked a lot of people.
でもいろいろな奴とセックスしたことはある。
And there's one thing you just can't fake.
そしてひとつだけ、そのフリができないことがあるとしたら、
Inexperience.
未経験だ。
The body's tense when it should be relaxed.
身体がリラックスしているはずの時に緊張する。
It hurts when it should be fun.
気持ちいいはずの時に痛む。
And it's dirty when it should be clean.
そして何でもないはずの時に汚れたり。
I don't care how smart you are, your muscles can't lie.
あなたがどれほど頭がいいか知らないけど、筋肉というのは嘘がつけない。
I'm talking about feeling his inexperience as clearly as I can feel this glass.
僕が言ってるのは彼が未経験だったと感じたことはこのグラスの感触と同じくらい確かだということだ。
Do you follow me, Frances? I can see you do.
言ってることわかるかな、フランシス?わかるよね。
So I know for a fact you're lying.
だからあなたが嘘を言ってるという事実がわかってる。
I know for a fact that your son, the man I loved, was a virgin.
あなたの息子は、僕の愛した人は、ヴァージンだったという事実がわかってる。
What I don't understand is why you're so keen to convince me otherwise.
僕がわからないのは、なぜあなたがそんなに僕に違うように思わせたいのかだ。
When he told me you were dead, he wasn't lying, was he?
彼があなたは死んだと言った時、彼は嘘をついたのじゃなかったんだね?

F:Amongst all the lies you've heard here this weekend, recognise one truth "no fuss" is the best piece of advice you will ever be given.
この週末にここで聞いたあらゆる嘘の中でも、ひとつは真実だと気づきなさい。「騒がない」はあなたがこれからしてもらえる中でも最上の忠告よ。

(翌朝のキッチン)

D:I prefer it down here.
僕ここでいい。
Maid: She won't like it.
奥様はよく思わないわ。
D:No.
うん。
I don't think she will.
思わないだろうね。
You cared about him.
あなたは彼を大切にしてた。
You cared for him.
あなたは彼を心配してたでしょ。
If he had a problem, he came to you, didn't he? Not her. You loved him.
何かあった時、彼はあなたのところに来たんじゃない?彼女じゃなく。あなたは彼を愛してた。

M:Alex.
アレックス。

D:Alex.
アレックス。

M:He hated the name Alistair.
彼はアリスターという名前を嫌ってた。

D:What happened here?
ここで何があったの?

M: Get as far away from these people as you can.
できるだけあの人達から離れていなさい。

M:(入って来た男に)He insisted.
どうしてもって言ったのよ。




(Dannyの思い出の中でAlexが語る)
Alex:I want to tell you a story about a man.
ある男の話があるんだ。
While everyone was laughing and drinking, he would just walk until he reached the exact same spot, where he'd sit with his back to all those people.
みんなが笑ったり酒を飲んだりしてる時、その男はただいつも同じ所にたどり着くまで歩いた。そこで彼はみんなに背を向けて座っていた。
And while he did everything he possibly could to signal to the world that he wanted to be left alone, more than anything, he hoped that someone passing would understand that what he really wanted was the exact opposite.
そして彼は、ひとりにしておいて欲しいと思いつく限りの方法で世界に合図を送っていながら、何よりも求めていたのは、誰かが通りすがりに彼が求めているものは正反対なのだとわかってくれることだった。
And that this someone would sit next to him and strike up a conversation.
そしてその誰かが彼の隣に腰掛けて、会話を始めることだった。
I was that man and you were that someone.
僕はその男で、君がその誰かだった。



(現実に戻って、川岸でDannyが知らない男に声をかけられる)
Stranger:I have a sweet tooth.
私は甘党でね。
It's easier to quit smoking, I swear.
禁煙なんてカンタンだ、誓う。
Not very British, talking to strangers, is it? I've worked in your country for ten years now.
イギリスらしくない、知らない男と話すなんてなぁ?君の国で働いて10年になる。
Do you own a house?
家を持ってるかね?

D:No.
いや。

S:A car?
車は?

D:No, nothing.
何もない。

S:Well, you have your health. That's the most precious asset of all.
でも、君には健康がある。それは何より貴重な財産だ。

D:My health?
健康?

S:Lots of people think they have nothing to lose, but in my professional experience, they just haven't thought it through.
多くの人が失う物なんてないと思っているが、私の経験では、そういう人はよく考えたことがないんだ。

D:Are you threatening me?
僕を脅しているのか?

S: Threatening? My, oh, my.
脅し?いやあ、まいった。
This is just a conversation, a chitchat.
これはただの会話だよ、おしゃべり。
Two people passing in the night.
人がふたり夜行き違う。
I can see why you're so confused, over the years I've adopted quite a few of your country's customs, but that Great British reserve escapes me.
君がなぜそう困惑するのかわかる。何年も君の国の習慣を見習っているからね、でもその大いなる英国の控えめさは私にはなじまなくてね。
I enjoy talking too much.
おしゃべりがすぎたかな。
And, once in a while, someone unexpected tells you something that might save your life.
そうだ、もし万が一、思いがけない人が何か言って来たら、これが君の命を救うかも知れないよ。
Be sure to put that card someplace safe.
そのカードを安全なところにしまっておきなさい。
(カード)PROTECTING LIVES & PROPERTY FOR 80 YEARS -
生活&財産保護80年



(Scottieの家)
S:You think my house is bugged?
うちが盗聴されているとでも思っているのか?

D:I've just been threatened. They Heard us.
たった今脅されてたんだ。聞かれてる。

S:Who?
誰に?

D:The people who murdered Alex.
アレックスを殺したやつら。

S:All right.
いいだろう。
Suppose he was murdered, suppose you're right.
彼は殺されたと、君が正しいとする。
Follow it through, the implications of what you're saying.
よく考えろ、君の言ってることが何を意味するかを。
You know nothing about them, they will know everything about you.
君は相手を何も知らず、彼らは君をお見通しだ。
Every action you take will have been predicted, planned for even coming here tonight.
君のとる行動はすべて予測されていたもので、今夜ここに来たことさえ計画のうちだ。
And if they don't kill you, it'll be for one reason.
そして彼らが君を殺さないのには、立派な理由がある。
They consider you less of a nuisance alive than dead.
君が生きている方が死ぬよりも都合がいいと考えているんだ。
If you're insulted by the idea of your insignificance, you shouldn't be, you should cherish it.
もし自分の存在の小ささに屈辱を感じるとしたら、感じなくていい、むしろ大切にしなくては。
No daring journalist is going to come to your aid, no rogue police officer.
果敢なジャーナリストは助けに来ないし、はみだし者警官も来ない。
It's just you alone, Danny.
君はたったひとりなんだよ、ダニー。
Ask yourself, honestly, who are you? You're friends with everyone,
自分に正直にきいてみるんだ、君は何者か?君はみんなの友人で
you trust everyone, and you know no-one.
君はみんなを信用しているが誰ののことも知らないんだ。
You know……
君は・・・

D:……You know these people.
君はあいつらを知ってるんだよね。

S:I knew them 30 years ago.
私は彼らを30年前に知っていた。

D:Help me.
助けてよ。

S:One way or another, I've been afraid for much of my life, and it's a privilege to spend time with a man who's never afraid of anything.
あれやこれやと、私は自分の人生の長い期間恐れて来た、そして何も恐れない人間と時間を過ごすのはひとつの特権だ。
And that's not because you were born in a different time.
それは君が違う時代に生まれて来たからではない。
You're fearless. 
君は怖い者知らずだ。
I've always wondered how that must feel.
いつもそれはどう感じるものかと考えてたよ。
But, Danny, occasionally, it's right to be afraid.
だが、ダニー、時には、怖れることは正しい。
Leave this alone.
この件は忘れろ。
Promise me.
約束してくれ。




スクリプトはコチラから。(話者がわかるよう、しましまが加筆した部分あり)

London Spy 1&2 感想

2015-11-17 21:17:00 | London Spy
全編ネタバレにつき、嫌な方は読まないでね!!


エピ1 あらすじ

イマドキの遊び人Dannyが天才数学者の証券マンAlexと恋におちて、幸福な8ヶ月を過ごすもAlexが謎の死をとげ、Alexは証券マンではなくDannyのフラットの川向こうのIM6のスパイであったと判明する。

エピ2 あらすじ

真実を語るためにプレスと話をするも、SM、ドラッグ、ゲイ、セックスとセンセーショナルな記事をタブロイド紙に書かれてしまう。Alexの両親から電車の切符が送られてDannyは彼らを訪ねる。Alexの実家は復旧中の田舎の屋敷で、両親は冷たく特に母親は息子を厳しくコントロールしていた。ロンドンに戻ったDannyは謎の男から名刺と小さい物体を渡される。


感想

まず、第一印象の記事で書いたように、『恋するエピソード』のひとつひとつに胸キュンしました。
・頬に触れた指先
・彼の持ち物を大事に保管
・待ち伏せ
・初めて見る彼の部屋
・パリッとしたスーツ姿の彼と初めて一緒に食事に行く
・彼の車で海辺(?)のデート
この恋愛初期フルコースを踏まえて、ベッドのふたりが描かれるのです。
ウィショーさんをずっと見ながら、彼の視線で恋愛の疑似体験をするという、この世の最上の幸せをふたつも同時に!!

エピ1の最後でAlexと思われる死体をDannyが発見するので、その幸福は一転しますが、エピ2で彼の死を悲しみながも思い出す、
・後ろからDannyのネクタイをしめてくれるAlex
これも首筋に愛する人の息づかいを感じるような、単純でいてすごくセクシー。
・エピ2でAlexのベッドにもぐりこんで泣きながら寝るDanny。朝目が覚めて、となりの枕に誰もいないのを確認するDanny。ああ、せつない。



『景色』
Dannyの住むMI6の対岸あたりというのは、私も住んでいた地域のすぐ近くで、バッキンガム宮殿やセント・ジェイムズ・パークのある都心のすぐ外側。にもかかわらず観光客は来ない住宅とビジネスのエリアで夜はものすごく静かです。建物は古いのばかり。なのでDannyの部屋からの裏窓の景色となるのですね。
ドラマの中でもDannyの家は若者のフラットシェアなので汚いんですけど、テムズ川のおかげで外の水の上は抜けた空間があるのできれいでした。

ロンドン中心は、まあ今の普通のロンドンですけど、エピ1でふたりが出かけた誰もいない水辺や、エピ2でDannyの年上の友人Scottieが連れて行った森のような公園(リッチモンド・パークかウィンブルドン・コモンかな??)がきれいでした。

それとエピ2のAlexの実家のお屋敷も美しかった。過去の遺産と支配する母親で空気は暗くて重いのですが、庭に迷路があるなんて、Alexはホントにお金持ちのお坊ちゃんだった。


『謎』
・まずエピ1の謎は、DannyにAlexのフラットの鍵を送ったのは誰か?
・Alexのフラットで、なぜDannyは例のこっそり持ち出した数字の物体があると知っていて、探し出して持ち出したのか?
・なぜそのことをScottieが知っていたのか?
・エピ2で、尾行をまこうとしてますます怪しく目立っていたDannyはなぜあの男が追手だとわかったのか?あんなに人が多かったのに・・・
・Alexの母親は、なぜ息子がDannyを愛していなかったと、息子は他人の要望に応える天才だから完璧な恋人を提供しただけだと信じさせたいのか?息子がゲイだとうろたえている感じはないのに、ゲイではなかったと明言して・・・
・エピ2のラストで出て来た男はいったい何者で何を渡した???
・Scottieの正体は???
・Alexの正体は???

スパイ殺人事件がきっかけで信じていたことの何が真実かわからなくなって、他人の、都会の、一体何が真実なのか、すべてがパズルに投げ込まれてきたエピ2の終わりでした。