パリに住む富裕な(実は落ちぶれつつある)アメリカ人夫婦とそのお友達そしてメイドの人間関係と暮らしを豪邸でのディナー、パリ街中でのデート、郊外の豪邸の庭とプールなどを背景に描く2017年の映画がアマプラに来てました。
おかしな邦題のせいでグルメの映画かと思ってました。
でもですね、この映画の良さはトム・ヒューズ!です!
「The Game」のスーツ姿、「ヴィクトリア」のプリンスの衣装はめちゃくちゃカッコイイのに、現代もののカジュアルな姿だと顔が綺麗すぎていまひとつカッコよく見えない・・・というのがこれまでの細やかな不満だったのですが、
本作では一応フォーマルなディナーでもスニーカーという金持ちの放蕩息子で作家という自由人が彼の役スティーヴン。母親違いの幼い弟や妹、それにメイドも彼を見ると顔が輝くという役どころで、無精髭が似合うカジュアルなカッコよさが!
本筋は奥様とメイドを中心とする軋轢とそれぞれの恋模様なんですが、この奥様、欧米社会に出没する「カレン」(=自分には特権があると思い込み被害妄想が激しく攻撃的な白人中年女性)の大御所で、夫は傾く家計を維持するのに家宝のカラバッジオの絵まで売っているというのに、彼女は家のことには興味はなく社交だけに生きていて夫に文句ばかり、メイドには表向きリベラルで優しいが実は意地悪だし人種差別主義者、なのに悪気はないというもう徹底的にカレン!
そんな奥様=義理の母親を本に書いて売っているという息子スティーヴンも、実は結構な意地悪だとは思います。
でも彼の悩みとかプライベートは全然出てこないのもこのストーリーではいいバランスでした。でもキャラとしてはとても気になるので続編で彼を主役にしてほしいです。
とってもどうでもいいことを一つ。。。
私の職場にはベトナム人のお掃除スタッフがいるんですが、日本人が彼らの働きに文句を言う時、「ペタンとすぐ座り込んで作業する」というのがあります。日本人はテキパキ仕事をこなすには低い位置で作業する時もすぐに動ける体制でしゃがむのがデフォルトなので、座ってしまうと作業にならない、とイライラするようです。上の後ろ向きの人はフィリピン人なんですがぺったり座ってるので「これのことか!」と膝を打ちました。向き合って座ってるのはスペイン人ですが、多分イライラしてなさそうですね。