Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

「テンペスト」のsad knot

2021-08-05 19:27:00 | コリン・モーガン
ちょっと別の話題でシェイクスピアの「テンペスト」の腕組みについて熱心な議論が沸き起こったので、エアリエルがコリン・モーガンのグローブ座版(2014)と同じ役をベン・ウィショーが演じた映画版(2010)を改めて見てみました。

議論は日本語版だと「腕組み」と訳される「knot」について。通常「腕を組む」という時英語では「cross」や「fold」という単語なのになぜknot?という疑問です。

まずグローブ座版ではこのようなポーズ、胸で切られて下が見えないのですが、ゆるりとした腕組み風。エアリエルが遭難した王子について描写して王子のポーズを真似ているのですね。



一方、映画版ではウィショーさんがどんなポーズをとってたんだろ?!と久しぶりにDVDを再生してみたんですが、ガーーーン、遭難した王子の映像になってるではありませんか。そこにウィショーさんの声で台詞が入ってました。

sitting, his arms in this sad knot
日本語字幕は「悲しげに腕を組み座り込んでいます」



この映像では体育すわりしてるので、日本語のいわゆる腕組みではないですね。

えむさん説「エアリエルは妖精なので人間語が不完全で通常の単語が来ない」のと、あと、この映画版のポーズを見て思ったのは、座って膝を腕で抱くというのはだいたいが不安な時、悲しい時なので、シェイクスピアの台詞はこのポーズ=体育館すわりのことを言ってたのかなあ、と。

グローブ座ではエアリエルが舞台に登場してプロスペローに報告しているので上半身だけポーズを真似てるわけですね。


グローブ座ではプロスペローの娘役がジェシー・バックリーで、初めて見た時は彼女を知らなくてあまりピンとこないヒロインだなあ、無名の女優だしな、と思った自分の見る目のなさにがっかりですが、

映画版の方も、プロスペラ役のヘレン・ミレンとエアリエルのベン・ウィショーに見とれていて、こちらは可愛い可憐な娘と思ったもののフェリシティ・ジョーンズを当時は知らなくて、その後ホーキング博士の妻を演じた「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞にノミネートされメジャー俳優となりましたが今回見るまで彼女だったと全く覚えておりませんでした!でもクレジット見る前に「こっちのミランダはかわいい!王子が見初めるだけある」と思いました^^;