Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ライヘンバッハ・ヒーロー その2

2012-08-06 12:58:00 | シャーロック
イギリス並みの仕事の遅さだったBS工事が、放映前日の午後に完了しました?!
つまりシリーズ2エピソード3放映に間に合ったのです!・・・夢のようです!


ベネディクトお疲れさまでございます。ありがとうございます。

濃厚な90分でしたね。
せっかくの余韻に酔いしれながらも、どのシーンにも意味が詰まっているような気がして、また見て謎解きしたい衝動にかられる自分にちょっとあきれます。
でも、この時点ではまず登場人物に感情移入が1番の楽しみ方ではないでしょうか。

私が特にどっぷり入ったのは、モリーとモリアーティ!!
いぢわるシャーロックでも好きなのに彼にとって自分の存在はゼロ、って
まるでファンの気持ちを一手に引き受けたようなモリー。今回は頑張ったよね!
口出し無用と言われても思ったことを最後まで言った!
「お父さん話」しなかったらこのエピソード話がこう展開しないはず?(まだ未知数)



そして、自分でも驚くことに、ジム・モリアーティにまで入ってしまうとは・・・
だってまず法廷と221Bでのおしゃれっぷり。


ファンサイトSherlockologyによると、グレイのスーツがREISS。え?ちょっと意外。ロンドンのハイストリートに必ずあって、デザイン・品質・お値段ともにデザイナーズとTOPSHOPの間。でもウィリアム王子妃ケイト御用達で格が上がりました。このスーツはブランド40周年記念の限定モデルなんだそう。そしてラウンドカラーのシャツは、おお?!私が以前記事に書いたLe Kooplesだ!やっぱり欲しいこのブランドの服、モリアーティとお揃い?!

こんなキメ・スーツ着てこんなテキスト打つ。
「Come and play. Tower Hill. Jim Moriarty x.」
最後の「 x 」が日本語に入ってなかったのが残念。

シャーロックと初めて2人っきりになった221Bとバーツ病院屋上。ここの会話に彼の本音が聞こえました。誰にも理解されない彼の侵入同時3発や「リチャード・ブルック」の言葉遊びをシャーロックが推理して当てる時の満足そうな顔!
ジョンに「すごい!」って言われた時のシャーロックと同じ。孤高の存在の自分と同じ土壌に立つシャーロックを見て嬉しくて仕方ないんだね。と同時に、シャーロックを天使の側に連れて行ったジョンが憎く、そしてその関係がちょっと羨やましい。「僕も同棲相手を持つかな。」なんて。
バーツの上でもジムはシャーロックに「君も凡人、天使の側だ。」とすごい失望して見せた。でもでも、最後の最後にシャーロックの言葉「天使の側かも知れないが、そのひとりだとは一瞬でも思うなよ。」を聞いて、「君は僕・・・ありがとう。」と恍惚の表情を見せたのはなぜなんだ?!
どうしてそのたった一言で絶望から急に光を見たの?! わからないーーー
    


直後の、ジム自殺にリアクトするシャーロックの心を映した回る景色。
何メートルも下の歩道に横たわるシャーロックの(一応)死顔。
売り物の知性が見えない時の顔がもっと美しいと思う。気絶してる時とか。
不謹慎なんですけど、真っ赤な血の流れる顔の閉じない青い目が美しい。。。
でもさすがに写真は貼れません。貼りたくない。

そして、ラストのジョンの言葉。とても心に染みましたね・・・
日本語も悪くなかったけど、英語もいいと思うので書いておきます。
(後半)
Please, there's just one more thing. One more thing.
One more miracle, Sherlock, for me.
Don't be ....dead. Would you do that, just for me? Just stop it, stop this....


英語で何か頼む時、ちょっとしたことでも最後に"for me "がよくつくんです。だから通常は深い意味のない言葉なんだけど、この場合は意味を込めているように思います。このエピソードでは世間の評判がポイントになっているし、初回からジョンはいつも評判を気にしてたし。でもこの2番目のjust for meには、「世間なんてどうでもいい。自分には君がいてほしい」という気持ちが聞こえてきました。

最後に!お兄様の謎!!



ジョンは一応マイクロフトがジム・モリアーティを監禁、コード情報と引換えにシャーロックの半生の記録を渡した・・・と結論づけていますけれど、腑に落ちません~~。マイクロフトは明言してない。このモヤモヤ感には身に覚えがあります。「ハリー・ポッター」の最終章の前にスネイプの立ち位置が見えなくなった時!そしてその驚きの真相は見事に物語全体の伏線となっていました。せっかくゲイティスさんが演じるお兄様なんだし、マイクロフトが影で糸を操り、ジョンに見えた事実とまったく違う真実の表層がこれらのエピソードだった・・・・というシリーズ3がやって来ないかな~~!!
「I O U」、221Bの隠しカメラ、グリム童話と赤い封印の封筒、新聞記者キティ・ライリーの役割、この辺をすっきりさせて欲しいですぅ。
そして、キティに渡ったシャーロックの半生、実はすっごく読みたいです。

もうひとつ、今までの「シャーロック」全体についても書きたいことがあるのですけど、
長くなってしまいましたし改めて出直します。読んでくださりありがとうございます。

8/11追記
屋上でのモリアーティの台詞
(SHが笑って「君は計画を止めることができる」JM「でも君にそれをさせられるかな?」の後)
「Your big brother and all the king's horses couldn't make me do a thing I didn't want to./兄上にも王の馬にも僕がやりたくないことはさせられなかったのに」
このall the king's horsesはテレビでは省かれちゃってたけど、ハンプティ・ダンプティの一節と同じで、実は日本語訳をとても楽しみにしていただけにガックリ。童謡ではハンプティ・ダンプティは a great fall をして、王の馬と家来でも元に戻せなかった。モリアーティは「兄上と政府機関」という意味で使った言葉遊びだろうけど、うーん、落ちるのはシャーロックであって、君じゃないでしょ、と突っ込みたくなってしまった。日本語訳なかったし、残るモヤモヤ。

ライヘンバッハ・ヒーロー

2012-08-04 13:11:00 | シャーロック


いよいよシャーロック2最終話が全国のお茶の間(うち以外)にやってきます。
世界中(日本以外)で旬の俳優ベネディクト・カンバーバッチが日本で無名なのは、
BSに囲われてるからだと思います!地上に降ろしてくださいNHKさん!BBCと仲良しですよね~?

そう言う訳で、ドキドキするので、英語版しか見てないけどちょっと書きます。
ネタバレありです。すみません、嫌な人は放映後にどうぞ。
解釈が間違ってたり(←私は思い込みが強いのでよくある)日本版ではこうだったよ!
とかぜひぜひ教えてくださいね!

最終章は実は「バスカヴィルの犬」のラストから始まってると思います。コレdown



マイクロフト含む政府機関に監禁されていたモリアーティの、
独房いっぱいに籠ったシャーロックへの執着心。恐い・・・
と思いながらもシャーロックに占拠された自分もたいして変わらんと自虐的に笑った私です。

シリーズ1と2のエピソード(E)の構成は似ていて、
派手で華麗なオープニングアクトのE1=「ピンク色の研究」「べルグレービアの醜聞」
友情深まるE2=「死を呼ぶ暗号」「バスカヴィルの犬」
ディープでヘビーなE3=「大いなるゲーム」と本作「ライヘンバッハ・ヒーロー」

item5うっとり&気になるシーンのいくつか

事件解決のプレス・レセプションでシャーロックの無礼な発言を通訳するジョンと言う事聞くシャーロック。ジョンが有能マネージャーに見えた。

イギリスのティー・タイム11時きっかりに起こる同時3発強盗・・・いや、侵入。英語はbreak-in。でも普通は、break-in=盗み目的ですよね。その証拠に、ロンドン塔でモリアーティーが踊りながら聞いた曲は、ロッシーニのオペラ「泥棒かささぎ」です。


俳優のアンドリューは、ダンスは自分の演出だと何かで言ってました。天才!

ロンドン塔の警備員は紙コップ、イングランド銀行の総裁(?偉い人)は金のふちのボーンチャイナ、刑務所所長はマグ。場所柄を表すそれぞれの茶器。そしてレストラードもカフェの紙コップとお菓子で口をもぐもぐさせていましたね。



誰もがリラックスしてる時間に、イヤフォンでオペラ聴いてスマホのこんなお茶目なアプリでみんなのお茶を零させる。



その直後、新聞と裁判シーンの曲はニーナ・シモンの「Sinner Man」。
sinnerは「罪人」という意味。

裁判に向かう時、ドアの向こうに群がるプレスや警察の中に姿を表す前の短い会話


ジョン「Ready?」          シャーロック「Yes」

このジョン頼りがいあるなー。シャーロックがやけに素直だなー。

裁判の前に女性警備員への頼み事
「Would you mind slipping your hand into my pocket?」



丁寧な「would you mind~」は「僕のポケットに君の手を滑らせてくださるかな?」
って訳す??その丁寧さとイヤらしさのギャップ。「羊達の沈黙」レクターみたい。

その裁判の判決が「無罪」とジョンからの電話で知ったシャーロック@221Bは、
・・・・お茶の準備・・・!! ガチャンガチャンとケトルのスイッチ入れて
ティーセットをトレイにセットするシーンに胸が震えました・・・かっこよくて!
そしてライブ演奏でお出迎えするとは・・・やっぱり君たちalike=ソックリ、大見得の切り方が。


弾いていたのは、ヨハン・セバスチャン・バッハのヴァイオリン・ソロのソナタno.1

モリアーティが部屋に上がって来てヴァイオリンを止めたシャーロックに、
「ヨハン・セバスチャンがあきれるだろうな。」続いて「バッハは死ぬ間際に、息子がピアノで弾いていた彼の曲が途中で止まったのを聞いて」ここからシャーロックが話を引き継ぎ「ベッドから飛び起き曲を最後まで弾いたそうだな。」
モリアーティ「メロディを最後まで弾かないなんて我慢ならなかった。」
シャーロック「君もだろ。だから来た。」
は~~、弾いてた曲の話から自分達の話にすり替わったよ~。お話を完結させなきゃというモリアーティに。レトリックもいちいち気障ですね!そしてモリアーティのBachの発音はバッハとドイツ語っぽく聞こえたなあ。英語では通常バックと言うけど。

そうそう、この後出て来る、「fairy tale」と「You're on the side of the angels.」って和訳は?「童話」?「お話」?このふたりに似つかわしくない単語だけに気になります。後者の方は「天使達の味方」?意訳して「善人のお仲間」?でもやっぱり「天使」は残して欲しいな。悪魔のモリアーティにふさわしい単語だから。
そしてこの後、無罪になるため陪審員を脅迫したことを「Easy peasy」と言っていた。どんな和訳だったのでしょう。これって、「か~んたん」って言う子供っぽいかわいらしいボキャブラリーなんですよね。ラストの屋根の上でも「Atta boy」ってこれも子供に使う褒め言葉だし、シリーズ1でも「Round round garden, like a teddy bear」を子供の手遊び歌に最も合わないシャーロックが歌ったり、拳銃突きつけ緊張みなぎるプールシーンで「Dear Jim, please~~」と子供番組真似したり、よく出てきますよね。モファット&ゲイティスさん版のピーターパン=「大人にならない男の子」の暗示かな。

8/11追記「easy peasy」の前の台詞
「and every person has their pressure point, someone that they want to protect from harm.誰にでも弱点がある。守ってあげたい人がね。」ってモリアーティが言ったこと、私は陪審員恐喝のことだと聞いてたけど、これ、シャーロックのことも言ってたんですね!だってその直後の会話でSH「どうやって僕を破滅させるんだ?」JM「僕は言ったよ~」って。。。(日本語訳記憶ないけど確かこんな意味)追記ここまで



↑このシーンでも、シャーロックがモリアーティのことを「He's been a bit naughty.」→私なら「最近ちょっと悪い子なんだ。」NHKの訳楽しみ。その直後に固くビシッと「For the sake of law and order, I suggest you avoid all future attempts at a relationship, Molly.」が来るのが余計におかしい。「法と秩序のために、今後いかなる恋愛への企ても回避することをお勧めするね。」でしょうか。

そうだ、ここにハードでおしゃれな男の話に似合わないもの、がまだありました。
モリー・フーパーのさくらんぼのカーディガンが!!
down

写真はWear Sherlock BBCさんからお借りしました

この後、モリーとシャーロックの会話にジーンと来るんですが、視線がついさくらんぼに・・・
そしてWear Sherlockさんでクレジットを見てまたドキっ!「Dolly Dear」?
大英博物館のちょっと南のガーリーな店だ・・・私服持ってる!モリーと趣味あう?!
このアイテムは海外のファン達も注目、ファッションのサイトpolyvoreにもいくつかモリー・コーデがupされています。モリーは、今注目のgeekの女性版かしら!

肝心のシャーロックとジョンの話もひとつ最後に。
前回バスカヴィルでも「コートの襟立ててツンとするのはやめろ」のようなこと(日本語見てない)をジョンがシャーロックに言ってたけど、それって「よそ行き戦闘ルックをオレにまでするなよ」って意味かなーと思いましたが、今回もまたジョンの本音発言が出てました。相手を受け入れてるけど、自分の気持ちも分かって欲しい。すべての大切な関係にあるべき態度。言わなきゃ伝わらないことってあります。

ジョン「Don't do that.」(それやめろよ)
シャーロック「Do What?」(何を?)
J「The Look.」(あれになってる)
S「The Look?」(何に?)
J「You're doing The Look again.」(またあれをやってるんだ)
S「I can't see it, can I?」(だって見えないぞ)鏡見て「It's my face.」(僕の顔だ)
J「Yes, and it's doing a thing. You're doing a "We both know what't really going on here" face.」
(そう、その顔がまたやってる。”何が起きてるかはオレたち分かってる” 顔だよ」
S「Well we do.」(だって分かってるだろ)
J「No. I don't. Which is why I find The Face is so annoying.」
(いや。オレは分かってない。だからその顔はかなりムカつくんだ)


0.15あたりから

さて、モリアーティーの魔の手はこの「シャーロックの大切なもの」にも・・・
そして
見ても解けない「謎」のことも私の脳内いっぱいにひろがっていますが、
そちらは放送終了後にまたゆっくり頑張りたいと思います。





夏休みの日記

2012-08-03 12:01:00 | 国際結婚・家族のこと
sun 暑中お見舞い申し上げます kakigoori


誕生日に友達と訪れた「国際子供図書館」の中

Jはサンフランシスコ出張から帰ってきました。相変わらず忙し好きで昨日は友人とディナー、そのIくんが秋にロンドンのテイト・モダンでとある仕事をする話を聞いて、私もにわかに行きたくなってきました。不思議。オリンピックで行こうとは思わないのにw

Mともスカイプで話しています。子供のアクティビティーに1日おきに行って工作やらお絵描きやらしてるというので、イタリア人の子供に混じって偉いな、と思ってたら、な~んだ、J母友人のイギリス人が主催している「英語を習うアクティビティー」でした!イタリアに住んでる普通のイタリア人の子供なら、普通の日本人の子供並みの英語でしょうね。先生は英語のできる子が来て喜んでいるとのこと。半分ネイティブなんだからフェアじゃないけど。

私はと言うと、7/23から始めるはずだったお仕事が延期になり、夏休み中です!
おかげで北海道の友達との8年ぶりの再開は100%ストレスフリー。青山と近所の東大~芸大付近しか行ってないのに,私まで旅行した気分です。月日は流れても・・・おしゃべりネタは増えるばかりw。 23年前(?!)にロンドンのクラブで会った時にまさかこうなるとは。時空を越えて続く友情symbol1