
私の職場は多国籍なので、日本式の堅苦しさがなくユルいのが気に入ってます。
楽チンです。
しかし、
そのユルさも底なしというのか・・・外国人なら日本の常識にあてはめられないけど、ではアメリカの常識で回っているのかと言えばそうでもない。
個人の不思議な価値観がほったらかしになっている状況とでも言えましょうか。

日本人と結婚して孫までいるので最低でも20数年在日していますが、ブロークン日本語のままで、私は英語も混ぜて聞いて全体の文脈から彼女が何を言ってるのか判断するので、ハッキリ言って聞いてる方が疲れます。
でも私が入社した時「無理しなくていいよ」と優しい言葉をかけてくれました。
ご自分もまた無理のできない人で、避難訓練の時に、「階段を登させられたのよ!」とご立腹・・・どうやら彼女はふだんから階段は1階分足りとも決して使わないで延々とエレベーターを待つのです。
何をやってもそのスピードは人の半分くらい、というのも体が弱く、よく遅刻、早退、病欠をします。加えて用事があって休みもけっこう取るので、まるまるフルでシフト通りに出勤した週はない印象です。
それでも必ずギリギリでも連絡は入れるので、了承を得て欠勤している体勢は保っています。
朝も4割くらいほんの数分遅れるのですが、タイムカードは出社してすぐ業務開始の打刻をして、その後着替えたりお茶を飲んだりするので、一緒に仕事を始める私に負担がくるのでそれはマネージャーに報告しました。(イエローカードくらいは出てるかも)
まあそこまでは、いつものスローペースの延長みたいに思って私は慣れてしまって、逆に私の方が、業務開始時間のギリギリまで働かないようにして(なんとなく他の人たちは5~10分前から準備を始めているけど、私としてはそれは不要だと思ってるし)自分がイライラしないようコントロールしています。
それがつい最近、開始時間ぴったりに現れて頑張ったな、と思った朝、開始して1時間後、「さっきお水飲めてなかったから飲んでくる」とカフェテリアに出かけて行ったと思ったら、なんとパンを食べていたのをスーパーバイザーに目撃されました。
「だってお腹が空いたら働けない」
・・・・いや、それは誰でもそうだから、仕事が始まる前に朝ごはんは食べるということを彼女は知らないのだろうか・・・・
そういえば数分遅刻してきた日に「朝マック行った」としれっと言われて驚いたことも。
朝ちゃんと余裕を持って職場に来れないというのは、時間感覚の障害でもあるのかな?と思ってみたのですが、休憩に行く時間と退勤する時間は、時間ぴったりになる前に職場を離れる準備が完了しているので、やはり障害はない模様。

日本語はかなり上手で、お年寄りと接する機会が多いと見え、日本語でも英語でもちょっとおばあさんぽかったりオヤジぽい。実年齢は多分40代後半。更年期がどうのこうのと言ってたので。
思い込みが激しく、自分の間違いを決して認めません。
例えば、Gさんがファイリングを担当した日の伝票がないので、そのことを知らないかと私が聞いたら、
「絶対にそこに入れたよ。ないの?怖いねえ!」
私は何か怖いのかわからないので「何が怖いの?」と逆に聞いたら
「誰かが私を困らせようとしてとったのよ!」と・・・・
いやその発想の方が怖い。
お菓子の差し入れをもらった時のこと、「お米のクラッカー」と言われてもらって、私は「おこし」だと思ったんですね。でもGさんが「それフィリピンのだよ。」(Gさんはフィリピンとアメリカのハーフ)「そういうのあるのよ。見ればわかるもん。」と。
そのお菓子を休憩の時間に開けるときに包みをよく見たら『プラ』とカタカナが・・・・
やっぱり「おこし」だったんです!私も見ればわかったもん!
とまあ、ユニークな人材が揃っていて、価値観とか常識ってのは人の数ほどあるんだなあと思っていたら、ふと今日、あることに気づいたんです。
それは私の部署に君臨する悪のお局、ゴラム先輩へのみんなの感情です。
それだけは、全員一致してるんです!
ゴラム先輩の言動に誰かが腹を立てて陰口叩いてると、みんな「そうそう!!」と感情を共有できるんですよ。みんな突っ込みどころも嫌なところもそこだけは同じ・・・・
ある意味、バラバラな価値観をまとめるものすごい求心力を持つのがゴラム先輩でした。
つまりそれくらい強力ということでしょうか(笑)。