Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ゆるゆる職場の話

2017-03-07 23:16:00 | 異文化


私の職場は多国籍なので、日本式の堅苦しさがなくユルいのが気に入ってます。
楽チンです。

しかし、

そのユルさも底なしというのか・・・外国人なら日本の常識にあてはめられないけど、ではアメリカの常識で回っているのかと言えばそうでもない。

個人の不思議な価値観がほったらかしになっている状況とでも言えましょうか。


ufo例えばBさん。

日本人と結婚して孫までいるので最低でも20数年在日していますが、ブロークン日本語のままで、私は英語も混ぜて聞いて全体の文脈から彼女が何を言ってるのか判断するので、ハッキリ言って聞いてる方が疲れます。

でも私が入社した時「無理しなくていいよ」と優しい言葉をかけてくれました。

ご自分もまた無理のできない人で、避難訓練の時に、「階段を登させられたのよ!」とご立腹・・・どうやら彼女はふだんから階段は1階分足りとも決して使わないで延々とエレベーターを待つのです。

何をやってもそのスピードは人の半分くらい、というのも体が弱く、よく遅刻、早退、病欠をします。加えて用事があって休みもけっこう取るので、まるまるフルでシフト通りに出勤した週はない印象です。

それでも必ずギリギリでも連絡は入れるので、了承を得て欠勤している体勢は保っています。

朝も4割くらいほんの数分遅れるのですが、タイムカードは出社してすぐ業務開始の打刻をして、その後着替えたりお茶を飲んだりするので、一緒に仕事を始める私に負担がくるのでそれはマネージャーに報告しました。(イエローカードくらいは出てるかも)

まあそこまでは、いつものスローペースの延長みたいに思って私は慣れてしまって、逆に私の方が、業務開始時間のギリギリまで働かないようにして(なんとなく他の人たちは5~10分前から準備を始めているけど、私としてはそれは不要だと思ってるし)自分がイライラしないようコントロールしています。

それがつい最近、開始時間ぴったりに現れて頑張ったな、と思った朝、開始して1時間後、「さっきお水飲めてなかったから飲んでくる」とカフェテリアに出かけて行ったと思ったら、なんとパンを食べていたのをスーパーバイザーに目撃されました。

「だってお腹が空いたら働けない」

・・・・いや、それは誰でもそうだから、仕事が始まる前に朝ごはんは食べるということを彼女は知らないのだろうか・・・・

そういえば数分遅刻してきた日に「朝マック行った」としれっと言われて驚いたことも。

朝ちゃんと余裕を持って職場に来れないというのは、時間感覚の障害でもあるのかな?と思ってみたのですが、休憩に行く時間と退勤する時間は、時間ぴったりになる前に職場を離れる準備が完了しているので、やはり障害はない模様。


ufoGさんの場合は、

日本語はかなり上手で、お年寄りと接する機会が多いと見え、日本語でも英語でもちょっとおばあさんぽかったりオヤジぽい。実年齢は多分40代後半。更年期がどうのこうのと言ってたので。

思い込みが激しく、自分の間違いを決して認めません。

例えば、Gさんがファイリングを担当した日の伝票がないので、そのことを知らないかと私が聞いたら、

「絶対にそこに入れたよ。ないの?怖いねえ!」

私は何か怖いのかわからないので「何が怖いの?」と逆に聞いたら

「誰かが私を困らせようとしてとったのよ!」と・・・・

いやその発想の方が怖い。

お菓子の差し入れをもらった時のこと、「お米のクラッカー」と言われてもらって、私は「おこし」だと思ったんですね。でもGさんが「それフィリピンのだよ。」(Gさんはフィリピンとアメリカのハーフ)「そういうのあるのよ。見ればわかるもん。」と。

そのお菓子を休憩の時間に開けるときに包みをよく見たら『プラ』とカタカナが・・・・
やっぱり「おこし」だったんです!私も見ればわかったもん!


とまあ、ユニークな人材が揃っていて、価値観とか常識ってのは人の数ほどあるんだなあと思っていたら、ふと今日、あることに気づいたんです。

それは私の部署に君臨する悪のお局、ゴラム先輩へのみんなの感情です。

それだけは、全員一致してるんです!

ゴラム先輩の言動に誰かが腹を立てて陰口叩いてると、みんな「そうそう!!」と感情を共有できるんですよ。みんな突っ込みどころも嫌なところもそこだけは同じ・・・・

ある意味、バラバラな価値観をまとめるものすごい求心力を持つのがゴラム先輩でした。

つまりそれくらい強力ということでしょうか(笑)。



時間のなかの子供

2017-03-04 21:16:00 | ベネディクト・カンバーバッチ


写真は洋書ですが、その翻訳を読みました(写真は1番下にあります)。

なぜ洋書の写真を先に貼ってあるかというと、写真が好きだからです♡
日本語版のも可愛い女の子の写真ですが、この小説の設定1980年代よりも少し古い50年代あたりを私には連想させます。

洋書には他にもリリカルな表紙がたくさんあったのでコレクションしちゃいました。後で下の方をご覧くださいね。

さて「時間のなかの子供」byイアン・マキューアンをなぜかと言えば、ベネディクト・カンバーバッチがドラマの共同プロデュースと主演を務めると各プレスで発表されたからですね(皆さんとっくにご存知ですよねー)。

私の知識で「ははん」と思えるのは、映画「つぐない」の原作小説の作家であるということくらいですが、とにかくそのニュースを聞いて図書館に即予約を入れました。

しかし焦ることはなかった、図書館に今何人の予約が入ってるのかと検索してみたら、なんと「ゼロ」・・・この本は絶版らしく密林に在庫がないので、図書館に殺到するかと思ったのに、文京区、意外に文芸への関心が薄いではありませんか。俳優のニュースから原作本に手を伸ばす人って意外に少ないのかしら。

このドラマは英国ではBBCOne、米国ではMasterpieceで放送されるとVarietyに出ています。英国俳優さんの過去作を調べると、「BBC製作のテレビ映画」というのに当たるんですが今度のもそう言ったドラマとはいえ90分の単発です。ベネディクトさんとトム・ハーディーが出てた「Stuard: a life backwards」もそうでした。

これから製作ですから放送日程もまだまだですね。

ベネさん「Melrose」という別のドラマも製作&主役をやるとの発表もあったばかりで、文芸作品に力を入れてストレンジ先生とのバランスをとっているのかと憶測してしまいます。


『バランスをとる』
というので、ついに本の感想を思い出しました。ネタバレの嫌な方は、この下は避けてくださいね。感想は写真群の下に書きますよ。










ベネさん演じる主人公スティーヴンは、年は42か3歳。児童文学作家。
この世代の、理想と現実の間でどう『バランスをとるか』にいとも簡単に感情移入してしまいました。

「権威に反抗」した思春期を過ごしながらも、年齢とともに反抗ばかりしていてはやることもできないし生きるためのお金を得られないジレンマに陥り、かつての自分と今の自分の間で悩むのです。

スティーヴンや私の親の世代だと、思春期に若者文化もなかったし、「反抗」という概念もなく、「きちんとした大人になること」のみが人生の選択だったように思います。

それに1980年代以降に生まれた世代も、反抗すべき大人自身が反抗してきた世代なのでちゃらんぽらんすぎて権威がないに等しく、最初から「ちゃんとした大人なんて存在しない」と知っているので、うまく世を渡っていくことに何の罪の意識も感じない。

この自己ジレンマはもしや限られた世代だけなのかな・・・などと、優柔不断なスティーヴンの政府や乞食に対する感情を読んで思いました。

でもそれはこの本のメインテーマではありません!

スティーヴンの、一緒にスーパーのレジにいたのに忽然と失踪した3歳の娘によって引き起こされた妻との溝。そして自分の親とのつながり。がテーマです。

娘が自分と一緒にいたのに消えてしまう。
私がロンドンに住んでた2000年代にも、よくMissing Person(行方不明者)という張り紙をチャリティーショップや地域のコミュニティーセンターなどで見ました。それに、実際の事件テレビニュースも覚えていて、スーパーのトイレで幼児をリュックに詰め込み連れ去ってしまった犯人の手口もありました。その事件ではすでに幼児は殺されていて・・・

当時は私も育児中だったのでそれはそれは恐ろしいニュースでした。しかもイギリスのスーパーにはやたらと広い店もあり、3歳だとレジカウンターの周りでは見えない存在。

スティーヴン夫妻も娘の失踪とともに最悪の事態も考えながら口には出せず悶々とした日々を過ごす

ー その苦しみは無理もないのですが、スティーヴンは喪失感に金縛りにあったような状態で、すごい優柔不断なんですね。全てに責任を取るのを免れようとした態度とでもいうのか。物語としては、鬱屈しすぎてちょっと・・・

というところを面白くしているのが、友人のチャールズ夫妻と首相でした。

チャールズというのが、口がうまく人間的魅力もありビジネスマンとしても政治界でも成功するのだが、犠牲にしてきたインナーチャイルドと表向きの自己とのギャップに耐えられなくなっていく、という面白いキャラクターなんです。私はこの役をドラマで誰が演じるのかに大変興味があります!

訳者の真野泰さんはあとがきで「女性性賛美」の面がある、と書いているのですが、スティーヴンの妻はヴァイオリニスト、チャールズの妻は物理学者と、キャリアと才能のある頭の良い女性二人のはずですが、私にはどうも理屈っぽすぎてこの二人のどこがいいのかさっぱりわかりませんでした。

知的でナチュラルな美しさを持つイギリス女性のイングリッシュ・ローズを体現しているようにも読み取れましたが、

私にはまだスティーヴンの母の方が魅力的な女性に思えました。ちょっとせっかちで考えが短絡的なんだけど、そのシンプルな思考回路が私には共感できます。



ミック・ロックのボウイ写真展

2017-03-02 23:52:00 | イギリス
まだまだ続く!デヴィッド・ボウイ・イズ便乗商法に合わせたイベントです。

70年代のロック・ミュージシャンを撮った男として有名な写真家ミック・ロックによるボウイ写真展@原宿Vacant。



裏原を明治通りからちょこっと入った所で、1階は古着屋さんのDEPT。



2階がギャラリーで撮影はNGですが、1階の受付周りはOKとのことでしたので、ピンクのボウイがズラ~~~っと並んだかわいい壁紙を撮らせてもらいました。欲しいなあ!この壁紙!



この撮影をした地点の背後に階段があり、その上が展示会場となっています。



72~73年のツアーに同行したものがメインで、ステージのと、控室のプライベートぽいメイク中とか着替え中で下着姿のとかもあって可愛いです。

いわゆるフォトセッションの決めポーズのは文句なしにかっこいい。

山本寛斎のステージ衣装はグラムロックの中でもエキセントリックさが際立って、ボウイのステージを世界に印象付けるのに役だったでしょうが、

私はスーツで上半身がピッタリにワイドパンツのボウイが大大大好きです。

テイラーメイドのシックなスーツで、ネクタイと靴がネオンカラーだったりするの。

それと、会場ではおそらく今世紀になってからのと思われるミック氏×ボウイの撮影風景の動画が上映されています。それは情報にはなかったけれど撮影されてるボウイの動きや笑顔、話してる仕草なども見られて興味深く、音声はないにもかかわらず何分間もジーーーーット見つめてしまいました。

刊行されている写真集のサンプルを見ることもできて、展示されてない写真もあります。その本の装丁もキラキラしてとっても素敵。販売もしています。

実はグッズの販売も1階の古着屋さんの奥にてあることが、帰りの電車の中で何か読んでて気がつきました。あああ!何て不覚。。。。

最終日の3/13にはミック・ロック氏のトークショーもあり、私も行きたいですが、チケット売り切れで残念です。レポを待ちます。

会場Vacantのサイトはコチラ pika

入場料は500yen バッヂ付き