ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

難しく言うと「相対的」ってことかなあ・・・・

2012年02月12日 04時43分39秒 | ちょっと休憩

これは統計を採って言っているんじゃありませんが、今年の冬は例年より気温変化が激しいのではないかな、と感じています。最高気温が10度を超える日が有ったり、5度以下の日が有ったり、です。

こうなると身体はついていきません。なんかいつもの冬より寒い、と感じているのは私だけでしょうか?

でも、実際の所の平均気温は平年の平均値と変りません。

な~~んて事が、食事にもありますね。

酸味のあるものを食べた後の酸味のあるフレッシュな白ワインは酸っぱく感じませんが、甘いものを食べた後は酸っぱい。

酸味のあるものを食べたり飲んだりした後の、渋い酸の少な目のワインは甘く感じます。

そこそこ香りのあるワインをより強い香りのワインの後に飲むと香りが感じられない。

ですからワインをお出ししたり、料理をお出しする順序は大事なわけです。

しかし、以前このブログに書いたように、私は結構その順序を無視してお出しすることがあります。

酸味は「酸っぱい」とも言えるし「爽やか」とも言えます。渋みは「重い」とか「エグイ」などともとらえられますが、脂を「スッキリ」させる味方でもありますね。

甘みは「甘ったるい」と言う表現も出来れば「円やか」という見方も出来ます。

或いは「先程のワインの後ですから、ちょっと酸っぱく感じるかも知れません」と言ってからお出しするとお客様の脳が酸っぱさを引き算してくれて、いざワインを口に運んだ時には「そんなに酸っぱくない」と捉えられるのです。また「〇△を先に召し上がってから飲まれると丁度いい感じになります」と言ってからだと失敗しない。

あれ、このワインはもっと美味しかったはずだ!!という経験はどなたにもあるかと思います。でも、多くの場合はそういうところに原因があるのですね。

実際、順序が違えば爽やかなワインだったわけですから、それを元に戻してやる言葉が必要なだけだったのです。

相対的。

表題の言葉です。

食事は美味しく頂きたい。その為には順序、言葉など相対的な変化を理解すれば失敗を避けられます。

ソムリエとしてはワインが食事を不味くしない役割をするように「相対的に」考えたいですね。

この前と同じ料理に違うワインをお勧めする、という事がありますが、全てのお料理が一緒なわけではないなら、順序や選ぶワインも替わる、という事です。その方が色々な楽しみが広がって楽しいですもんね。