3日ほどアルバイトをした。 久しぶりに「見ず知らずの人」とたくさん接触して、とてもとても疲れてしまった。
働くってエネルギーがいるよなあと実感している。でも、きっとこうやって繰り返していくうちに慣れて、摩耗して当たり前になって行くんだ。
よきにつけあしきにつけ…と言う思いをしている。
疲れてへとへとになって、でも、神経がいらいらしているので目がさえて寝付けない。
なので、片っぱしから本を読んでいる。 とほほ、情けない・・・ブランクってこういうもんだと感じている。
この著者は、ドイツ在住のノンフィクション作家だ。
日本の教育の現状をドイツのものと比較して語っている。
これはこの本の主旨だから仕方が無いのだが、プロローグでは日本の教育をコテンパンにやっつけドイツの教育を礼賛する。
早とちりの私は「失敗したかな」と思った。日本人は渡航するととかく日本を卑下しがちになる。
相手の国の良い所ばかりを並べたて、日本のここが悪い、あそこが悪いといいつのる。その類の本かと思ったのだ。
全体としてその傾向がないとは言い切れないが、ドイツにあって日本にないものをあげ、こういうやり方もあると言いたいのだと感じた。
著者は、ドイツの教育が最良だと言い切りたいわけではないのだと思う。 どだい教育には、これだという確固たるものがあるはずがない。
時代により、場所によりかわってくるのは必然だと思う。
ドイツの教育だって問題がたくさんある。 この本は10年ほど前のものなので、現状はドイツも日本ももっと厳しいものだと思うが、
大まかなことではそう違いはないのではないかと読んだ。
就学期間がえらく長いこと、旧態依然の教育システムがはびこり、景気後退が就職に影を落とし自宅待機を強いられている卒業生も多く、
何より少年犯罪の発生率は日本と比べようもないほど多い。
その上で、ドイツの教育が目指しているものが、日本の選んでいる経済至上主義に代表される目先の利益ではなく、
何十年も先の“新しい人間作り”なんだと言っている。
ドイツの教育学者の中には、ドイツと日本の教育をたして2で割ると理想の教育になるのかもしれないと言っている人がいるそうだ。
これは、私たちの教育には問題も多いが、良い面もあるということだろうと思う。
では、何で今、これほど日本の教育に閉そく感があるのだろうか?
子育てももう終盤を迎え、実際に関わることが少なくなってきて、風が通らないその教育組織にこの本のタイトル通り
「もどかしい」「歯がゆい」と感じている。 親として実際に関わっていたあの時に、私はどうしたらよかったのだろう?
先日、ユニクロが大学1・2年生に内々定を出した。
私はこれに対して?だった。大学教育をユニクロはどう考えているのかと思う。
この就職難に残りの大学生活を心配なく送れるのはいいことなのかもしれない。
「バイト確保できるし、店長候補は確保できるし、両方にとっていいんじゃない?」というのはうちの大学生の弁。
ドイツにあるマイスター制度、企業で実習しながら職業学校に通うものだそうだ。
また企業見習い制度と言うものは大学卒業者にもあり、成績優秀者を仮採用し一定期間を設け博士号の取得を奨励するという。
期限内に取得できなければ解雇されてしまうようだが、個人の経済力にかかっている日本の現状と比べると、ドイツと言う社会にゆとりを感じる。
まあ、こういう恩恵にあずかれるのはドイツでもごくわずかだろうと想像がつく。
だが、社会の中に、一部でもそういう考え方があるというのは素晴らしいことだと思う。
大学は、学校は、何のために行くのだろう?
ごくごくシンプルなこの問いに、ごくごくシンプルに答える。 それが風通しの良い教育に向かう近道のように思う。
うーん、今の状況を比べた本を読むべきだったなあとここまで書いて思っている。
ま、下調べに読んだということで、本屋に行ってみまーす!