修士論文で忙しい長男、今頃は口頭試問の準備をしているだろう。
うちの長男はもともと文系学部に入学した。在籍中に現在のゼミに所属し、研究テーマは完璧に理系になった。
受験に数3Cが必要のない学部だったので、高校時代彼は履修しなかった。
というか高校に入って数学にてこずるようになっていて、第一志望の大学の受験科目を優先したのです。
それでも現役時代は歯がたたず、浪人中にしっかり文転したくらい数学に嫌われた。
それが今選んだ研究がもうまるっきり理系の領域だった。
とりついた時から、自分の力量の足りなさに憤懣やるかたない状況が続いているらしいのだが、
担当教授はその息子の力量のなさこそが、彼の長所と見ていてくれている。
だが卒論の時も、またこのたびの修論の時もいわれるのだろうとぶつくさ言う。
なんで文系の君がこういうテーマを選んだの?
この研究が、文系の実践にどう役立つの?
今の彼は、これに悩まされている。
息子の歩んだ道がこれだったから、仕方がないのだが、
そういう意味でいうと、理系の力が足りないあの子がよくこういう世界に歩みを進めたと思っている。
このまままだこの道を歩みたいという。
一緒に入学した友人たちは、ほとんどが「社会人」の道を選び学び舎を飛び去って行く。
医学部だったら、研修医として実践の場に立つ年月だ。
息子の選んだ研究テーマが、社会に役に立つようになるかどうかは定かではない。
ここまできてこの次は、この先生のそばで続けたいと打診したところ、
来月面談をしていただけることになったという。
結果は再来月になる。
ばりばり理系の研究室というそのゼミで、やっぱり聞かれるのだろうなあ?と息子はぼやいている。
なんで文系の君がうちなの?って。
いいじゃないの・・・高校時代に数学に嫌われてって、それでもあきらめきれずにいたらこういうことになりました!って言っていいと思うよ!
そういう変わり種がいたほうが、どこの世界でも新しい発想が生まれるというものだと、母は確信しています。
いい結果が出るといいなあ・・・と、先日上京したときに五円があるチョコレートを息子に渡したのだが、
ごみ溜めに埋もれていないといいんだけれどなあ・・・・????